お灸!

お灸にはまっています。 お灸や漢方などの勉強をまとめてみたいと思いました。 「個人的感想」ですけど...

指先?

2007-11-17 10:28:28 | Weblog
お灸をすえることはそれほど難しくなくとも、その症状に合ったツボ
を取る、というのは難しいですね。 経穴マップなどで位置を決め
ても、人間の身体は工場でできるような製品ではありませんから、
誤差が大きくて迷うものです。

沢田先生、深谷先生お二人とも取穴は自由で、ささっと指を走ら
せ必要なツボを探し当てられたと聞いています。 名人達人と比べ
ものにはなりませんが、毎日お灸するために取穴していると、これ
に近いことはできるようになりました。

あまり押し込むと分からなくなります。 1ミリ程度でしょうか、軽く
触れている感じで、経絡沿いに指を走らせていると、あれっという
感触が指先に伝わります。 ズーンと押し込むと、大概圧痛が
あります。

なぜ先生方がツボが動くという真理を悟られたのか、こうしている
と分かるような気がします。 目印から指3本、とやっていたので
は、なかなか分からないことです。 ただこれに対し、背骨など
筋肉や脂肪の厚みが少なく、すぐに硬い骨が触るような部分は、
もっともっと熟練が必要です。

のぼせ?

2007-11-16 09:30:20 | Weblog
女房の体調は一進一退です。 ずいぶん調子がいいと思っていた
ら、その翌日にはしかめ面をしています。 お灸のお陰で少しずつ
改善されていますが、なかなかずっと調子がいい、というまでは
行かないようです。

それに今まで無かった症状も現れてきます。 「のぼせる」と言い
出した時も驚きました。 これまで一度も口にしたことがなく、肩こり
などはあっても、全般に健康状態は良い方でしたから。

足の親指と第二指の骨の間が窪んでいます。 親指の付け根から
足の付け根に向けて上に第一番に探り当てられる関節の近くが、
行間(こうかん)で、ここがのぼせの要穴です。

のぼせを訴えたとき、ここに強い圧痛が見られます。 骨に近い
部分なので、2-3壮で十分効果が現れます。 行間は肝経に属し、
胆経とともに血流の異常に対応できます。 血流異常には肝経・
胆経をまず探ってください。

筋肉のこり?

2007-11-15 08:41:40 | Weblog
内臓が原因ではなく、使いすぎなどで筋肉が「こってしまう」ことも
ありますね。 こう言うときにもお灸は優れた効果を現します。 残
念ながら女房は今年一杯稽古はできませんが、普段の私達は、
武道の稽古後にお灸を欠かしません。

通常の温熱灸、寒いときなら「貼るカイロ」などでも少しは楽になり
ますが、やはり八分灸の方が良く効きます。 この時にはツボは
まったく意識せず、こりの強いところと、腱(けん)の中央辺りに
お灸をします。 もっともこりの強いところを探り当てると、大概ツボ
の近くになるようですが。 この時は何壮も続けず、せいぜい1-2
壮で十分です。

沢田先生は鍼灸師になる前は骨接ぎ・整体を仕事にされていて、
鍼灸師になられた後はお灸をしておいて、それから背骨などを
簡単に矯正されたそうです。

私達夫婦は稽古後のマッサージも欠かしませんが、こりの強い
ときにグイグイ揉まれるのは痛くてかないません。 マッサージ前
にお灸して「こり」を弱め、それから揉んで貰うと、楽だけでなく
マッサージの効果も大きいのです。

気?

2007-11-14 10:00:31 | Weblog
先週「あの青い草原の上で」が終わってしまい、またしばらくは楽しみ
が無くなってしまいました。 こうした韓国のドラマを熱心に見ておられ
る方のブログも多く、その中で大手術が成功して主人公が助かる筋
立ては安易だ、とも取れるようなコメントがありました。 しかし、これは
漢方から言えば誤解です。

本人も治りたいと必死で思い、妻も家族全員も関係した人々からも
全快を願われ、気が集まる人はそう簡単には死なないものです。 気
が集まればその人の代謝も高まり、病気になりにくくなります。 政治
家が元気なのは、悪い欲であっても、なんとかしてくれ、という気が
集まるせいかも知れません...

