友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

少女誘拐

2016年03月30日 18時02分47秒 | Weblog

 街で見かけた女の子が初恋の女性に似ていたので、略奪し養女として育てる。『源氏物語』の主人公、光源氏は11歳の女の子を奪い、そして理想の女性に育てていったことを、中学1年の女生徒を誘拐し監禁した事件で思い出した。高校生の私は、受験教育への反発から課外授業に出なかったので、『源氏物語』の研究者だった先生の授業を受けなかったが、こういう話だけは知っている。

 「君の両親が離婚するのでこれから弁護士のところへ連れていく」と言って女の子を車に連れ込んだというから、かなり用意周到だ。男がアメリカに留学していた時、そんな同類の事件を耳にしたのだろうか。大阪教育大付属池田中・高を卒業というから頭のいい男である。難関の千葉大学工学部に入学し、成績もよく授業をサボることもなかった。大学の関係者の話では、「真面目で礼儀正しい学生」であった。

 「両親が離婚」「君は両親に捨てられた」と言い、「逃げたらとんでもないことになる」と言う。絶望と恐怖で支配していったところは光源氏とは大違いだ。それでも男は、身長155センチの少女が160センチにまで成長していく様を「美しい」と思い、愛おしくなっていったに違いない。彼女への思慕が強まるほど、彼女に「絶望と恐怖」を与えることが薄らでしまったのだろう。

 女の子はひたすら逃げ出す機会を待っていた。それなのに男は女の子が逃げたいと思っているとは考えず、ひょっとすると、後何年かすれば光源氏がしたように結婚できるとまで夢想していたのかも知れない。誘拐してしまった当初は、少女が逃げたら警察に捕まると恐怖を抱いていたはずだが、結婚できれば誘拐ではなくなると夢見ていたのだろう。

 確か、好きになった女性を閉じ込めて自分のものにしようとした洋画があった。日本でも長期にわたって女性を監禁していた例がある。男はどこまでも女を自分だけのものにしたい動物のようだ。これを純粋というのか、阿保というのか。


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