今に繋がるネイキッドの方向性を確立させたカワサキ「ゼファー400」より1年早く登場したのが、
このホンダ「ブロス400」です。
販売開始は1988年から。
レーサーレプリカ系が全盛にあった時代ですが、少なからず「普通のバイク」を求める声もあったことから、
新しい試みを含め、新世代への追求を模索するカタチで登場したバイクです。
エンジンは水冷式4スト52度V型SOHC3バルブで排気量が398cc。
最高出力は55psで、5速MT、機械式キャブとの組み合わせです。
非常に狭いV型エンジンは振動を比較的抑えたもので、さらにコンパクトで吹け上がりに定評のあるものでした。
このエンジンは後に登場する国産アメリカン「スティード400」にも反映されます。
ガソリンタンク容量は12リットルで市街地での平均燃費が約28km。
1回での給油で走れる航続距離は約336kmという計算になります。
タイヤサイズはフロント120/70-17 58H 3.50J 、リア150/60-18 67H 4.50J。
リアアームには「VFR400」で使われたプロアームが採用されています。
ホンダは翌年、さらに世間のニーズに応えるため並列4気筒エンジン搭載の「CB-1」を登場させますが、
この「ブロス400」同様、中途半端なデザインが災いし不人気車となってしまいます。
結局、新しいネイキッドは1989年に登場したカワサキ「ゼファー400」に軍配が上がったことになります。
その結果「ブロス400」は1990年には廃盤化されてしまうんですよね。
元々、ホンダの場合、「VT250F」で成功を収めた経緯があるので、
V型エンジンで街乗りバイクという発想があったんでしょうか。(笑)
この「ブロス400」はコストパフォーマンスも考えていたため、共有部品も多く使われており、
レーサーレプリカより安価に作れることを世間に知らしめたものでもありました。
ホンダとして、そうゆうニーズにも応えれると考えたようです。
V型エンジンにプロアームと斬新なアイディアが満載だったのですが、
結局、もっとスタンダードなものが求められていたという結果に終わるのですが、
新しい方向性にトライしたことは評価したいですね。
現在の中古市場を見ると程度の良いもので約40万円まで。
安いものになると20万円以下なものも多く存在してます。
手軽な中排気量バイクですし、この時代のホンダが好きな人にはオススメの1台かもしれません。(笑)
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