精神科医の香山リカさんが、座間の事件に触れて
「生きづらい若者へ」という文章を書いていました。
毎年全国で8万を超える行方不明者がいて、
そのうち4割を20代までの若年層が占める
そうです。
その中には「生きるのがしんどい・居場所がない」
と感じて姿を消した人もいるはずだと…
そういう「生きづらい若者」は予備軍も含めると
何百万人に達する可能性があるというのです。
香山さんのところにも、生きる希望を失った
若い人が「誰かに助けてもらいたい」と受診に
来るそうですが、それが出来ずそっと姿を
消したり命を絶とうとする人の方がずっと多い
でも、彼らは完全にすべてをあきらめている
わけではなく「どこかに分かってくれる人が
いるのではないか」とそっとネットにアクセス
したりもしているのです。と書いていました。
自殺する人は、死にたいから死ぬのではなく
生きているのが苦しいくて死を選んでしまうの
だと、私は思うのです。
息子を失った時、生きている方が苦しいと
心底思いました。
あの時、かろうじて私を生きることに
留めたのは、家族でした。
夫や小3の次男を、これ以上悲しい目に
合わせてはいけない!と、このことが
何度も無意識でトラックが来ると、自転車で
突っ込んで行こうとしていた私を
生きることに踏ん張らせてくれたのです。
講演会の時、最後に初女さんに会って死ぬという
メールが来て、慌てて初女さんに伝えると
「私に会って死んだ人はいない」と言われました。
人は、誰か一人でいいから自分のことを分かって
くれる人がいたら生きていけるという話を
聞いたことがありますが、本当にそうだと
思います。
みんな聴いてほしいのです。心のうちを…
答えは自分の中に持っているのだから
聴いてもらえたら、その答えに気づくことが
できるのです。
絶望の中で初女さんに出会い、立ち上がった人は
どんなに沢山いることでしょう。
その初女さんがいない今、私たちが聴く人に
ならなければ…
初女さんのように聴けなくても、心を傾けて
聴けば、その人が自分で答えを見つけられる筈
答えは、外にあるのではなく自分の中に
あるのだから…