「必ず3100万円をお渡ししますし、どうか受け取ってください」と主婦の人からメールが来る。「一生に一度のお願いです。毎月1200万円を保証します。助けてください」と癌患者の彩子さんからもメールが来る。私は、お金が無くて困っていると、私のことを心配してくるのはありがたいが、そんな莫大なお金や不動産をいただいても、哀しいかな使い方を知らない。
ソフトバンクが上場するとテレビでCMを見た。早速、「ソフトバンクの株を買いませんか」と電話が入った。自由経済では1企業だけが強いよりも、多極化していた方がサービスがよい。いくつかの企業が生き残れる仕組みの方が競争になる。互いが骨身を削らなくてはならないから、大変だがそこに創意工夫が生まれ更なる進化にもなる。
私は経済オンチで、金儲けしたいと思ったことがない。そういう能力に長けているとは思えない。聖書に利子の話が出てくるから、金を貸したら利子を取ることは昔から行われていたようだ。でも、なぜ利子が生まれたのだろう。利子が公に認められなければ、資本主義も生まれなかっただろうから、利子が自然に発生したものなら、資本主義も必然の社会と言える。
「株を売買して儲けましょう」とは、株が売買の対象になったからだが、私が歴史で学んだ株はそうではなかった。株は16世紀にイギリスで生まれた。当初は小口の資金を集めて大きな投資を可能にする、会社を応援するための合理的な資金調達であった。企業をあるいは事業を応援するための株が、安い時に買って高くなって売る、「儲け」が目的になってきた。
実体の伴わない「経済は破綻する」と言われてきたが、今や仮想通貨のような数字だけが動く社会に移行しつつある。これも必然であるならきっと、より良い社会に向かっているのだろう。でもひょっとしたら、「ハルマゲドン」が突如やってくるのだろうか。私にメールをくれる女性たちと仲良くした方がよいのかも知れない。
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