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01 B型肝炎ウイルスの治療

2007年12月09日 | B型肝炎ウイルスの治療

ウイルス性肝炎の治療は、原因療法、対症療法、発癌を予防するものの3つにおおまかに分けられます。
原因療法は、肝炎の原因となっているウイルスを減少させたり排除させるもの。対症療法は炎症を抑えることによって肝臓の細胞が壊れることを防ぐ治療。発癌予防は肝炎の継続により肝癌が発生することを予防する可能性のある治療として、分けています。どの治療も、最終的には肝炎の進行肝癌の発生を予防することを期待して治る方向へ行くことを期待して行うことになります。

現在B型肝炎では、35才未満はインターフェロン療法、35才以上は抗ウイルス薬である、バラクルード、ゼフィックス、ヘプセラが主流です。しかし、自然経過で落ち着いてくる治る場合もあり、多彩な変化に応じた治療方針が必要となります。また、B型肝炎では、落ち着いている時期と急に悪化する時期が交互に来る場合があり、急速に悪化する場合に、肝不全となり無くなる場合があるなど、非常に悲惨な経過をとる場合があります。30代から40代のうちに肝硬変や肝癌が発生することもあり得るという意味では、C型肝炎よりも若い時期の経過観察が大切でもあります。
逆に50代くらいになるとぴたっと炎症が治まり、肝癌も出来ずに良好に経過する場合もあります。

しかし、普通の経過では慢性肝炎、肝硬変、肝癌と進行する病気であることは、忘れてはなりません。ですからどの時期からでも治すことが求められる病気なのです。そして、抗ウイルス薬の進歩により治る可能性がでてきていることは、いいニュースです。

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