漢方では人間の身体を維持するのは「気血栄衛(きけつえいえ)」と
いうもので、この中で栄衛は食べ物から受け継ぐものです。 気と血
はお分かりのように非常に重要なもので、この流れが滞れば(とど
こおれば)人は病を得ることになります。

気は自分自身が作り発散すると同時に、他人から受けるものでもあり
ます。 気を集め、気の流れを保つのは非常に重要で、美しいものを
見たり、触れたり、感じたりすることでも気の流れは保たれます。
ですから美術鑑賞など精神的な悦びであっても、健康維持に役立ち
ます。 もちろん他人から愛される、ということも気を受けることなの
です。

せんねん灸では?

2007-11-13 09:28:53 | Weblog
いつも八分灸を推奨していますが、それならせんねん灸(タイプ)では
だめなのか、という疑問があると思います。 そんなことはありません。
最初から八分灸でも良い、と言う方は結構ですが、もぐさをそのまま
扱うのは難しい、と感じられる方も多いでしょう。

事故の後遺症で筋肉や腱が固まったという方に、最初はせんねん灸
から始められれば、とご紹介しました。 せんねん灸でも大きな効果が
あり、ずいぶん楽になったが八分灸は怖くてとおっしゃっています。
それならせんねん灸でも良いのです。

費用が格段に安く、慣れれば施灸加減も簡単に行くのが八分灸の
利点ですが、米粒大であっても最初のうちは火傷をしやすく、いえはっ
きり言って最初は火傷が避けられないでしょう。 もっとも天ぷらの油
はねなどと違い遙かに浅い火傷で、完治するのに一週間もかかりま
せん。 普段の生活に支障はまず出ないでしょう。 またお灸によって
火傷に対する代謝も強まります。

一、二度は火傷するものだと見切っていただければ、後は楽なのです
が。 ま、無理をしてお灸から遠ざかることになっても残念です。 せん
ねん灸でも筋肉や腱のこり、それに髪の生え際などもぐさを置きにくい
ところに重宝します。 そのうち八分灸、くらいの気持ちで結構です。
また割り箸をお使いになれば燃えているもぐさも簡単に取り除けますの
で、お試しください。

二番手?

2007-11-12 09:50:12 | Weblog
大阪を取り囲む山々も色づいてきて、やっと秋たけなわというところ
です。 景観は良いのですが、朝晩と昼間の寒暖の差が激しく、忙
しいときなど体調維持が難しくなりますね。

この間も出掛けないといけないのに、なんとなく身体がだるく、鼻も
グズグズ。 女房に、以前に「ちょっとした風邪」でご紹介した大椎
のお灸をしてもらいました。 肩から胸に掛けて暖かくなりスッキリ
してきましたが、鼻のグズグズが残りました。

そこで肩の前面に横に走っている鎖骨(さこつ)、この鎖骨と肩関節
の間にある雲門(うんもん)と中府(ちゅうふ)、それに痔でご紹介した
孔最にもお灸してもらいました。 すぐに鼻水が止まり、鼻がスースー
してきました。

漢方の勉強が進むと、このように二番手、三番手が使えるようになり
ます。 鼻は肺経に属します。 ただ孔最の例でお分かりのように、
ツボはいくつもの症状に対応できるものです。 この症状にこのツボ、
という覚え方をするのでなく、経絡で捉えれば応用が利くようになり
ます。

料理人?

2007-11-10 09:13:58 | Weblog
NHKの「みんなの料理」が放送開始後50年になるというので、懐かしい
ビデオが放映されていました。 過去の料理人の名調子や手さばきを見て、
改めてその大きさを感じました。

特に四川料理の陳建民先生の鍋さばきには感心しました。 油をまるで
水のように扱う鍋さばきの鮮やかさは中国人の料理人ならではで、失礼
ながら息子さんには望むべくもないでしょう。 なんと言っても、その料理の
仕上がりが違います。 映像だけのテレビでも、「おいしそう!」。

日本では一番の料理人を「板前」と呼びます。 板の前、つまり包丁を
持って材料を切りさばくのが一番です。 中国料理では一番は「鍋前」、
鍋を握っている人で、火が扱えなければ一番にはなれません。 中国
料理は、材料の風味が残るように強い火力で手早く調理するものが多く、
味付けもずっと薄いのです。

日本では考えられないような、溶鉱炉(ようこうろ)かと思うような飛んでも
ない火力のコンロを易々と使う料理人が、台湾、中国を含め東南アジア
にはたくさんいます。 食べ物は身体の基本です。 漢方を学ぶだけでなく、
こうした土地に足を運んで、その土地の食べ物に触れることも大切です。
旅行シーズンに、ひとつ検討されてはいかがでしょう?

