お灸!

お灸にはまっています。 お灸や漢方などの勉強をまとめてみたいと思いました。 「個人的感想」ですけど...

あの青い草原の上で?

2007-10-31 08:56:27 | Weblog
ホ・ジュンが終わった後、現代物の恋愛ドラマのようだったので、韓国の
連続ドラマとも縁が切れてしまっていたのですが、女房が寂しがって、
またその後の韓国ドラマ「あの青い草原の上で」を見始めました。

ありきたりの恋愛ドラマかと思っていたら、主人公の母親同士の悪口の
応酬や様々なセリフが、実に多様で表現力に富み、韓国の人は詩人だ
なぁ、と感心します。 来週には終わってしまうようですが、ただの恋愛物
と違い、家族のしみじみとした愛情が伝わる良いドラマだと思います。

中国、韓国のものなど、言葉が感情豊かな映画は、NHKのように吹き
替えをしてもらわずに元の音で字幕を付けてもらった方が、その動作と
言葉のリズムがぴったり合って良いものです。 昔韓国に出張したとき、
なんだかクチャクチャした言葉だな、と思っていたのですが、今はハン
グルの魅力にはまっています。

この中で私が興味深く見たのが、主人公の奥さんは小児科医の設定
なのに、主人公の体調が悪いと見て、この奥さんが漢方薬を買ってくる
場面。 漢方大国、韓国の面目躍如(めんもくやくじょ)ですね。

もう一度、脈診?

2007-10-30 09:33:17 | Weblog
既にこのブログで脈診の準備段階から、お灸で役に立つ程度の実際の
脈診について書いてあります。 これを再度ご確認願い、もしまだ脈診
を理解いただいていないのなら、ぜひ実行していただきたいのです。

更年期障害や全身にわたって症状が現れるような時は、どの経絡がどう
いう状態なのか、これを把握できないと身体にどういうことが起こっている
のか分かりません。

脈診で異常の出ている経絡を探り、経絡が確認できれば、その経絡の
代表的なツボから圧痛が出ていないか、調べていきます。 経絡を選び
出し、その経絡のツボを攻める。 このやり方でないと、お灸をするべき
ツボの選択は非常に難しくなります。

ツボは全身で300以上ありますから、むやみやたらと押し続けても時間
が掛かるばかりです。 「宝くじ」になってしまわないよう、実用的な脈診
をご活用下さい。

しんどい?

2007-10-29 08:49:21 | Weblog
台所に立っていた女房が「しんどい」(関西地方の言葉で疲れた、つらい
などを表します)、と椅子に座り込んでしまいました。 脈診してみると、
脾経、肝経が極端に弱り、心経まで弱っています。 胸が苦しいとも
訴えています。

さっそくお灸で小指側の手首にある神門(しんもん)にお灸しました。 
その後、心包経、肝経にもお灸し、胸苦しさは収まりました。

お灸のありがたさと共に、これも更年期障害の一症状かとも思い、暗澹
(あんたん)とした気持ちに襲われました。 お灸を知らない多くの女性が
このような胸苦しさや身体の不調をじっと耐えておられるとは...

女性ホルモンの投与、という手段もありますが、乳ガンという無視できない
副作用もあります。 更年期障害のような、とらえどころがない、複雑な
症状を呈するものにこそ、お灸を活用してもらいたい、と心から思います。

処世術?

2007-10-27 10:01:53 | Weblog
「素問」は、中国古典医学の基本書ですが、それだけでなく知恵の言葉
を集めたものでもあります。 たとえば「素問」第58篇は経穴の大要を
説明したものですが、黄帝の問いかけに対し医術のエキスパート、岐伯
が答える言葉に、それがあります。

この時岐伯は黄帝を礼拝し、「まことに究極の問いで、聖帝でなければ
このような道を究めようとはされないでしょう」と黄帝を持ち上げます。
なかなか岐伯先生は医術だけでなく、権力者のガードを緩める処世術
にも長けておられたようです。

権力者にものごとを教える、指導するということは「さじ加減」が難しく、
一歩間違えば「逆鱗に触れる」(げきりんにふれる)ということにもなって
しまいかねません。 当時なら本当に首が転がっているでしょう。

私もサラリーマン時代にこういう処世術が身に付いていれば、取締役
くらいにはなったんでしょうが...

結膜炎?

2007-10-26 09:25:00 | Weblog
女房は退院後少しして、脾経に不思議な圧痛が現れました。 陰陵泉
(いんりょうせん)と三陰交(さんいんこう)に圧痛が現れるのは変わった
ことではありません。 ごく普通のことですが毎日お灸していると、その
圧痛の質が違っていることに気づきました。

特に陰陵泉の強い圧痛に特徴が出ています。 どうも単なる脾の弱り
では無いようです。 おかしいな、おかしいなと数日、無理をせずに
ある程度圧痛を和らげる程度にお灸を続けていました。

ところが女房が言い出したのは、このところ左の下まぶたが結膜炎で
かゆくてたまらない... これでやっと分かりました。 さっそく左の
陰陵泉の圧痛が完全に消えるまでお灸をすえ続けましたら、その
かゆみも腫れもすべて収まってしまいました。

上まぶたは胃、下まぶたは脾に属します。 手術後の脾の弱りに隠れ
ていたのですが、この圧痛の原因のひとつが結膜炎、もっともこれが
結膜炎かどうかは分かりません。 漢方は病名医学では無いので、
異常が現れればそれを軽快させるだけなのです。

心の平安?

