雨降りの七五三参りは勘弁して欲しいとの願いが通じたのか、一時はパラっとなった時もあったが、傘が必要なほどの雨ではなかった。7日の熱田神宮はたくさんの家族で賑わっていた。かつて私の娘たちも晴れ着で参拝したけれど、平和で豊かな時代でなければ、下々の者まで着飾ることは出来ない。こうした風習はいつから盛んになったのだろう。
昼は名古屋駅前の高層階にある和食の店で、祝いの食事をした。家族が集まって飲み食いする口実に過ぎないが、孫娘は3歳ながら、自分が主役であることが分かっているかのように振舞う。姫路から次女のダンナの両親もやって来て、みんなが何度も「カンパイ」をするのがうれしくてたまらない様子だ。それは私たちジジババも同じで、孫娘の振舞いが楽しくて仕方ない。
3歳くらいから、子どもはびっくりするくらい成長する。それまでは幼児言葉だったのに、急に思わぬところで、そうびっくりするくらいのタイミングで、絶妙な言葉を発する。思わず、この子は天才ではないか、孫を含めて5人の子どもを見てきてそう思う。孫を得て、初めて子どもの成長がこんなにも素晴らしいものだと気付くとは、私もうかつだった。
前日の夜は、名古屋駅前でホテルをとったダンなの両親に私の住む街まで出て来てもらい、私が好きな居酒屋に案内した。店主の計らいでみんなが満足してもらえる食事が出来た。ダンナも彼の+父親も営業畑なので、お酒が好きとばかり思っていたが、それほどでもないこともよく分かった。酒はあくまで触媒のようなもの、みんなが愉快に話ができればいいのだ。
それならと「カラオケに行きませんか」と誘ってみた。3歳の孫娘も一緒にみんなでカラオケに出かけた。孫娘も一人前にマイクを持つが、「ここはお父さんたちの懇親会だから」とちょっと遠慮してもらう。ともに食事をし、ともに酒を飲み、ともに歌う。人にはこうした交わりが、人の間を和やかにするようだ。3歳の孫娘が大きくなるころは、どんな社会になっていることだろう。