吉本ばななさん～『さよならの良さ』

私の友人に、子供二人に

先立たれ、これでもかと

いうくらい次々試練と言うか

人生の課題と言うか、兎に角

大変起伏の多い人生を生きて

いる人がいます。

私は、その人に何度も「貴女の

人生はヨブ記だね」と言い

ました。

その人が「直さん、ヨブ記の

最終章が来たよ。顔中が

腫れあがって別人になって

しまった」と電話が来ました。

それから暫くして、自分が脱皮

しているようだ。

今まで味わったことのない

温かさに包まれ穏やかで

「ありがとう」しか出て来ない

何も特別なことをしてないのに

満たされているの…

私は、その人を見ていて

ついに求めていた「いのちの

世界」を生きているんだなと

思いました。

昨日買った吉本ばななさんの

新刊にこんなことが書いて

ありました。

『寝たきりになってしまった

尊敬する元近所の

おばあちゃんが、毎日の平凡な

ことをくりかえせたことが

一番幸せだった、90過ぎて

そのことが本当にわかった、

と言っていました。

風呂を洗う、お湯を入れる、

洗濯物を取り込む、毎日の

ことはとてもわずらわしい

けれど、その中でしか

わからないことがあるのです

そのようなことの中で

わかったことだけが、

「本当にわかったこと」に

なっていくのです。』

ばななさんのこの文章を

読みながら、ヨブ記の様な

人生を歩み、真の平安の中に

いる友人が思い出されました。

ばななさんの文章は、

本当に深くて温かいな～