栗原市の稲作実践盟友会(会長:伊藤基夫氏,会員24名)は平成5年に市内の大規模稲作農家が技術の研さんと稲作経営の発展について相互に検討し合うことを目的に設立した組織であり,会員による生育調査や収量調査,稲作経営に関する研修会等を実施しています。
平成24年12月10日に大崎市鳴子温泉「幸雲閣」において平成24年稲作総合検討会が開催されました。当日は,会員14名の他,資材を提供するメーカーの技術担当者等7名の21名が出席しました。
恒例の「ひとめぼれ低コスト多収穫コンクール」において,収量・食味・記帳の3点で優れた経営者に贈られる総合1位に栗原市一迫の(有)ライスサービス高橋の高橋文彦氏が輝き,表彰されるとともに収量と食味を両立させるコツについて事例発表を行いました。雑草防除に多くの農家が苦労する中,高橋氏の水田では雑草がほとんどなく,カメムシによる被害も見られませんでした。その他の会員においても収量は10a当たり600kgを超えたにもかかわらず,品質は平年並を維持するなど高い技術力が立証されました。
その後,普及センターが講師となり,「平成24年産水稲の作柄概況と次年度への課題」と題して,収量や品質に関わる要因解析の他,次年度へ向けてばか苗病,水田雑草,斑点米カメムシ類の防除対策について説明,会員もお互いの成功事例や失敗事例について意見を出し合いました。さらに農業資材メーカーの技術担当者が,それぞれの資材の特徴をアドバイスし,次年度の病害虫と雑草対策について内容を深めることができました。 地域の米づくりのリーダーである稲作実践盟友会の会員とともに,次年度の米づくりへ向けて,技術の普及を図っていきたいと思います。
総合部門1位に輝き,伊藤会長より表彰される高橋文彦氏
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
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