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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

第29回北海道門脈圧亢進症研究会 報告 Kawanishiメモです。

2018年03月11日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
 
第29回北海道門脈圧亢進症研究会 報告 Kawanishiメモです。
聞きながらのメモや感想なので、誤字脱字内容間違いありえますことお許しください。

Session1:ルストロンボパグ関連〈13:35-14:05〉
司会:手稲渓仁会病院 消化器病センター 辻 邦彦
1.慢性肝疾患における血小板減少に対するルストロンボパグ導入の現状
 札幌厚生病院 肝臓内科 木村 睦海
17例中 治験5例
7日間が一番投与日数 5日後を目安すに血小板数測定
2日間処方し忘れがあった

EIS8例など 1週間後の治療もできた。
血小板製剤の問題ICや同意書、適合などが必要 当日や1日前 感染リスクなど
副作用のモニタリングが必要
記録の20年保存が必要

赤血球より副作用アナフィラキシーの頻度多い

北大荘先生 どんな人が下がりやすいかこうかが続きやすいか特徴有るか
確認はできていないが、3万切ってる人はあがりにくいかな。
1.9万は8万くらいまで上がったと辻先生から
腹水はどうか
脾臓の体積との検討は、次回したいと

2.慢性肝疾患患者の血小板減少症に対するルストロンボパグの効果・安全性の検討 
 北海道大学病院 消化器内科 鈴木 和治
4名の検討
肝腫瘍生検 EIS 
PVシャント造設 術後の血小板減少を回避できたようにみえる、これはいい感じと思いました。

辻先生から、9日目くらいがマックスになることが多い もう少し待ちながらするといいかも
安心感がありますよね
5万弱でもやってた経験から行くといまはいいですよね。
矢﨑先生から 血小板数だけでは、効果が悪いのもある。出血時間は調べているか

薬であがる血小板の方が機能としてはいいと推測されている。

3.器質化門脈血栓を有するB型肝硬変患者にルストロンボパグを投与し門脈血栓増悪なく安全に観血的処置を施行し得た一例
 旭川赤十字病院 消化器内科 阿部 真美
抗凝固療法はした方がいいのか
肝がんの治療を繰り返して門脈血栓ありのなか、EISもしてよくなった。

辻先生から ルストロンボパグの反応がゆっくりだったので血栓に影響がなかったのかなとも思う。
矢﨑先生から だんだん大きくなっているように見えたので、心配ですね。
Dダイマー 動いてるなら 一回やってみてもいいかな。
北大は リクシアナも方法かな

Session2: 門脈圧亢進症 門脈血栓症 その他〈14:05-14:45〉
司会:旭川赤十字病院 消化器内科 長谷部 千登美
4.門脈圧亢進症を呈したNASH(肝硬変)31例の検討
 小林病院 消化器病センター 矢崎 康幸
NASH肝硬変の31例で検討
肝生検無し20例
肝生検のあと進行してLC 2例
肝生検で 9例
にて診断した

糖尿病の合併が 58%に見られた NASH以外の門亢症の例とした場合は7.7%だった
EISなど治療を行っている

73才5年後に出血吐血 無症候性LCだったよう。EVL 1つかけたら翌日再出血でかけた
ショック肝になったよう AST、ALT1,000を超えた。
上部まであったので、オーバーチューブは危険と判断して、EVLでなく、EISとした。
ショックも繰り返したので続けてEISは難しく落ち着くまでちょっとかかった。

長谷部先生から
NASHの肝硬変はほとんど門亢症が有ると思うが今回は、静脈瘤を基準としたのか 
シャント共にいれたと。

麻生先生から 治療に抵抗性があるか、胃とか食道はどうかとか
進行して見つかる傾向はあるが、ウイルス性とかと変わりは無い感じ。

予備能と関連を見るとつかみやすいかもと

5.肝硬変における体液貯留に対するトルバプタン導入の現状 
 札幌厚生病院 肝臓内科 木村 睦海
148例を検討
導入のみの効果を検討 69例が検討できた
Naはあがった人がいた、低下例が多かったのであがっても心配はなかったが注意が必要
アンモニア12例があがった
1週間で、1.5k以上減った 28例 0〜1.517例 65%は効果あった
1.5k以上減った例と反応なかった例で比べた
1日目で反応は勝負が付いてる気がした 

3.75ではじめた症例が多い
今は最初から7.5にするようにしてる。4日目くらいから増やしてると

荘先生から 1週間で不応と判断した場合その後はどうしてるか
早めに対処するようにしてる。最初に腹水をぬいてから使うと効果があるかも

矢﨑先生から トルバプタン単独でいける症例はどのくらいいるか
途中で効果が悪い場合はいろいろ介入することもしているので、なんとも言えない。
長谷部先生から 腎血流を改善してからやると効くのかもと