2007-10-25 10:48:42 | Weblog
江戸時代の武術の達人、柳生宗矩先生が書かれた「兵法家伝書」
には刀を使った武術の奥義が示されています。 ただし刀の使い方
では、その核心部分は師匠について学ぶべしとして、実践第一を
貫かれています。

それよりこの「兵法家伝書」(岩波文庫版)では、「太刀つかふ時、
太刀つかふ心あらば、太刀前定まるべからず」と説かれ、武術の
本質が筋肉ではなく、心の置き所にあることを示されています。
私にとって心の置き所、平安を得るのは、今ならやはり「易」で
しょうか。

夜寝る前に、私や家族の翌日の易を立てます。 無心でサイコロを
振り、「易経」の卦辞、爻辞を参考に推理します。 邪心を捨て、
何事も易の示すところに従うつもりで「受け入れて」しまうと、心が
安まります。

悪い卦が出れば、翌日は他人をとやかく非難したりせず、注意深く
自分の仕事に専心し、良い卦が出れば、翌日は静かに自分の仕事
を楽しむ。 結局、どちらでも生活に差は無いのですが、自分の悩み
を誰かに「投げ出して」いる分、気持ちは楽になりますね。

心の持ちよう?

2007-10-24 09:24:44 | Weblog
心の持ちようでプレッシャーを軽減したり、人生観を変えたりなどという本が
良く売れているようです。 子供の頃から読書に親しんできた私のような
中高年には「またか」と思えるのですが、こうした本は様々な分野で出され、
ビジネスの世界でもベストセラーが多数あります。

ただ本を読んで変わったつもりでいても、さて現実の問題と直面するとその
神通力が通じないことが多いのです。 机上の空論、と言っては失礼です
が、現実には痛みが伴い、本のようにはいかないのが実際です。

昔、ガン告知をするべきか、ということが問題になった時代があります。
告知をすると落胆からか、急に病状が悪化することに悩んだ医師が、
ある時、名のある高僧、長年修行を積んだお坊さんに、この人なら大丈夫
だろう、と告知したら、瞬時に顔色が変わり、病状が一気に悪化したそう
です...

現実は、なかなか修行や心のトレーニングでなんとかなるようなものでは
なさそうです。 お灸も同じです。 毎日少しずつすえる、これ以外に自分
の体調を好転させるものはない、と思い切ることも大切です。

怒り?

2007-10-23 09:38:30 | Weblog
激しい口論や感情の起伏で気をたかぶらせる、これは良くありますね。
ただこうした気持ちの高ぶりは血圧の上昇を伴うだけでなく、肝臓を痛
めることが多いのです。

「素問」第9篇でも、
 肝は罷(疲)極の本、魂の居、華は爪にあり、充は筋にあり血気生ずる
ということで、肝は血気の生じるところである、とされています。 血が
大きく動くときには、常に肝に負担がかかるということでしょう。

鶏が先か卵が先か、になってしまいますが、怒りっぽい人には肝臓障害
が多い、いや肝臓障害があるから怒りっぽいのか、どちらかは分かりま
せんが、このことは漢方だけでなく西洋医学でも気づかれています。

しかし怒っている最中の人に、身体に悪いから怒るな、と言えばそれ
だけでまた怒らせてしまうでしょう。 なかなか心の平安を得ることは
簡単なことではありません。


後戻り?

2007-10-22 09:38:38 | Weblog
数ヶ月かけて母の体調を復調させ、やれやれと思っていましたら、何と
数日で後戻り、いやそれ以上に悪くなってしまいました。 その原因が
情けないことに身内のトラブル...

実際は単なる誤解だったようですが、感情のもつれから激しい口論に
及び、修復しかかっていた肝や胆を痛めたようです。 穏やかで落ち
着いた老人になってもらいたいものですが、現実とは大きな隔たりが
ありますねぇ...

肝や胆に加え元々問題のあった腎も悪化し、心臓にまで影響が及んで
います。 灸数が減ってきていたのに、一気に増えてしまいました。
困ったもんだ、と息子の立場からは思うのですが、申し訳ないながら
お灸の勉強をしている者としては「絶好のチャンス」です。

不謹慎だ、と女房は怒るのですが、お灸の勉強をしていると、ひどい
症状ほど「ファイト」(やる気)が湧きます。 しかしながら相手は生身
(なまみ)です。 「鍼灸真髄」を読み返しながら、一から勉強のつもり
で症状と向かい合って行こうと思います。

ちょっとした風邪?

2007-10-20 11:22:14 | Weblog
大阪もやっと秋らしくなってきました。 昼間はともかく、朝晩は肌寒く
感じる時もあります。 こうしてずっとでなく、その日の時刻によって
温度差があると、「ちょっとした風邪」、鼻風邪が多くなりますね。

この間も色んな用事が立て込んだ寝不足の状態で、朝、自転車で走り
回っていましたら風が冷たくて、鼻がグシュグシュ...

帰って来て、さっそく大椎(だいつい)にお灸してもらいました。 3壮
ではまだ圧痛が消えず、もう3壮、もう3壮と、結局10壮もすえたら、
胸と肩から暖かくなり、鼻のグシュグシュもあっさり消えました。
10壮以上になることもあるでしょう。 圧痛が無くなるまですえます。

首の後ろの付け根に大きな骨があります。 ここは首の骨(頸椎けい
つい)の一番下と、背中の骨(脊椎せきつい)の一番上がくっついて
いるところです。 ここに手を当てて首を左右に振ると、動くのが首の
骨です。 大椎は一番上の脊椎骨の直下に取ります。