お灸!

お灸にはまっています。 お灸や漢方などの勉強をまとめてみたいと思いました。 「個人的感想」ですけど...

大腸経?

2007-08-31 10:16:09 | Weblog
私も暑い時は発汗に水分を取られ、稽古(けいこ)後など便秘気味になる
ことがあります。 一度や二度はいいんですが、バランスが崩れてこれが
習慣的なものになってしまうので困ります。

この間も稽古の後、水分の補給をサボっていましたら便秘気味になりま
した。 稽古で腕を使うので肘から下がこってしまい、その時圧痛のあった
「手三里」にお灸をしました。 便秘より筋肉痛を和らげる、というのが
お灸の目的でした。 お灸の最中から、何か腸が動くような感じがあり
ます。 翌朝、普段の3倍程度の便通があり、すっきりしました。

下剤を使っても同じような効果はありますが、何壮かのお灸で効果が
あれば、わざわざ下剤に頼る必要はないと思います。

この「手三里」と昨日の「手五里」は共に合谷・曲池などと同様、大腸経
という経絡に属します。 なぜ大腸なのに手に経絡があるのか、こうした
ことが漢方を神秘的に見せてしまう一因であると思いますが、これは誤解
で、痛むのでやたらと押していたら他の部位が良くなった、という実証を
集めたものとお考え下さい。

便秘?

2007-08-30 10:24:35 | Weblog
母の便秘には大腸[喩]が特効穴になっている、と書きましたが、その後
大腸[喩]ばかりでなく、大腸経という経絡にあるツボが便秘には有効で
あることを、改めて実感しました。

母には週末に出張灸しますが、週末まで何日も便秘が続いてどうにもなら
ない、という状態の時、手の肘から3寸ほど上の「手五里」が固くこった
状態(硬結)になっていることに気づきました。

腕のコリかと思い、ここに八分灸を始めましたが、熱さをまったく感じま
せん。 何壮も何壮も続け、 30 壮以上もすえたら、やっと暖かさを感じ、
硬結が緩むと同時に「お腹がグルグル言い出した...」。

どこかの本に紹介してあるツボにそのままお灸するだけでなく、「その」
経絡をつたいながら圧痛のあるツボを探していくことで、お灸の可能性が
大きく拡大します。

漢方(薬)医?

2007-08-29 10:14:51 | Weblog
今日書くことは誤解を招きやすいと思いますが、個人的ではあっても実際の
施灸例ですから、皆さんで判断していただきたいと思います。 お盆明けの
NHKテレビで、漢方医(漢方薬医?)が見学者の質問に答えるという番組
があり、これを見ていました。

質問に対しその症状に対応する漢方薬をアドバイスする、というものでした
が、次々と出される質問のほとんどが、お灸をすればすぐに軽快するもの
ばかりで、ほんの数十年前なら一般の養生法として普及していたお灸が、
何故これほどまでに忘れ去られてしまったのか、不思議に思いました。

質問の終わり近くで「胃下垂は治りますか?」との問いに漢方医さんが
「2、3年かければ」と答えられたので、びっくりしました。 「女性でもここ
までの人は多くはない」と言われた私の胃下垂に対し、検査までに
中[月完]にお灸を続けたのは約3ヶ月でした...

私は漢方薬には優れた薬効があると考える一人ですが、2、3年も要する
ような療治法は、はたして患者にとって適切と言えるのでしょうか? なん
でもかんでもお灸、と言うつもりはまったくありません。 どちらが優れて
いるなどという議論もナンセンスです。 大切なことは、患者にとってそれが
ベター(より良い)かどうかだと思うのですが...


胃下垂?

2007-08-28 10:26:39 | Weblog
年に一度人間ドックで健診してもらいます。 私は「男性としては珍しい
くらいの胃下垂、いや女性でもここまでの人は多くはない」だそうで、それ
で消化が悪くて体力も無いのか、と思っていました。

ところが今年の胃のレントゲンでは、胃にはまったく問題なし、表面も十二
指腸もきれいだし、とベタぼめ。 最後に「胃下垂はあるけど、この程度は
正常範囲。 正常と言っても良いですよ」。 あれ...

以前に紹介しましたお腹の中[月完](ちゅうかん)。 ここは胃腸の調子を
整え、神経を休める効果はもちろん、胃下垂を軽快させるツボでもあります。

自分でお灸のブログをやっていながら何ですが、お灸って効くんですね...

痛みと熱さ?

2007-08-27 10:15:16 | Weblog
圧痛があればお灸する、と書いていますが、それなら一度(一壮)でいい
のか、何度もすえなくてはならないのか分かりませんね。 昔の本では
100壮、200壮などというすごい数字が書いてあります。

鍼灸師さんがすえるのならこれでも問題ないんでしょうが、素人(しろうと)
がやるのなら限度があります。 私は、脈診などで相手の現状を把握
できない素人がやるのなら安全を見越し「3壮まで」、が適正ではないか
と思います。

本来は、最初にすえて熱さを感じなければ感じるまで、最初熱ければ熱く
なくなるまで、というのがプロのやり方ですが、素人がしゃ法・補法を逆に
取ってしまうと悪影響が出ますので、たとえ逆であっても大きな失敗となら
ないよう3壮程度とし、翌日様子を見ながら対応すれば良いと思います。

なお一般に症状が重ければ重いほど、ツボに圧痛はあってもお灸の熱を
感じにくくなっています。 症状が軽快してくれば、熱さを感じるようになり
ます。 これが目安になりますが、これだけに頼るのは危険です。 脈診
なども含め確実に相手の状態が分かるようになるまでは控えめに、を守り
ましょう。

もう少し脈診?

