亘理地域では,キンギョソウを亘理町,山元町で栽培しており,輪作体系主要な品目として定着しています。 家族労力の高齢化や原油高騰等によるコスト高を背景に,所得向上のために需要期出荷を目指した施設の効率的利用や出荷率の向上が課題になっており,作型を早めたり,摘心方法を改善するなどの試みが行われています。
10月15日にキンギョソウの栽培技術を高める目的で静岡県農林技術研究所稲葉善太郎氏を講師に現地検討・講習会を行いました。
現地検討では栽培ほ場2カ所で,生育状況を確認しながら稲葉氏から今後の管理についてアドバイスを頂きました。
講習会では,品種の特性,大田市場での販売状況,各産地の栽培事例等について詳しくお話をいただきました。埼玉県,千葉県,静岡県が主産地であるキンギョソウは栽培技術を工夫しやすく各産地ごとの技術を持っていることがわかりました。
当地域では,仙台市中央卸売市場で需要が多い3月に出荷量を増やす取り組みを行っていますが,加温をしないのであれば省エネをしながら保温+変温管理により2月~4月に出荷が可能と助言をいただきました。
参加者から病害虫や品質の面での質問が多くでましたが,ほとんどが低温が原因で起こっていることがわかりました。
当地域のキンギョソウ栽培は,これまで他産地の生産者の指導を受けてきましたが,生理,生態や各産地の技術の違いを詳しく勉強する機会はありませんでした。
今回の講座を受講して,亘理の労力と栽培条件に合った適切な技術を確立することが大切であるということが再確認できたと思います。
当普及センターでは,今後もキンギョソウの安定生産へ向け支援を行っていきたいと考えています。
連絡先:亘理農業改良普及センター先進技術班 電話0223-34-1141