薬膳?

2007-11-09 09:56:03 | Weblog
薬膳を日本に紹介されたのは難波恒雄先生だそうで、これは先生ご
自身がおっしゃっていました。 難波先生がご紹介されたものを何です
が、実は薬膳は特別なものではありません。 現在でも華僑(在外
中国人)の多い東南アジアでは、ごく当たり前の食事として取り入れ
られています。

ずいぶん以前になりますが、マレーシアの工場に機械設備を収め、その
立ち上げ保守を行っていました。 電気屋さんを同行して何週間か工事
を続けます。 赤道近くの熱帯で、しかも風も通らないような工場で朝
早くから夜遅くまで工事が続きます。

その電気屋さんは出発前にかかりつけ医から糖尿病の数値が悪く
なっているので、食事に注意するよう指示されていました。 しかし
なにせ暑いわ、仕事はきついわで、もういいや、とビールをガブガブ、
中国料理をバクバクやりだしました。 連れて行った責任上、こちらは
ヒヤヒヤ... ところが帰国して検査を受けたら、血糖値は正常。

現地のスーパーでは、日本では漢方薬の原料となる薬剤が、ごく当たり
前の香辛料とともに売られています。 薬膳とは、たまに食べることでは
なく、毎日の食事として取り入れるべきものだと実感しました。

濃い味?

2007-11-08 09:20:40 | Weblog
徐々に、女房が台所に立つことが多くなりました。 退院直後は負担を
かけないよう、夕食は「外食」を基本にしました。 こう書くと不思議に
思われる方もおられるでしょう。 実はウチは、ほとんど家庭料理です。

今なら外食や、調理したものを購入してきて、ということが一般的でしょう
が、私も女房も外で食事するのがそれほど好きでなく、年間でも外食
するのは数えるばかり。 サラリーマンを辞めてから、本当に激減しま
した。

退院後の外食では、「濃い味」に悩まされました。 外食を続けると、
塩味の強い店が多いことに気づきます。 塩味の強い食事は腎を痛める
とされています。 また食事を受け入れる胃の気は、漢方では最も重視
しているものです。

一口食べておいしく感じさせないとお店はやっていけません。 その
ため、どんどん味が濃くなってしまうのです。 食べ終わって、あぁ
おいしかったと言うのが本当の料理だ、とは今は亡き京料理の名人、
辻嘉一先生が説かれたことです。 濃い味、塩味の強い食事は、特に
身体に変調が現れやすい中高年の方には、ご注意願いたいことです。

次[骨膠](じりょう)?

2007-11-07 08:59:31 | Weblog
太陽膀胱経は身体の上下、背面に走っている経絡で、予想もしない
ところに効果を現します。。 たとえば頭の後ろや首筋が、こってこって
たまらない、という時にも、次[骨膠](じりょう・左が骨で月偏を除いて
ください)に灸をすえると、このコリが取れます。 この灸点は沢田先生
の発見です。

ただ位置が不思議です。 昔人間は猿から進化したのだ、と学校で
習いましたが、この猿の痕跡、尾骨の上に仙骨という野球のホーム
ベースに似た骨があります。 この骨には穴ぼこが空いており(仙骨
孔)、次[骨膠]はこの骨の下から数えて3番目の穴に当たります。

経穴マップなどで見ていただくと、「なるほど、つながってるなぁ」と
納得していただけると思いますが、いくらつながっているからと言って、
尻にすえて後頭部のコリが軽快する、というのが...

「二階から目薬」というのは、効果を期待しにくいやり方、迂遠なやり
方・考え方を示したものですが、経絡の世界では確固としたやり方に
なっているのです。