80年代中盤から後半にかけて激しく進化を遂げる、2スト250ccクラスだったのですが、
ホンダについで2番目にV型エンジンを送り出してきたのが、このスズキ「RGV250Γ」VJ21A型です。
発売開始は1988年から。
それまで「RG250Γ」として進化を遂げていたのですが、
ここで、一気に進化の加速が早まります。
搭載されるエンジンは水冷式2ストV型2気筒リードバルブで排気量は249cc、
最高出力が45psで6速MT、機械式キャブとの組み合わせです。
ガソリンタンク容量が17リットルで市街地での平均燃費は約20km。
1回の給油で走れる航続距離が約340kmという計算になります。
タイヤサイズはフロント110/70 R17 53H、リア140/60 R18 56H。
ペプシ・カラーの「SP」モデルも限定販売されます。
この時代のスズキは何と言っても「ケヴィン・シュワンツ選手」の存在。
アメリカ時代から、チューニングショップ「ヨシムラ」を通じてスズキと深く結びついた天才ライダーで、
のちにWGP500でその才能を開花させます。
とにかく「ケヴィンシュワンツ選手」がいたからこそ、
ここまで速いマシンを急ピッチで開発したと言っても過言じゃありません。
V型初期モデルとなる「RGV250Γ」VJ21A型の特徴は、とにかくピーキーで街乗りには全く向いていない所。
サーキットで走るために作られたマシンという印象です。
もちろん、命知らずの「峠小僧」にも愛されていましたけどね。(笑)
同時期に販売された、88モデルのホンダ「NSR250R」も「NSR」シリーズの中では一番ピーキーとされていますが、
この「RGV250Γ」VJ21A型はさらにそれを凌ぐイメージです。
なんせ、シートはカッチカチで、数分でお尻が完全アウトになりますし、
スロットルのレスポンスがクイックすぎて、クラッチを上手く使わないとギクシャクするばかり。
中低速で走る市街地では快適とは程遠い、大変な「じゃじゃ馬」という感じです。
その反面、6000回転以上からくる加速はハンパないものですけどね。
「VJ22A型」、「VJ23A型」と進化を遂げるうちに、多少マイルドになっていくのですが、
「VJ21A型」に関しては、まぁ、激しいバイクです。(笑)
中古市場を見ると初期モデルは球数がほとんどなく、探すのが至難だったりします。
程度の良いものを運良く見つければ約50万円あたり。
個人的なお勧めは、正直この「VJ21A型」ではなく次の「VJ22A型」が良いと思います。(笑)
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