1980年代に入って圧倒的なオートバイの「進化と技術開発」が進む大きな原動力となった「レーサーレプリカ」系の、中型スポーツバイクだったのですが、
時代が移り変わり、1990年代に入るとそれまでの勢いも少しづつ衰え始めその兆しに「安穏な空気」が立ち込め始めます。
思い返せば、まだ1990年の初頭時代までは「より高性能な進化」って引き続きあったのですが、1990年代も「中盤」を境にその勢いは完全に失われてしまいます。
これに関しては「ネオクラッシック」ネイキッドモデルや「国産アメリカン」などに人気を奪われたと言う経緯があったのですが、単に飽きられてしまったと言う流れもあったと思います。
まぁ、結果として最終的には、2000年を待たずに、ほぼ全ての「レーサーレプリカ」が廃盤化に追いやられてしまいます。
そんな「時代の境」に最終モデルとして登場してたのが、ヤマハにとって「4スト250cc4気筒モデルの最後」を飾る事となる「FZR250R(3LN型)ファイナル」だったりします。
で、今日の主役はこれです。(笑) 西暦で言えば1994年になるのですが、ただこのファイナルを迎える「3LN型モデル」の初期「FZR250R」としては、
1989年から登場しており、振り返れば、1990年と1993年の2回に渡って、大きなマイナーチェンジを受けていたりしていました。
いやぁ、これは余談ですが、この時期のフルカウル仕様って、今見ても明確(分かりやすい…)で、カラーリングが非常に「派手」になってた時期でした。(笑)
ついでに言うと、ヘルメットもこの時代から「複雑で派手なカラーリング」が施されたものがウケ始めてて、見た目の雰囲気も今につながる様な「進化する時期」だったです。
で、このファイナルモデルとなる「FZR250R」も類に漏れずグラフィックが派手で設定カラーとして、レッドからパープルに変化するグラデーション的なカラーリングが施されていました。
個人的には好きな感じでしたが、当時、人によってはどことなく賛否がありました。いやぁ、懐かしいですね。(笑)
で、この「FZR250R」の詳細なスペックを見てみますと、まずエンジンは初期型「FZ250フェザー」から進化した45度バンクの高回転型(ジェネシス)である、
水冷式4スト並列4気筒DOHC4バルブエンジンが搭載されていましたが、乗り味に関しては超高回転から若干抑えられたものになっており「誰でも乗りやすい仕様」に変化したもので、
排気量は249cc、最高出力が40psで最大トルクは2.6kgとなっていました。
また、フレームはプレスバックボーンアルミデルタボックスが採用されており、兄貴分の400ccモデルである「FZR400RR」とほぼ同様の仕様となります。
さらにフロントは大軽のダブルディスクに4ポッドのブレーキキャリパーを搭載し、シート高を低く設定、これにより足付き性が向上しより乗りやすいものとなります。
これは多分ですが、それまでが「いかに速く走るか」だけを考えて設計されてたのに対し、少しだけ「一般的に乗りやすいオートバイ」に思考を見直した結果だったと考えられます。
また、なぜかフロントフォークは正立式のままで、同年の「TZR250R」が「倒立化」されてたのに対し対局的な感じになっていました。
これはあくまでボクの想像ですが、ここまで進化した4スト250ccモデルに対して、大きな製造コストがのしかかった事で、どこかでコスパを測らないと利益が出ない状況だったのかもしれません。
まぁ、それだけこのクラスに関しては設計から製造まで、メーカーとして「大きな苦労があったんだ」と後になって考えられたりもしますね。(笑)
とにかく前回もお話ししましたが、この4スト250ccの「レーサーレプリカ」モデルに関しては、当時かなり「限られた条件」の中での開発だったので、
どうしても「速くて高性能」なオートバイを目指すとなると、他の2スト250ccや4スト400ccモデルと比べ、非常に「厳しい問題」が山積してしまってる感があったりします。
具体的に言うとパワーに対しての「排気量不足」であったり、250ccモデルとして「新車価格の上限(400ccモデルと同等の値段だとマズイですよね(笑))」であったり色々です。(笑)
で、そんなこんなを言いつつ、最後に恒例の中古市場を見てみますと、大体安いものだと50万円あたりからで、高いものともなると250万円前後で取引されています。
やはり異様に高いのは「FZR250R」の中でもこのファイナルに近い「後期モデル」が人気の様で、特に最終モデルとなるファイナルだったりしてますね。
もちろん価格は程度によりけりですが、現在売られてる「YZF-R25」と比較しても性能面で劣るところが見つからないほどのマシンですから、全体的に高いのも仕方ない気はしますね!(笑)
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