憲法記念日の今朝の新聞のコラムは、中日も朝日も読売もやはり憲法をテーマにしていた。コラムは新聞の本音が現れるとともに、品位とか志向が見て取れる。私が真っ先に読むのも、同じテーマを3紙がどのように表現するかに興味があるからだ。
読売の『編集手帳』は、白洲次郎を引き合いに、「日本人自らの手で憲法をつくることを夢見たのである」と書き、「国民投票法改正案の採決に向け、(略)3年も費やしたのはあまりに時間がかかりすぎではないか」と指摘する。読売は憲法改正の立場である。
朝日の『天声人語』は、福沢諭吉が手がけた訳語から展開するが、いつもながら理屈っぽい。憲法は基本的人権を侵すことのできない永久の権利としていると述べながら、同性どうしの結婚を認めていないことに触れ、「世の中の移り変わりとともに人権概念は輝き方を変える」と結ぶ。護憲派とも改憲派とも微妙だ。
中日の『中日春秋』は、昔話のカエルの王様で始まる。神さまに王様がほしいと頼むと、木片が与えられた。もっとましな王様に取り換えてと願うと、神さまは水蛇を遣わし、水蛇はカエルを全て食べてしまう話だ。コロナ禍で緊急事態条項を憲法に新設する動きをけん制し、「権利と自由がカエルのように食べ尽くされてしまっては元も子もない」と警告する。
朝日は憲法を中心に全国世論調査の結果を見開き2ページに掲載しているだけでなく、かなりの紙面を使って憲法問題を取り上げている。私たちのような高齢者が憲法擁護派で、若い人たちに改正派が多いことが気になる。
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