友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

見事な男の人生だった

2021年01月25日 17時39分59秒 | Weblog

 昔の話を聞いていると、知らなかったことが多い。当然のことだが、いくら親友だからといっても、何もかも知っている訳ではない。高校の新聞部の友だちの奥さんに会って来た。2時間半もよく話が続いたと思う。一緒に行った友だちは彼の初恋の人のはずだが、奥さんの話を聞いていると恋多き男だったと思い知らされた。

 ところが奥さんは、「何度か女の人と別れたけど、一度もゴタゴタしたことが無かったの」と、ケロリとして言う。彼はモテた。中肉中背のイケメンで、どこか物寂しいところを秘めていたから、女の人が放って置かなかいタイプだ。別れることになってもモメなかったのは、付き合っている時は誠実だったからだと思う。

 ビックリしたのは、高校時代に付き合っていた女性と別れたことをどうして知ったのか分からないが、彼を好きだった同級生の女の子の兄が彼のところにやって来て、「妹と付き合ってやってくれ」と頼みに来たという。結婚してからも年賀状が届いていたというから、女の子は相当真剣だったのだろう。とっても可愛い子で、男子生徒の憧れだった。

 会社員の彼は猛烈な仕事人間だった。私たちの世代はニューファミリーと呼ばれ、父親たちとは違い家庭を大事にしたが、彼は子どもたちと一緒に旅行することは無かったという。照れ屋だったから、「恥ずかしい」と思っていたのかも知れない。組合の書記長にはみんなに押されてなったと思っていたが、見るに見かねて自ら立候補したと聞いてエッと思った。

 大事な跡取り息子として育てられ、どちらか言えば慎重派で保守的だった。けれど内面には、弱きを助ける吉良仁吉のような血が流れていたのだろう。47歳の時に脳梗塞で倒れたというから、結婚生活と介護生活はほぼ同じ長さになる。よく出来たカミさんだと思うが、「気が回らなくて」と謙遜する。いや、奥さんが何も言わなかったから、彼は彼の人生を生き抜くことが出来たのだ。

 奥さんにお礼を言った後、せっかくの機会だからと思い、友だちと弘法さんにお参りしてきた。


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