6.門脈血栓症に対する抗凝固薬の治療効果の検討             
 札幌厚生病院 肝臓内科 巽 亮二
ATⅢが70%以上の場合など エドキサバン(リクシアナ)

10例中8例が縮小や縮小してる

有害事象は 出血はストマ静脈瘤
消化管出血には注意が必要と思うと

阿部先生から 期間空けてからでも消失してるが何もしてなかったか
してない方であったと
Dダイマーあまりとってなかったが、4くらいとかであまり高くなかった

辻先生から 第一選択で使うのがいいのか維持で使うといいのか
効いたか微妙な症例もあるが、した方がいいのか。
大きくなってきてる人などは治療していいのではと


7.治療に難渋した重症アルコール性肝炎の1例 
 手稲渓仁会病院 消化器病センター 山本 恭史
以前報告した症例のその後
6リットルくらいカートしたら利尿が付きだして改善、そのまえに2リッターでは、改善しなかった。
その後
胃静脈瘤破裂で緊急入院 EIS施行した

止血はAPC? ヒストアクリルで当直医が1人でやったと 後日の写真だったので潰瘍形成だった

後腹膜膿瘍 脾腎シャントへEISのとき菌が入ったか

休憩〈14:45-15:00〉

Session3:部分的脾動脈塞栓術〈15:00-15:30〉
司会:札幌センチュリー病院 消化器科 町田 卓郎
8.部分的脾動脈塞栓術にて脳症改善しその後肝がん治癒を確認した非代償期肝硬変症(B型)の1例 
 肝臓クリニック札幌 川西 輝明
珍しい症例を経験した
報告ではあるが、会場の先生からは体験した方はいなかった
ピブカ2も下がっているかスライド作ろうと思いました。 長谷部先生から質問あったので

9.特発性門脈圧亢進症の貧血に対して部分的脾動脈塞栓術を施行した1症例
 勤医協中央病院 消化器センター 古山 準一
腎不全で人工透析中
APCをしながら経過を見ていた、肝生検でIPHの診断
3回目後血圧も低下が続いてた。人工透析もしているかた
貧血改善しないため施行

門亢症の改善はないので、脾機能亢進が改善したことで貧血が改善したと考えている
PSE後、血小板はあがってる。
エポジンとかは使っていた患者さんなので、寄りそう言えそう。

GAVEにEVLも効果的かも知れない。と木村から
胃が動いているときでないとでないので、観察では出血ははっきりしないと

矢﨑先生から 出血してないのに貧血が来る 造血関係かと思う症例がある。

10.部分脾動脈塞栓術(PSE)後の門脈、脾静脈径の検討
 旭川医科大学 内科学講座病態代謝内科学分野 岡田 充巧
門脈血栓を増悪させずできた症例など、径が細くなるなど、確認していた。勉強になりました。

Session4:IVR 〈15:30-16:00〉
司会:札幌厚生病院 放射線科 長谷川 貴
11.左側門脈圧亢進症に伴う胃静脈瘤出血に対しn-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を使用して
経皮経脾静脈的塞栓術を施行し、待機的に部分脾動脈塞栓術を追加した1例
 帯広厚生病院 放射線科 木野田 直也
すごいです。バッチリ治療できていて勉強になりました。

12.アルコール性肝硬変に合併した十二指腸静脈瘤に対しB-RTOが著効した1例                            
 札幌センチュリー病院 消化器科 町田 卓郎
BRTOやってみましょうとやってみた
頚静脈からアプローチ 瘤の本体まで行けず、EO35-6ml使った。多めになった。
マイクロカテでは奥まで届かず。
十二指腸までは行かなかったが、オーバーナイトで無事終了
静脈瘤も消えてくれた
181例のまとめを引用して説明
治療法、出血してたら内視鏡治療を先行
予防的は13例

13.高度門脈狭窄による門脈圧亢進症、消化管出血に対し門脈ステント留置が奏功した一例
 札幌厚生病院 肝臓内科 畑山 加奈
慢性膵炎後、門脈などの狭窄により出血につながった。
ステント内の血栓予防はアスピリンを使用

矢﨑先生から 血栓ではなく膵炎からと考えていいか。いいと。
麻生先生から 治療前後で肝硬度などはどうか。特にしていない。 本人のキャラクターもあってと
ステントは何を使っているか ルミネックス
いれたあとはまっすぐになることも多いと

