
20世紀(1900年〜)に入ったばかり頃なので、今からおよそ120年以上前に「自転車の競走」から発展して、北アメリカを中心に行われるようになった
「オートバイレース」の原型が、今日、取り上げるお話の「ボードトラックレース」です(笑)。まず、この「ボードトラックレース」のコースレイアウト
は、現在の「ダートトラックレース」や、アメリカでは「最高峰の自動車レース」であるフォーミュラータイプの「インディカー」や、V8エンジンを搭載
したマッスルカーからなる「ナスカー」でも行われてる「オーバル・コース」を使った…、いわゆる日本では「競輪」でお馴染みの、ぐるぐる「楕円形の
サーキットを走る競技」の起源となったレースでもありました。また、ほぼ、同時期のヨーロッパ圏でもオートバイを使ったレースが始まっていましたが、
こちらではこの手の専用コースとは違い、一般道を開放してレース(例えばイングランドのTTマン島など)が行われていたのですが、アメリカでは、独自
の文化からこう言ったレースが行われる様になり、いわゆる多くの皆さんが思う「なんで楕円形のグルグル回るコースでレースをするんだろう?」になった
訳です(笑)。またこのレースに出場するオートバイの事を「ボードトラッカー」と呼んでおり、近年に登場した、例えばカワサキの「Dトラッカー」や
スズキの「グラストラッカー」などは、ここからその名が付いたとされています。またマシンを見ていきますと、初期の頃は「自転車にエンジンを搭載した
だけ」の物が使われていました。また1910年以降になると、より本格的な専用マシンが登場し始め、この頃の代表的なートバイメーカーとしては、現在でも
大人気を博する「インディアン」とか「ハーレーダビットソン」などがあり、他にも当時多くあったオートバイメーカーに混じって参戦し始めたとなる訳です。
と言う感じでこの「ボードトラックレース」を通して多くのオートバイメーカーが凌ぎを削っていたのですが、結果として早い時点で頭角を表したのが現在の
「インディアン」と「ハーレーダビットソン」だったとなるんですよね。さらに当時はサスペンションもブレーキも無く、自転車の様なフレームを強化して、
低いハンドルにサドルシート、ガソリンタンクはフレーム沿って細長いデザインとなってて、競技用としてはかなりローテクで危険な乗り物とされていた感じ
でした。これって要するに、この頃のライダーって自身の「運転技術と度胸」が強く求められており、それに打ち勝ったライダーが「栄光を勝ち取った」と
言う、まさに「個人の栄誉」が称賛されてた時代だったんですよね。また、いわゆる現在に通づる「V型2気筒エンジン」も1910年代の後半あたりから登場し、
時速は150kmまで出てたとされています。しかし1929年に起きた世界恐慌により、一時的ではありましたが、アメリカのレース自体が衰退してしまい、この
ボードトラックもそこを境にレースが行われなくなっていきます。そうそう、言い忘れる所でしたが、この「ボード」とは路面に「木の板」が使われてた事から
名付けられたとされています。まぁ、今考えると「怖い」話で、木の板の上を自転車に近いフレームとタイヤに、サスペンションが無いバイクで150kmも出して
たという感じだったんですね。まさに「恐ろしい」の一言です(笑)。現在のオートバイレースはオートバイの性能が著しく向上して来た事で、個人の栄光は
比較的、無くなり、チーム全体としての功績が讃えられる時代となっています。まぁ、昔の話だからといって命を賭けて走る事が正しいとは思いませんが、その
勇気だけは敬意を払いたいです。さて、今日はそんなオートバイレースの起源の1つであるアメリカのバイクレース「ボードトラックレース」をご紹介しましたが、
いかがだったでしょう!(笑)
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