去る平成29年1月17日,登米市内のホテルを会場に,平成28年度登米地域農業振興懇談会「農に活かす異業種の『知恵』~生産性を上げたトヨタのカイゼン手法~」を開催しました。
これは登米市農業士会及び登米農業改良普及センターが主催したもので,県内の農業者,関係機関,約70名の参加がありました。
講演は,平成10年に茨城県に新規参入で農業界入りし,参入当初30a,夫婦2人で始めたベビーリーフ栽培を,今や80ha,従業員170名の大企業へ成長させた,株式会社HATAKEカンパニー代表取締役 木村 誠 氏を講師に迎え行われました。
始めた当初から,「土へのこだわり」と「安定した流通販売の確保」を根幹に経営を展開してきた中,平成18年から平成21年まで,日本の産業界をリードするトヨタ自動車株式会社との勉強会をきっかけに「トヨタの生産方式やモノづくりの考え方を農業界に役立てられないか」と考え,「カイゼン」の提案と実証,応用,導入で自身の経営にイノベーションを起こしてきた歩みをお話し戴きました。
講演は,木村氏が実際歩んできた地に着いた話と,トヨタの哲学とトヨタ全社員がその哲学に向かって歩みを続けていることのすばらしさや,農業界はまだまだ「カイゼン」の足下にも及ばない,職場の管理の基盤づくりの活動「5S」(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字の5つの「S」をとったもの)をしっかりすることの重要性について話をいただき,その内容は参加者の胸に響くものでした。
この講演を受け,登米市農業士会では3月に,木村氏のフィールドを視察しに行く予定にしています。