休憩〈16:00-16:15〉

《特別講演》 16:15~17:15 会員で動画を見たい方はコメント欄から連絡ください。
「門脈圧亢進症領域における出血予防と抗凝固2018」
 演者:北里大学医学部 消化器内科学 准教授
    日髙 央 先生
COIまみれなので そう言う目で見て欲しいと

万が一の話し
門脈血栓の治療アンチトロンビン
ノンスロンの治験
今後の動き

万が一に備えて
スペースシャトル
チャレンジャー号の経験から、リスクから目をそらしてしまった。

トロンボポイエチン製剤 治験も行った ムルプレタ
飲んだ方は8割が血小板輸血を回避できた。
トロンボポイエチンは1994年に見つかった。
製剤は2015年遅いんじゃないかと思った。
遅くなった原因
1脾腫で血小板を取られる
2肝臓のトロンボポイエチンの低下
3脾臓における血小板の破壊
4ウイルスやアルコールの

教科書により、血小板産生能がある無いに分かれる
肝臓なのにマルクをしまくった 医師9年目くらい

巨核球にもいろんな段階がある
分類 タイプ0〜3にしてスコア化
1,000個のうち1個くらい、プレパラート何枚も見てやっと見つけるくらい。
IPHとくらべて、数は変わらず
タイプでは作ってないのが肝硬変では多かった

トロンボポイエチンで肝硬変でも血小板があがることは知られていた。1995年くらい
開発はすぐはじまっていた。
大きいのを作ったらすぐ抗体ができて効かなくなった。

小さいのを作ったら、すぐ効いた。

血小板が増えると門脈血栓症を起こしやすくなる 問題
エルトロンボパグを使った治験では 4万が14万くらいに 血栓症が頻発した
ムルプレタは、増えすぎず。

最初の症例で、80%のヒストで胃静脈瘤治療

肝硬変は血栓症を起こしやすいということになってきている。
深部も肺動脈も起こしやすい状態と知られるようになった。

凝固と抗凝固のバランスが悪いのが肝硬変
血栓止血学会ではアンチトロンビンⅢとは言わない。アンチトロンビンという。
ⅡとⅢは同じ物
セリンプロテアーゼインヒビター

過剰投与して大丈夫なのとよく聞かれる
太古の昔から、飢餓と出血は命取り
凝固因子は必要量の数十倍 抗凝固は数倍ある。
アンチトロンビンが多くても出血傾向を引き起すことはないと言える。
余裕がないため半分でも出血を起こす。

ヘパリンの長期使用は、ヘパリン起因性の血小板減少が有意に起こると報告があった。
血小板五万以下には使わないようにといわれている。

エドキサバンで試験を組んだが出血がでて中止になった。

2007年にアンチトロンビンの報告をした。
古い血栓には効かないことがわかった

2018年ノンスロンの治験の報告論文化
完全閉塞は効かない

5日間投与
消失
PRを50%以下のこり
SR75%のこり
75以上を不変で分類

2回目はエコーで評価
5日ずつ追加

プラセボで縮小は19%
ノンスロンで66%思ったより解けないしプラセボも溶けてなかった。
効果が見られる人は二回三回投与しても良さそうな感じ。

体積でも分析してみた
100から44.1 最終29.1
プラセボはほとんど変わらなかった。
面積だと小さくなって見えやすいこともあった

安全性はプラセボと変わらなかった 肝硬変は何もしなくても起こる
悪心はあった
血尿やストマ出血はあるがこのくらい プラセボでも出血はあった。

門脈血栓の治療
完全閉塞は インターベンション
アンチトロンビン70%みまんノンスロン
部分消失なら、ワルファリンなど DOACはまだ足りない。

再発については、まだデータが少ない。

矢﨑先生から 面白い話しでした。抗凝固療法 
DOACについては 30mgで使ってる報告がある 15mgならいいかもと北里ではいっていた

閉会の辞〈17:15-17:30〉
 事務局長 医療法人社団 水色の木もれ陽 肝臓クリニック札幌 川西 輝明
世話人代表に辻先生決まり、挨拶していただいた。

第29回北海道門脈圧亢進症研究会 大成功!!

