
(写真)角田市から届いた苗木
南三陸町歌津地区では,東北地方太平洋沖地震の津波により多くの尊い人命が失われ広い範囲で農業生産基盤が破壊されました。
こうした中で,被災して家族と自宅を失った農業者が,角田市内から苗木を取り寄せ新たにいちじくの栽培を始めました。
歌津地区ではかつていちじくの産地化に取り組んだことがあり,現在も仙台方面へ向た出荷が続いています。生産の担い手は高齢化が進み,出荷量は先細りになっていましが,ここ数年間市場での取引価格が高値で推移している状況から,普及センターとJA三陸が農業者へ導入を呼びかけていました。
今回生産を始めた方からは,いちじくは結実開始が早く収量のピークを迎えるのも早こと,農機具を使う場面が少ないことを考えて導入したので,これを生活再建の足掛かにして頑張りたい,との言葉が聞かれました。
4月18日には,角田市の石川口集落営農組織で生産した丸森在来種の苗木50本が津に届き,次の日には被災を免れた10aの畑地に植栽されています。
普及センターでは,震災を受けた地域住民の生活と営農を再建するため,今後とも関機関と協力して支援を続けていきます。
宮城県本吉農業改良普及センター 地域農業班