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第34 回 北海道門脈圧亢進症研究会 大成功!50名参加

2024年03月18日 | 学会研究会報告新聞記事など



■第34 回 北海道門脈圧亢進症研究会 大成功! 50名参加
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聞きながらのメモなので、誤字脱字内容間違いあり得ますことお許し下さい。(文責川西 輝明)
⽇時︓2024年3月9日(土)15:00〜17:10
形式︓ハイブリッド開催
会場︓肝臓クリニック札幌水色の木もれ陽研修センター
北海道札幌市中央区北11条⻄15丁目2-1 桑園メディカルプラザ3F
オープニング15:00-15:05
開会の辞
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之先生
歴史有る研究会、よろしくお願いいたします。
 
セッションⅠ各15分|15:05-15:35
座⻑
北海道⼤学病院消化器内科助教
荘拓也先生
演者
札幌医科大学医学部消化器内科学講座助教
沼田泰尚先生
「関節リウマチ治療の影響による肝線維症が原因と考えられた
⾷道静脈瘤の⼀例」
70歳代女性 NASHからの肝硬変
メトトレキサート6年間積算量は26g
食道静脈瘤あり 画像上は肝硬変無し 肝線維化からの門亢症を考え肝生検
F2/A2相等
低容量は抗炎症作用 高容量はがん細胞の葉酸合成を阻害
副作用は代謝の早い細胞に出現しやすい
ASTALTの上昇は一般的な副作用 メタボリック的な因子は肝障害進行させると考えられている
肝線維化の機序
アデノシン経路を介して線維化促進へ
ホモシステインからメチオニンの生成を妨げることでも線維化促進
定期的な画像内視鏡チェックが必要
MTXの投与開始時は正常範囲だったよう
○どの辺から変化があったか? その後は追えてないところがある
○MTXを10年くらいだと線維化の報告はあると目安になる量や期間は有るか?
相関がないと言われている。検討が必要と考えている。
○組織学的な線維化は中止で改善する可能性はあるか
内服を止めたことで改善したという報告はある
○肝生検を見るとIPHとかもあり得るかなと思ったが脈管系の変化は?
特になかった
○6年間で26gは多いと思うがどのくらいの量からか
明確な基準はない
元々脂肪肝はあったか?
前医では指摘はあったよう
 
演者
勤医協中央病院消化器内科内科医⻑
古山準一 先生
「⼼膜静脈経由で逆⾏性経静脈的塞栓術に成功した
孤⽴性胃静脈瘤の1例」
80歳代女性 C型肝炎 慢性肝炎 HCCも合併
Lgcf ウイルスは陽性
EIS後の変化あり
排血路は横隔膜下静脈が考えられた
心膜静脈から胃静脈瘤造影剤の停留不良のためヒスト0.5 リピ0.5で塞栓
腹水は発生したが 塞栓は良好 1年後血流は再開無し
ヒストとの合わせ技で成功
○根性でやった素晴らしい手技 予防でヒストはしないか?
怖いので予防ではしてない
○メインの排血路を塞いだのか?1対1で飛ぶのは大丈夫か
いつもやっているので、大丈夫か 濃くすると子カテが使えなくなる方がこわいから薄めにしてる
コアキシャルからの手技なのでコイルも怖い
○EOIを入れるためのフローコントロールのためではないのか?
同じ事をしてるメインの所が止まりながらEOIの追加は不要だったかもしれない位になっていたかも充分な塞栓を得るために追加した
○排血路が複数あったのか
シャントにうまく入ってくれたから上手くたまりやすくなった
 
セッションⅡ各15分|15:35-16:05
座⻑
天使病院消化器内科科⻑
髙木 秀安 先生
演者
北海道⼤学病院消化器内科
目野晃光 先生
「⾷道胃静脈瘤に対し経⽪経脾静脈瘤塞栓術を施⾏した⼀例」
50代女性 上部消化管出血疑いあったがはっきりせず
食道狭窄部の潰瘍からの出血経皮的カテーテル動脈祖先術で止血
吐血で搬送 接合部胃側潰瘍あるも出血無し 門脈血栓はダナパロイドで溶けた
2回目吐血 白色栓ありEVL
3回目クリップ 4回目ははっきりせず 5回目はっきりせず 6回目もはっきりせず
強皮症25年前 プレドニゾロン10mg
抗RNP抗体陽性
CTで吻合部静脈瘤 門脈血栓 内視鏡で白色栓ありEVL
カテーテル治療を検討した BRTOは無理 PTOは門脈血栓あり
経皮経脾(PTSO)なら行けそうと言うことでチャレンジ
IPHが合併した症例はあるが合併率は明らかになっていない
○確認ですがIPHは確認してるか?
肝生検してるが明らかになっていない
○PSEしてるが脾臓が腫れてるのでPSEの追加は?コイルで塞栓したが簾状だがコイルで詰めた?脾臓刺してぬく時ヒスト詰めるのか?
汎血球減少と出血の繰り返しがあったのでPSEより静脈瘤治療を優先した。
簾状は左胃静脈にコイルとEOIでしてる
抜去はコイルを置きつつヒスト併用して抜去した
○内視鏡的にはみえてないが、矢崎先生は見えてた 噴門静脈叢出血で手強いやつ超音波内視鏡するとよく見える 出血点がわからない 病名的には噴門静脈叢出血という方がいいのではと
○PTSO第一選択なることは門脈血栓意外にあるか
門脈血栓あってもルートが厳しかったらPTOも有りと考えていた
○血栓の治療は
していない
 