2018年03月11日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
 
  
第29回北海道門脈圧亢進症研究会がありました。水色の木もれ陽研修センターを使っての研究会は初めて
沢山の人が来てくれてよかったです。
世話人会待合の椅子使ったのでちょっと不思議な空間になりましたが、これはこれでいいんじゃ無いっていってくれて良かったです。
日高先生の講演の様子は動画で、研究会会員には希望者にお知らせします。ブログのコメントでお名前とメルアドお知らせ下さい。
とても面白かったです。臨床医が気を付けてほしいこと必要とするこころがまえや門脈血栓症の話しなど盛りだくさんでした。

自分を育ててくれた肝硬変肝がんの困った患者さんをどう見ていくかを教えてくれる研究会でもあります。楽しくみんなで作り上げ続けたいと思いました。講師を囲む会にも沢山の先生が参加してくれてありがとうございました。

 
 今回は、総勢50人くらいとなりました、会場もわかりやすいといってもらえたので良かったです。
 
 名誉顧問 矢﨑先生 演者を育てる質問はピカイチです。
 
 私も質問しています。あはは。
 
 日高先生の特別講演 巨核球の話し肝硬変で血小板数が減るのはなぜか、血液分野からの研究で勉強になりました。
 
世話人の先生方には、肝臓クリニック札幌の見学もしていただいて、すごいねえって楽しく見学してもらえて良かったです。利用してくれる患者さんを増やす課題はありますが、ここまでできれば患者さんも安心だねと太鼓判押してもらえてうれしかったです。

日高先生の講演動画希望の会員はコメント欄から氏名とメルアドを記載していただければ幸いです。

研究会の、Kawanishiメモはもう少しお待ち下さい。

総合司会:医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 放射線診断科 櫻井 康雄
開会の辞
〈13:30-13:35〉
当番世話人 医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 放射線診断科 櫻井 康雄
 
Session1:ルストロンボパグ関連〈13:35-14:05〉
司会:手稲渓仁会病院 消化器病センター 辻 邦彦
1.慢性肝疾患における血小板減少に対するルストロンボパグ導入の現状
 札幌厚生病院 肝臓内科 木村 睦海
2.慢性肝疾患患者の血小板減少症に対するルストロンボパグの効果・安全性の検討 
 北海道大学病院 消化器内科 鈴木 和治
3.器質化門脈血栓を有するB型肝硬変患者にルストロンボパグを投与し門脈血栓増悪なく安全に観血的処置を施行し得た一例
 旭川赤十字病院 消化器内科 阿部 真美

Session2: 門脈圧亢進症 門脈血栓症 その他〈14:05-14:45〉
司会:旭川赤十字病院 消化器内科 長谷部 千登美
4.門脈圧亢進症を呈したNASH(肝硬変)31例の検討
 小林病院 消化器病センター 矢崎 康幸
5.肝硬変における体液貯留に対するトルバプタン導入の現状 
 札幌厚生病院 肝臓内科 木村 睦海
6.門脈血栓症に対する抗凝固薬の治療効果の検討             
 札幌厚生病院 肝臓内科 巽 亮二
7.治療に難渋した重症アルコール性肝炎の1例 
 手稲渓仁会病院 消化器病センター 山本 恭史
休憩〈14:45-15:00〉

Session3:部分的脾動脈塞栓術〈15:00-15:30〉
司会:札幌センチュリー病院 消化器科 町田 卓郎
8.部分的脾動脈塞栓術にて脳症改善しその後肝がん治癒を確認した非代償期肝硬変症(B型)の1例 
 肝臓クリニック札幌 川西 輝明
9.特発性門脈圧亢進症の貧血に対して部分的脾動脈塞栓術を施行した1症例
 勤医協中央病院 消化器センター 古山 準一
10.部分脾動脈塞栓術(PSE)後の門脈、脾静脈径の検討
 旭川医科大学 内科学講座病態代謝内科学分野 岡田 充巧

Session4:IVR 〈15:30-16:00〉
司会:札幌厚生病院 放射線科 長谷川 貴
11.左側門脈圧亢進症に伴う胃静脈瘤出血に対しn-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を使用して
経皮経脾静脈的塞栓術を施行し、待機的に部分脾動脈塞栓術を追加した1例
 帯広厚生病院 放射線科 木野田 直也
12.アルコール性肝硬変に合併した十二指腸静脈瘤に対しB-RTOが著効した1例                            
 札幌センチュリー病院 消化器科 町田 卓郎
13.高度門脈狭窄による門脈圧亢進症、消化管出血に対し門脈ステント留置が奏功した一例
 札幌厚生病院 肝臓内科 畑山 加奈
休憩〈16:00-16:15〉

《特別講演》 16:15~17:15
「門脈圧亢進症領域における出血予防と抗凝固2018」
 演者:北里大学医学部 消化器内科学 准教授
    日髙 央 先生
閉会の辞〈17:15-17:30〉
 事務局長 医療法人社団 水色の木もれ陽 肝臓クリニック札幌 川西 輝明