ちょっとエンジン構造のお話になるので、多少分かりにくいかもしれませんが、
オートバイの「バルブ」とは、エンジンブロック内(ピストンがある所)にある「吸排気の出入口」の事を言います。
このエンジンブロック内の部屋に燃料が入り込まれ「吸気バルブ」から入ってきた空気と混ざって、
押し上げられたピストンで圧縮される事とプラグの火花により爆発、
その力を利用してピストン押し上げられ、それ以降、永遠にこの「運動が繰り返される」事で動き続ける仕掛けですが、
その爆発した燃えカスが今度は「排気バルブ」からマフラーを伝って外へ出て行く訳です。
ですから、基本的な「バルブ」の数は、吸気用が1つ、排気用が1つの「2バルブ」という事になります。
しかし、昨今のバイクを見ると「2バルブ」はほとんど影を潜めている状況で、
大抵は「4バルブ」が主流です。
この「4バルブ」とは、単純な話で吸気用が2つ、排気用が2つという設計になっているものです。
このように「バルブ数」を増やす要因は、エンジンを高回転型でパワーを上げ安くするためにそうなってる訳です。
まぁ、シンプルに言えば、エンジンパワーをあげる事を目的として設計されたものだと考えれば良いと思います。
ですがその反面、話はそう単純でもない部分があります。(笑)
「バルブ数」が増える事で、ある一定の回転数以上でその実力を発揮してくれるのですが、
常時「4バルブ」でエンジンを動かしていると、逆に低速のトルクを下げてしまうデメリットもある訳です。
この「低速トルクが下がる」とは、オートバイがゆっくり走ってる状態の時、
スロットルを回しても「力強く前に進まない現象」を言います。
要するに低い回転数で走ってると心もとない乗り味になってしまうという事です。
単純に言えば、全てにおいて「4バルブ」が優れているという事ではなく、
逆に、低速での力強さを得るには「2バルブ」の方が良いという話になってくる訳です。
この問題を上手く解決しているバイクが、ホンダ「CB400SF」です。
これは低速時が「2バルブ」で高速時が「4バルブ」になるという画期的なエンジンで、
ホンダのスポーツカー系にも搭載れてる「VTEC-可変バルブタイミング」という機能です。
要はエンジン素性の「良いとこどり」という構造設計をした高性能エンジンという事です。
ボク個人の意識でも、一時期はバルブ数が多ければ多いほど「高性能なエンジン」という印象を受けていましたが、
実はそうでもないって事なんですよね。(笑)
という事で「バルブ数」はそう言った「素性」があるって事です。
近年では「バルブ」の形状を工夫する事で「2バルブ」で高回転型エンジンが開発される傾向もあります。
なので「俺のバイクは5バルブだ!」なんて自慢してる人がいるとするなら、
大きな勘違いをしてるという事になるんですよね!(笑)
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