肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

減量後に空腹感が増すのは気のせいではない?

2018年03月05日 | 脂肪肝・脂肪肝炎
 
減量後に空腹感が増すのは気のせいではない?
公開日:2018/03/05 ケアネットさんから

私が、減量を開始しはじめた体重がほぼこの論文の平均体重(125kくらい)でした。やせてくるとおなかが空いて食べたくて仕方なくなるその理由の1つになりそうな発表ですね。
1日500kcalを制限して行った食事で、体重が2年で平均11k減ったあとニ年後には一人しか維持できていないとは言え、以前より体重は減っている状態が維持できてる人がいると言うことは凄いことだと思います。食欲を刺激しないゆっくりしたダイエット(1日200から300kcal)の方が最終的には長続きする。ということでもあるのかも知れません。飢餓ホルモンと言われるグレリンを分析していました。
体重が減ったことをを戻そうとする体の仕組みなのかもしれませんね。

以下、ケアネットさんからの引用

 減量が成功した後に食欲が増したように感じるのは、ホルモンに変化が生じて食欲が増大するためであることが重症の肥満患者を対象としたノルウェーの研究で示された。こうした患者がカロリー摂取量を急激に減らすと胃から分泌されて食欲の増進に働く「グレリン」と呼ばれるホルモンの分泌量が増え、これが減量した体重の維持を妨げていることが分かった。詳細は「American
Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism」1月23日オンライン版に掲載された。

 グレリンは「飢餓ホルモン」とも呼ばれ、人類が飢餓を生き延びるために重要な役割を担ってきた。研究著者であるノルウェー科学技術大学准教授のCatiaMartins氏は「肥満の患者も治療にあたる医師も、減量すると空腹感が増すことを知っておくことが大切だ。今回の結果は、減量が続かずに脱落してしまう肥満患者が多いことの説明になる」と述べている。
 この研究は、減量開始前の平均体重が約125kgで、平均BMIが42.5を示す重症の肥満患者35人(うち女性が22人)を対象としたもの。対象患者にはまず、食事指導と心理カウンセリング、運動指導を中心とした3週間の入院プログラムに参加してもらい、2年間の追跡期間中に3週間のセッションをさらに4回受けてもらった。なお、対象患者には1日の摂取カロリーを体重に応じた必要摂取量よりも500kcal低い量に抑えてもらい、食事の栄養バランスは炭水化物を50%、脂質を30%、たんぱく質を20%で構成するよう指導した。
 その結果、対象患者の体重は減量プログラムを開始後3週間で平均で約5kg、2年後には平均で約11kg減少した。しかし、1年後および2年後には全ての患者が減量後に空腹感が増大したと報告しており、減量後の体重を維持できたのは5人に1人に過ぎなかった。さらに、ベースライン時と比べて4週後、1年後、2年後のいずれの時点でもグレリンとペプチドYY(腸管から分泌され食欲の抑制に働くホルモン)の血中濃度が上昇し、インスリン分泌量は減少していた。
 こうした結果について、Martins氏らは「減量するとグレリン値が上昇したままになる一方で、呼吸や睡眠、歩行、食事などの基本的な身体機能に必要とされるエネルギー量も減る。その結果、グレリン値が上がったことで失った体重を取り戻そうとする強いプレッシャーがかかり、激しい空腹感に抗う必要が生じるようになる」と説明している。

 専門家の一人、米テキサス大学サウスウェスタン医療センター臨床栄養学のLona
Sandon氏は「この研究は肥満の治療と管理における重要なポイントを示すものだ。保険でカバーできる標準的な肥満の治療法は短期間のものが多いが、肥満患者は長期的なサポートが必要なことを意味している」と指摘している。また、同氏によると、グレリン値の上昇を最小限に抑えるには定期的に運動し、カロリー摂取量を1日200~300kcal程度抑える緩やかなカロリー制限を行うことがよいという。

原著論文はこちら
Coutinho SR, et al. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2018 Jan 23. [Epub ahead of print]