演者
⼩林病院内科顧問
矢崎康幸先生
「門脈圧亢進症を呈したNASH肝硬変30例の検討」
除外診断しつつ集めた症例 24例 過去の経過で2例 生検で4例
女性が多かった11:19
肝がん6例 糖尿病の合併が67%
16例内視鏡的治療 NASH意外の症例は糖尿病の合併少ない
治療は急性出血10例と予防が7例
 
症例59歳女性 誘因なく吐血
ICG34% 当初はIPHを疑い、肝生検はNASH肝硬変だった
4回EIS 超音波内視鏡ではまだ残存あり慎重に見た F0再発あり追加EISして消失
 
症例68歳女性 胃孤立性静脈瘤 ヒストで治療
まとめ
NASH肝硬変の静脈瘤はまれであるが今後重大な疾患になるだろう
治療は相違点はなかった 女性に多く糖尿病の合併が多かった
○内視鏡の定期観察は決めているか
肝硬変は年一回、肝硬変でない方は得にすすめていない、しかし突然来る症例にあったりする
○治療後の再発は違いありそうか
アルコールは飲んでるとすぐ再発するが、NASHは再発はない。治療で進行がゆっくりになったり改善してるのではないかと 長期には予後が良さそうだと
 
特別講演16:05-17:05
座⻑
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之 先生
演者
東京⼥⼦医科⼤学附属⾜⽴医療センター検査科・光学診療部内視鏡内科准教授
古市 好宏 先生
「門脈圧亢進症への私の挑戦
〜HCV治療の最新話題を含めて〜」
ふるいち先生
東京医科大学医学部卒業1998年
門亢症学会でも多数の賞を受けている
7年目で上司が一気に辞めて急にオーベン担当となった
試行錯誤してやってきた
留学はB型肝炎でマウス実験してきたが
臨床に戻りたくて門亢症にどっぷりつかってきた
この間講演してるがZOOMだったり骨折だったりで久しぶりの リアルは北海道
IVR時にガイドワイヤーを入れるのが辛くなって内視鏡が増えてきてると
120枚のスライド早回ししていく
研修医の閲覧
NBIを用いることでフィブリン栓は見つけやすくなるのかをしてみた
見やすい
 
EIS 左胃静脈まで入れたいとやっている
2回くらいでおわって半年後くらいにAPCしてる
RDIで静脈瘤の視認性がいい 注入成功率が上がりや再発率も低い
治療時間も短縮した 7人
ヘモグロビン濃度が高いところは黄色い波長が吸収されてるが、赤い波長は吸収されない為、結果的に赤くなる
ヘモグロビン濃度が低いところは、黄色い波長が吸収されずに残るため、黄色調に見える
孤立性胃静脈瘤 ヒストアクリル BRTO
特殊な静脈瘤 左側門亢症 胃体部静脈瘤Lgb
PSEもあわせた症例の紹介
再建空腸静脈瘤の治療 バルン内視鏡が適切長さの穿刺針が必要(こんかいのは長すぎた)
 
C型肝炎治療後の門亢症 DAA後
マヴィレットでほぼ100% 
HDDはDAA後も再発しやすい
門亢症はどうなのか 脾臓の硬さは 食道静脈瘤の再発での検討
肝臓も脾臓も柔らかくなる
脾臓の大きさの変化が一番関連すると出た 少しでも小さくなっているなら再発はない
DAAの治療後でも脾臓が大きくなってる人は静脈瘤再発する
 
貴重な実際の治療画像が多く勉強になりました。
○門亢症の前側は脾臓の硬さではないかと思っているがどうか
脾臓の相関関係エラストなどとやってみようと思うと
○胃の静脈瘤にEVLは穿孔してたが、今は結構行ける 4mm以内の太さならいけると思ってるがどうか
矢崎先生の発表を見てるのでありがとうございます。4mm以下ならいけると思っている。ヒスト入れても上手くいかなくてEVLの症例もあるのでそのとおりだと思うと
○左側門亢のLgbについては胃壁で何処まで注入するかやめ時は ぬいたあとの後出血対応は
BRTOしても上手くいかなくて、ヒスト入れて待期的にEISを二回してるやめ時は難しくてLGVの手前で辞めたいと思っていた、左に流れるときは危ないのでストップしてた ぬくときはヒストを入れてる
○挙上空腸で苦労した経験があるが何処させばいいのか
何処さしていいかがわからない、超音波内視鏡で探すといいが、やってみないとわからない手探りな部分がある
 
クロージング17:05-17:10
閉会の辞 手稲渓仁会病院 副院⻑ 辻 邦彦先生
特別講演頂いた古市先生遠路大変ありがとうございます。実践的な参考となる講演でありがとうございました。
第34回当番世話人の阿久津先生ありがとうございました。
関東に次いで2番目に長い会となっている。35回は勤医協の古山先生よろしくお願いいたします。
事務局、abbiさんありがとうございます。
 
代表世話⼈︓⼿稲渓仁会病院 消化器病センター辻 邦彦
当番世話⼈︓札幌医科⼤学 消化器内科学講座阿久津 典之
共催︓北海道⾨脈圧亢進症研究会、アッヴィ合同会社
(文責 川西 輝明)