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~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

トンネルの向こうは…

2016-01-17 07:23:05 | 日記

毎日、書展に張り付いています。

何十年ぶりかでお会いする方もいて、私の拙い書を

観に来て下さり、感謝一杯です。

お子さんに先立たれた方も、何人かいらっしゃって

「悲」の作品の前で佇まれ、涙されていました。

それぞれの悲しみは、その人だけのものであり

誰にもわかりませんが、あの長い暗いトンネルを

通ってきたことは確かです。

トンネルの中にいたとき、その向こうの世界は

想像も出来ませんでした。

唯、悲しみを悲しみのまま終わらせてはいけない。

息子の生を、私が生き切らなければと、

そのことだけを念じるように一日、一日を生きて

いました。

そして、深い悲しみを抱えても前を向いて歩いて

いる人に会いたいと、祈っていたら佐藤初女さん

との出会いが与えられたのです。

初女さんや、初女さんに連なる人達、書との出会いも

すべて息子が亡くなった後に与えられました。

神さま、仏様はすべてご存知だったのでしょうか…

長いトンネルを抜けた向こうにあった世界は

魂(いのち)と直結するような世界でした。

そして、作品を書くことで一つの文字との対峙が

私の心を深めてくれています。

個展にきて下さったY先生が「創君が、どんなに

ホッとしていることでしょう」と言って下さいました。

昨日、ギャラリーを閉める間際に「昨日来た時は

『悲』が心に残ったけれど、今日は『母』に会いたく

なったの」と、二日連続で来て下さった方がいました。

何と有難いことでしょう。

川端康成は「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」

書いていますが、人生は「トンネルを抜けると

そこは、いのちの世界だった」…

個展に来てくださった皆さん、来れないけれど

パワーを送って下さっている皆さん、

本当に有難うございます。(19日まで張り付いて

います)

いつか、私の感じている「いのちの世界」が

作品に出来たらと、そんな思いが湧いて来ました。

人はトンネルをいくつも通って、いのちの世界に

向かっていくのでしょうか…

 

 

 

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