2007-08-25 09:35:22 | Weblog
以前に脈診準備のところで、三本指で脈を診る、と書きました。 この脈診
スタイルで、人差し指のところを寸口(すんこう)、中指のところを関上(かん
じょう)、薬指のところを尺中(しゃくちゅう)と言います。 普通は後ろの
文字を略し、寸・関・尺と呼んでいます。

細かい見方はまだ必要ありませんので、簡単にこの寸・関・尺が何を表す
のか、書いておきます。 寸の部分は、身体の横隔膜から上、これに手を
含めます。 関の部分は、身体の横隔膜からへそまでの部分。 尺の部分
はへそから下、それに足を含めます。

この三つの部分の脈が普段と違う様子なら、ここに示した部位に何らかの
異常が発生している、ということです。 右の脈は各部分の右側、左の脈
なら左側です。

脈診で感じ取る脈は、なるべくこの三つの部分が揃っているのが良いの
です。 同じひとつの橈骨動脈なのに、違って感じるはずがない、と思わ
れるでしょうが、どこかに異常が発生すると、その部位に配当してある寸・
関・尺の内、どれかの脈が異常な脈、大きくなったり、感じ取りにくくなっ
たり、と変化するのです。

漢方と連携?

2007-08-24 10:27:55 | Weblog
素人の気安さで、検査結果を待っている間に母の脈を診てみました。 肝の
脈が明らかに浮いています。 また心包の脈が少し沈んでいます。 肝が
浮いているので、もしかして、と靴を脱がせ足の親指近くの大敦(だいとん)
というツボを押すと、強い圧痛がありました。 肝経と関係の強い胆経にも
圧痛が見られました。

ちょうど私達のかかりつけ医が漢方も研究されていますので、2日ほどして
連れて行きました。 脈と舌を診て貰ったら「あぁ、肝気亢進(かんきこうしん)
ですね」。 これで原因がはっきりしてきました。

父の初盆で親戚の応接や何かが重なり、ストレスをためこんでイラついて
いたようです。 漢方では肝は血を収蔵する働きがあると見ます。 イラつきや
焦りは肝の気を高め、高められた肝は益々血を貯蔵し、体内に循環している
血流バランスが崩れ心臓を圧迫します。

これは脈診の所見と一致します。 しびれやめまいの症状とも合致します。
脳梗塞でないことを明解に示してくれた現代医学と、脳梗塞でないならどう
すればいいんだ、という疑問に答えてくれる漢方。 これをつないで(連携
して)欲しいですよねぇ!

現代医学と漢方?

2007-08-23 10:19:48 | Weblog
患者から見て、現代医学と漢方の優劣はつけにくいと思います。 たとえば
手足がしびれ、口がうまく動かない、めまいも感じる。 脳梗塞(のうこうそく)
なら一刻を争います。 救急車で担ぎ込まれれば即座にCT、その他検査で
しょう。 今いろいろ言われていますが、大都市であれば日本の救急体制は
万全と言ってもいいでしょう。 ただし、これが幸せなことに脳梗塞でなかった
ら、どうなるのでしょう?

CTにも異常が無い、しびれもいつの間にか取れた、はて...

「血流がうまく流れなかったんでしょう」くらいのコメントで、脳の血管を広げる
薬はくれますが、原因についても、その処方についても単なる推測ですよね。
それに一生この薬を飲み続けなくてはいけないのでしょうか?

こういうことが、実際に母に起こりました。

ワクワクどきどき?

2007-08-22 10:18:50 | Weblog
江戸時代の教習用の銅人形(経絡を書き込んだ人形で、この人形は和紙を
固めたものですが)から始まり、名前しか聞いたことのない灸の流派の秘伝書
など、えーーこれかぁ、ともう夢中です。 貴重なものなのでレプリカも多いの
ですが、その内容に触れるだけでも興奮します。

鍼灸の文献だけでなく、貴重な漢方薬材料のコレクションも多く、1m50cm
を越える一角(いっかく)、頭の毛皮が付いた本物の鹿茸(ろくじょう)など
圧巻です。

特に私の目を引いたのが馬の鍼と灸点。 学生だった遙か昔、ほんの少し
だけ馬術部で馬に乗ったことがあり、この馬に鍼を打っていたとは知りま
せんでした。 それに人間の頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)が、馬では
お尻のてっぺんにあることも興味深いものでした。

担当の先生に、あれやこれや聞きまくり、展示場所がほんの小さな所なのに、
見学時間はなんと1時間... 担当の先生には本当にご迷惑、お掛けしま
した...

ミュージアム見学?

2007-08-21 10:16:41 | Weblog
私も女房と二人、自転車でおじゃましました。 ちょうど学園は夏休み。
人気(ひとけ)のない1階から入ると壁に学園の沿革を示したボード。
その中で、代田文誌先生が学監を勤められていたことを知り、何か懐か
しい気持ちが...

もちろんご本人と面識はなく、沢田健先生の療治の聞き書き「鍼灸真髄」
を読んだだけですが。

3階に上がると図書室があり、その中にも図書室前の休憩所にも、学生
さんが夏休みにもかかわらずたくさん勉強されていました。 遊んでいる
のが普通の大学と違い、さすが専門校ですね。

事前に電話で予約をしていましたので、図書室で白衣を着用した担当の
先生にお会いし、隣の部屋にあるミュージアム見学が始まりました。