友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

黒塗りの公用車から降りてきた人

2012年02月12日 18時30分25秒 | Weblog

 韓国フェスティバルでの私たちの売り場は会館の外、正面玄関の隣だった。ポン菓子、綿菓子、ポップコーンの準備をしていると、黒塗りの高級車が止まって男の人が3人降りてきた。ポン菓子が珍しいのか興味深そうに近づいてきた。「コンニチハ」と言い、ポン菓子を指差す。とても気さくな人だったが、後から韓国領事だと知った。その後、しばらくしてまた黒塗りの高級車が止まった。降りてきたのはよく知っている議員だった。彼は議会の議長である。

 

 「ご苦労様。でもこの車は廃止した方がいいね」と私が声をかけると、いやいやと手を振って足早に行ってしまった。私の住む市は小さな街で、東西は6キロ南北は4キロしかない。自転車で走っても高が知れている。公用となれば、休日でも運転する職員は出勤しなくてならない。ピカピカの黒塗りに乗ってくることは恥ずかしい気がする。しかし、彼は嬉しそうだった。エライ人になったつもりだったのかも知れない。

 

 「高級公用車はなくさないとダメだよ」と私の呟きには聞く耳を持たない様子だった。以前、議員だった時に、首長の黒塗り公用車は要らないのではと職員と話した時があった。彼は、同規模の自治体の首長車より落とすことはできないとか、首長が自分で車を運転していて事故が起きれば行政は回らなくなるとか、県庁に行くのに恥ずかしい車では行けないとか、様々な理由を挙げていた。ちなみに、彼は退職後、地域の推薦を受けて市議会議員になっている。

 

 どこの自治体も税収が減ってきて財政は厳しい。そのために行財政改革を立案し、実行している。けれども名古屋市長の河村さんのように、市長報酬を800万円に減額した人はいない。市長の報酬を800万円に減額すればいいとは思わないけれど、膨れ上がった行政にメスを入れることは必要であろう。そもそも、首長の報酬はなぜ何千万円なのだろう。職員の給与がたとえば月50万円となっているのはどうしてなのか。商品の価格は求める人が多ければ上がり、少なければ下がると言われているが、首長の報酬は自治体の大きさで決まるのはなぜなのだろう。

 

 首長や職員は、「自治体の住民のために働いている」と言うのであれば、自治体の住民の平均賃金でも良いのではないのか。私は首長や職員は公という大義のために働いているのだから、報酬や賃金が住民の平均であれば、そのために辞めるという人はいないと思う。こんな金額では働かないという志の低い人は辞めてもらえばいい。報酬や給与が低くてはいい人材が集まらないなどと言う人がいる。そういうことを言う人は公務員の座に胡坐をかいている人だ。夢を抱いて働く人はいくらでもいると私は思う。

 

 無党派・市民派の議員として一緒に勉強会をしてきた仲間にも、首長となった人がいる。首長になったからとふんぞり返っているようなことはないだろうけれど、住民皆さんとしっかり話し合う機会を設け、謙虚に情報を発信しているだろうか。今、出来る最大の役割は自治体が持っている全ての情報を積極的に開示していくことだ。黒塗りの高級車に乗っているようでは、行財政改革などと言っても口先だけに終わるだろう。首長としてどんな風に勤めているかと黒塗り公用車を見て気になった。

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