サルコペニア 脂肪肝と肝がんの意外な関係 糖尿病のフォローに肝臓専門医の活用をって

2018年03月04日 | 脂肪肝・脂肪肝炎
 

サルコペニアと脂肪肝と肝がんの関係についての勉強会に参加してきました。
脂肪肝と肝がんのつながりが予想以上にわかってきていて、糖尿病の薬のSU剤やインスリンなども肝がんの発癌をあげる可能性が有る話しなどもなかなか、論文にはならないだろうけど、血管の合併症を減らす効果がある一方で肝がんの発生を気にしていく必要があると言う部分も興味深かったです。

線維化があるかないか、糖尿病の患者さんの10人に1人は線維化がはじまっている可能性が有るということで、是非年に一回は肝臓専門医を受診させてフォローさせてもらえたらいいのかなと思いました。糖尿病のクリニックでも年一回エコーして、専門医の所でも1回フォローするとより完璧なフォローになるかなと。まだまだ脂肪肝で見つかる肝がんは定期フォローにのっていない状態で見つかるので手遅れになる場合がありとのこと。定期エコーの重要性を沢山の医師が認識していくといいのかなと思いました。
それにしても、ウイルス性肝炎の発癌までは行かなくても脂肪肝炎にこんなに肝がんができる状態が起こっているとは、対策は急がなくてはいけないと思いました。

○愛媛県立中央病院
平岡淳(ひらおかあつし)先生

筋肉のインパクト
ほんとは怖い筋肉の話し
愛媛県立中央病院 827床
気づいたことを世に出そうと頑張っている。

サルコペニアがらみを紹介する。
定義 年齢と関連する筋肉量の低下
フレイル
ロコモティヴは骨関節などの運動器を中心
サルコペニアは代謝なども含むので違うと

2014年アジアの基準 2010年ヨーロッパ
筋肉量が低下して
2016年日本肝臓学会から
PIをつかってる 男性4.24 女性2.50
慢性肝炎1割から肝硬変2割くらいいる 一般は1%くらい

術後のせん妄が筋力が落ちているとおこりやすかった。

筋肉筋力の対策
BCAA 内服してる人としてない人

筋肉の種類 1型遅筋 2型速筋
ウオーキングの習慣化 2000歩追加 LESを追加ロイシンの補充
回復にない人は、BCAAが改善しない 主婦だった
夏休み食事も落ちてたのかも知れない、逆に消耗してたかも
肝硬変の人の平均歩数3791歩だった 1.3%の筋量のアップが3ヶ月であった。

ランセット 毎日15分 2000歩くらいになる 3年寿命が延びた

肝硬変でウイルスが消えてもalbが下がっていく人がいる。

サルコペニア診療の問題点
簡易な測定は、手でふくらはぎを囲む

ロイシン1000mg 卵2個食べるとクリアしてるなあ。

○糖尿病治療と脂肪肝・肝がんの意外な関係
チーム医療での取り組み 川口巧先生
久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門

炭水化物が肥満の原因ではないかと研究史はじめた 2000年ころ
栄養のことをやり始めたのがきっかけ

糖尿病で多い癌 膵がん、肝がん、大腸がん

脂肪肝の1000人に1人くらいが肝がん ウイルス性肝炎ほどではない
線維化の進展と合わせて見ていく
線維化と炎症はまったく別として考える
海外では2.67
日本では1.66日本だと2くらいがいいところではないか 2超えたら危ないと言っていいか半年1回以上エコー

