ミセスMの毎日がチャレンジ

毎日の暮らしの中の知恵と工夫。 料理やダイエットへの挑戦日記。 仕事上の知識の公開(年金や資産管理など)。

一期一会 Peart.2。。。

2008年02月21日 | ぼやいてもええやん
 先日も「一期一会」のお話をしました。
今日も本当に懐かしい人とお会いしました。
それは、「鰻屋のおっちゃん」です。

 その鰻屋さんは、商店街の端っこにあって、お店というよりも、もうバラック同然の店構えで、商店街の中になければ、すぐにぶっ壊されていそうな風体です。
おっちゃんも、70過ぎのキッタナイおっちゃんで、無精ひげと鼻毛と乱歯が真ん丸い顔についている・・・という感じ
前掛けも「もうどんなけ、つこてるねん」という年季の入ったもので、鰻のタレと粘液でギトギトに汚れまくって太鼓腹に乗っている。
今考えれば「ようあんな店の鰻こうたなぁ」と思う。
 
私が結婚してすぐに住み始めた町の商店街にあって、平成10年に今の場所に引っ越してくるまでの13年間、よく買いに行ったものです。
というのも、私はうなぎが大好きで、子どもの頃よくママに「私が死んだらいつも仏壇に、うなぎ丼供えといてや」・・・というていたぐらい。

 私の子どもの頃は、市場の中にひとつ二つ鰻屋さんがあって、いつもええ匂いを漂わせていました。
でも、だんだん市場もなくなって、鰻を焼いているお店もぜんぜん見当たらなくなっていました。
スーパーで買う鰻は、どんなに「焼きたて、浜松産」と書かれていても、骨っぽくてあんましおいしくない。
だから、どんなに汚くても、やっぱり珍しくて買っていたやろなぁ・・・。

 おっちゃんの鰻は、最高においしかった。
「うちのは、冷凍ちゃうで、静岡の養殖や」
子どもの頃の鰻を思い出させてくれた。
でも、引越しをして、その商店街に行かなくなって、うなぎ丼はうちの食卓から消えてしまいました。
お寿司を作るときだけ、仕方なくスーパーのうなぎを買っていたけど・・・。

 監督署にチャリンコで行くようになって、その商店街に寄るようになりました。
いの一番におっちゃんとこに行ったけど、バラックはそのままで、いつも閉まっていた。
「おっちゃん、辞めたんかなぁ」
毎日豆腐好きのダーリンのために買っていたお豆腐屋さんも、なくなっている。
鴨のおいしい鶏肉屋さんも、台湾バナナのあった果物屋さんも、みんななくなっていた。
10年の間に、商店街は結構変わってしまっていました。
だから、おっちゃんも、もうお店を閉めたと思っていたのに・・・。

 商店街のお豆腐やさんで、「がんもどき」を買っていたら、おっちゃんと顔があってしまった。
じぃ~っと、私の顔を見て「ごきげんさん。元気にしとるか」と聞いてきた。
「えっ~、おっちゃん、覚えてたぁ?」
「忘れるかいな。鰻食べてるかぁ」
「あんまし、今日食べよかなぁ」
「今焼いたんあるねん。安ぅしとくわ、買うていって」おっちゃんは、今年82歳になるそうです。
お店ももう、5時には閉めてしまうそうで・・・。
でも相変わらず、きったな~い。

 大きな鰻を2匹、2,000円也。
タレもいっぱいつけてくれた。
うれしそうなおっちゃんの、鼻毛の顔を見て、私もうれしくなった。

 今日は、「豚のしょうが焼き」を作ろうと思っていたけど、急遽「うな丼」に変更。
ダーリンとアンポンタンに「覚えてるぅ?」と言いながら、おっちゃんのやわらかく香ばしい鰻を堪能しました。
今日の「うな丼」は、錦糸玉子を作らずに、京都の「京極かねよ」風に、出汁巻き卵を作って、うな丼の上にど~んと乗せてみました