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いつの間にやら13年経ちました。
いろいろ忘れないように、書き留めておきます by nori    

読書メモ 『赤朽葉家の伝説』

2008年04月09日 11時30分24秒 | 本のこと
 『赤朽葉家の伝説』(桜庭一樹:著)

鉄鋼産業で財を成した鳥取県西部の旧家である赤朽葉家(あかくちばけ)の栄枯盛衰を、祖母万葉とその娘である母の毛毬の人生を通して、孫である瞳子が聞き語るという形で物語が展開されています。

一つの家系を描きながら、日本という国の戦後の発展から今にいたる模索の時代が書かれた作品。

読んでいる途中に思い出したのは、坂東 眞砂子さんの『道祖土家の猿嫁』

内容:明治の中ごろ、土佐・火振(ひぶり)村の名家、道祖土(さいど)家に嫁いできた蕗。その容貌から“猿嫁”と揶揄されながらも、蕗は天真爛漫な性格で名家に溶け込んでいった。やがて日露戦争や太平洋戦争の戦渦は、道祖土家を巻き込み、各々の人生も翻弄していく。百年の時を通じ、日本人が来た道、行く先を描く壮大な歴史ロマン。

こちらは明治時代ですが、坂東さんの作品の方が主人公蕗の人生に絞って書かれているのに対して、赤朽葉家は女性3代(曾祖母タツを入れれば4代)について書かれている為、ちょっと中途半端。

山の人の娘で未来を視る千里眼の力を持った万葉の時代はそれなりに面白いのですが、レディースの頭から人気女性漫画家になる娘の毛毬に関してはマンガチックすぎる気もします。

祖母の今際の言葉を聞いた孫の瞳子がその言葉の謎を解いていくところでミステリーというカテゴリーになるのでしょうが・・・ミステリーなのか???

「このミス」第2位という事でミステリー部分に期待しすぎだった為ちょっとがっかりな部分もありましたが、こんな時代もあったな~という事を客観的に思い出しながら読むなら面白い本でした。

それにしても図書館で予約してから待つこと半年以上。
「これくらいのものなら、皆さんもっと早く読んでください!!」と思ってしまう。