
春植えたまねぎの栽培技術は,県内の種苗業者において30年以前に概ね確立されていましたが,たまねぎの育苗をハウスで行うことやハウス所有の多くの農家が水稲育苗で使用することから,水稲とたまねぎの育苗作業が重なるため,本県ではほとんど普及していませんでした。
一方,「平成27年9月関東・東北豪雨」により当管内でも農作物に甚大な被害を受け,とりわけ,秋野菜の育苗最盛期の中で発芽揃期を迎えたたまねぎ苗は,冠水や浸水の影響をまともに受ける結果となり,出荷が予定されている実需者に応じられない可能性が出てきました。
このため,普及センターではJAと協議を重ね,緊急回避対策として春植えたまねぎの作付誘導を行った結果,秋植えたまねぎで被害を受けた農家3戸が中心となり,新規就農者も加わって栽培に取り組むことになりました。
は種当日の1月25日は,最高気温が0.2度までしか上がらず,厳寒の中での作業でしたが,13万粒以上の種子を手際よくは種できました。順調に生育すれば,4月初めに定植作業が行われ,7月には春植えたまねぎの初収穫を迎えることになります。
今後は,JA及び種苗メーカーと共に生育の経過を見ながら栽培のアドバイスを行い,将来的にはJAの主力作型になるよう産地づくりの支援を行ってまいります。
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