~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

石内都 少女たちの服・ひろしま

2012-08-18 21:52:22 | 日記
昨日、夜中にBsで「ディアヒロシマ」という番組がありました。

写真家の石内都さんの「ひろしま」の写真展をカナダで開催した時の

映像でした。

石内さんの「ひろしま」の写真集を見た時の衝撃は、今でも私の心に

深く残っています。

 小学生の時、東京のデパートで開催された「原爆展」に父に

連れられて、行った時の衝撃は只々恐怖でした。

それから、大人になり広島の原爆資料館に何回か訪れました。

でも、資料館でみたものをいくら思い出してもそれは

モノクロの世界の中にあるのです。

お弁当箱の中の炭化して真っ黒になった米

ひしゃげた三輪車

着ていた絣の模様が肌に焼きついた写真

ケロイドの写真も包帯だらけで横たわっている人の写真も

あまりに悲惨で、その人の元気だった姿を思い起こすことも

できませんでした。

ところが石内都さん「ひろしま」の写真集の中の、鮮やかな

少女たちの服を見た時、その服を着ていた彼女たちの姿が

浮かんできて、過去のこととしてでなく、生々しく私に迫って

きたのです。

その服は、原爆資料館にあった服を石内さんが、一着一着

まるで少女たちが来ていたように撮ったものです。

鮮やかな、タヒチブルーの軽やかな服

蝶の羽を想像させるような、透けたワンピース

かわいい大きなピンクの水玉模様のスカート

浴衣地で作っシミーズ

着物をほどいて作った防空頭巾には、大きなダリアのような

斬新な模様が

戦争中、少女たちはモンペ姿の下に、こんなに艶やかな服を

身につけていたのです。

このドキュメンタリー番組をまとめたリンダさんは「アメリカ人は

原爆というと、キノコ雲しか浮かばないが、あれだと一人ひとりの

尊い命に思いを馳せることが出来ない。このワンピースの写真が

初めて原爆と人の死を結びつけた」と言っていました。

石内さんの少女たちの服の写真が、モノクロの世界に色を

呼び戻し、戦争を過去のものから現在に繋いでいます。

いつか行ってみたい、石内都の写真展「ひろしま」

石内さんの写真を見た時のあの衝撃を忘れまい…


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