インスリンは同化作用の他に異化作用 細胞分裂や、細胞増殖作用がある
最も高濃度のインスリンが暴露されるのが肝臓なので肝がんができやすいのでは

Cがの肝がんより、NASHの方が予後が悪い がん細胞の増殖のスピードや悪性度が関係してるようと

ちょこちょこいっぱい食べるのが重要 サルコペニア対策

朝6時の補食 胃カメラも大丈夫。

脂肪肝の人には炭水化物、卵類が多い やせてる人の卵も良くないか持って(これは違うかも知れないと思った)
お酒は少しならいいと言われている。

お魚で肝がんの予防される さけますなど 70g 片手に乗る切り身くらい
コーヒー脂肪肝にお勧め

運動
データマイニング解析
糖尿病の2割くらいが肝臓が硬いと言われている。
定期的な運動してると固くない人が多い
時間とか種類は関係無かった

ちょっと運動でも長生きする
やり過ぎて筋量が落ちる人もいる

40分週3回3ヶ月すると良くなるのはわかる
筋トレもあり 体重減少しなくても改善する

IL6 マイオカインがでて良くなる

10分くらい スクワット10回やって、歩く10分
フロントブリッジプランク 10秒2回 コマーシャルを使ってなど

がんの予防にもと
毎日6000歩 週一回活発な運動

SGLT2阻害薬
SU剤が発癌7倍 インスリンが3倍 クレームが来た

血管性の合併症にはあてはまる基準だが、癌にはあてはまらないと

癌組織にもSGLT2が発現してる。
グルコースが入れなくなって死んでいく

肝臓がんではどうか 動物実験では小さくしてる
大腸がんや肺がんなどでも出てきてる

内臓脂肪チェックしてみませんか?内臓脂肪CT検査(CT体脂肪検査)その後

2018年01月25日 | 脂肪肝・脂肪肝炎
 
内臓脂肪チェックしてみませんか?内臓脂肪CT検査(CT体脂肪検査)

 腹部CT検査で、内臓脂肪が100cm²以上になると内臓脂肪型肥満としています。
いろんな脂肪の測定方法がありますが、客観性があって比較検討の信頼性があるのがCTによる測定と言われています。
保険適応の検査ではないので、実費がかかりますが一度自分の体の状態を知るためにやってみることをお勧めしています。
食事療法、運動療法の効果をみるのにも使えますね。
皮下脂肪の状態もわかるのでどの部分を減らせばいいのかというイメージも湧きますね。
急に体重が増えたときに自分を奮い立たせるために、
ダイエットでしっかり体重が落ちたときの自分へのご褒美として、
この検査の有用性は高いと思います。

食事や運動の効果は、認知症の予防やがんの予防などにつながっていきます。
元気で長生きのバロメーターとして是非有効に活用していただければと思います。
料金は 3000円(税別)となっています。

ちなみにわたしは、178cm²(2017.7.12) 2kやせて151cm²まで減っていました。おなかが空っぽだと4Kへってるんだけど。もっと良くなっているかと思ったらって、十分改善してるのはわかるのですが、まだまだ改善しなきゃ。内臓脂肪型は相変わらずだけど。引きつづき食事療法が必要ですがんばらなきゃ。(2018.1.12現在)
内臓脂肪CT検査 料金 3000円(税別)
CTによる体脂肪面積計測 所要時間10分くらい 要予約(枠があるとは予約なしでも受けられます)
混雑状況によりで30分ほどお待たせする場合があります。

おへその周りを1スライス撮影して、内臓脂肪と皮下脂肪を計測します。
内臓脂肪は赤色、皮下脂肪は青色で表示されます。

肝臓クリニック札幌の公式ページでのお問合せページもご活用下さい。川西の方に直接届く形となっています。写真をクリックするとお問い合わせページにつながります。

https://www.mizuironokomorebi.net/contactクリックしてもつながります。
現在、私の方も相談にのれます。返事が遅くなることがありますこと、お許しください。メッセージやコメント欄を使用して、相談していただければと思います。
内臓脂肪が100cm²以上になると内臓脂肪型肥満と言われます。

2017.7.12から半年経って2018.1.25 肝臓クリニック札幌 院長 川西 輝明

脂肪肝治療が成功したかたのデータ 4ヶ月でこんなに良くなる人もいる

2018年01月22日 | 脂肪肝・脂肪肝炎
 
40才くらいの女性、2017年8月から食事療法をがんばって、最初の頃は全然できないと、諦めそうになっていたのですが、卵を増やしてデンプン質を減らして3kの減量に成功しました。合併症の症状も減ってとても楽になったとのこと。AST、ALTが120前後あったのが、40前後とすごくよくなりました。
体重が減らなくても、肝臓が良くなる方もいます。食生活を意識することの重要性がわかります。
アルコールをまったく飲まない方なので食事だけでこんなに良くなる人もいるって心強いデータです。ちなみに運動量は増やしていません。お正月もちゃんと体重がちょっと増えているのも日常でのメリハリと上手くつきあってる証拠でもあるかなと思って経過を診ています。