~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

詩人・長田弘の最後のことば

2015-06-04 21:17:48 | 日記

5月3日に75歳で亡くなった長田弘さん。

逝去の前日に、長田さんが新聞のインタビューに

応えた言葉が載っていました。

「最近、愛国心という言葉がよく使われます。

でも、パトリオティズムという外国語は、欧米では

生活様式への愛着を示す言葉です。何か高揚した

ナショナリズムのように、愛国心と訳すのは正しくないと

思うんです。パトリオティズムとは『日常愛』のことだ…」

「『日常愛』とは、生活様式への愛着です。

戦争や災害の後、人は失われた日常に気づきます。

平和とは、日常を取り戻すことです」

これが、詩人長田弘さんが遺した最後の言葉です。

ISに殺害された後藤さんは、戦争で失われた日常を

伝えようとしていました。

そして、東日本大震災では、私達日本人は

いきなり失われた日常に、どう生きていけば

いいのかと立ち止まされました。

長田さんは「戦争は、私達の生活様式を裏切って

いきます。確固とした日常への愛着を、まだずっと

書き続けたかった。戦後70年の今、失われようと

しているものが、いかに大切かということを…」

と語り、記者と別れ際に「風の音や誰かの声

新聞配達の音   そういう日常が聞こえて

くるんです」と呟かれたそうです。

長田さんが、いのちの最後に語った言葉を

私達は、しっかりと受け止めなくては…

長田さんの「あのときかもしれない」という詩を

思い、「あのときかもしれない 私が戦争の

足音を聞いたのは…」

という言葉が生まれてこないようにしなければ…

 

コメント
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