友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

井戸は必ず役に立ちます

2011年08月25日 20時38分57秒 | Weblog
 今日も早朝から井戸掘りに行く予定だったのに、雨が降って来たので明日に延期することになった。私を知っている人は出会うと、「今は何をされているのですか?」と必ず聞かれる。「井戸掘りをしています」と答えるとビックリして、「どこでしているのですか?海外で?」とさらに聞かれる。その度に、「この尾張平野ならどこでも水は出ます。東北の震災の時もそうでしたが、水が無くてみんな困ったと言います。それなら井戸を掘っておけば、イザという時に役に立つはずです。学校などの避難所はもちろん、総ての公共施設に井戸を掘っておけば、何箇所か水が出なくなっても全部が出なくなることはないので役立つと思います」と説明している。

 「どんな風にして掘っているの?」ともよく聞かれる。今、掘っているところは敷地の場所が狭くて限られているので、昭和の初め頃まで行われていただろうと思われる手掘りでやっている。丸い大きな石がしっかり敷き詰められているような地層が2メートル以上あるようで、現在地表より2メートル70センチくらいまで掘り進んだが、まだ石が多い。これが砂に変わるまでは手で掘り続けなくてはならないだろう。そこを越せば、塩ビ管か鉄管に水を流し込んで掘り進めることが出来るはずだ。明日はこの作業まで進みたいと願っている。それで、「水脈はどうやって見つけるの?」と聞かれるわけだが、打ち込んだ水が地上に溢れてこない場所が水脈だと見ている。

 「その水をどうやって汲み上げるの?」と次に質問される。多くの場合は手押しポンプを取り付けている。中には電動ポンプを設置して欲しいと言う人もいる。庭の樹木や草花に水をやりたいのだ。一般の水道水は殺菌処理がされているので、コケ類は薬品で焼けてしまうことがある。地下水は夏でも冬でも常に15度から16度くらいだから、夏は冷たく冬は温かく感じる。草花にとっても気持ちがよいのか青々としてくる。しかし、場所によっては酸化鉄を多く含んでいる地下水があり、出てきたときは透明できれいな水なのに、太陽に当たると茶色くなってしまう。

 鉄分が多いというだけで、悪水ではないけれど、周りを茶色く染めるのでいい気分ではない。温泉へ行ったことのある人ならよく体験する鉄臭く茶色っぽい水はこんな風に鉄分が多い。飲み水に適しているか否かは保健所で調べてもらう必要があるが、それ以外に使うのであれば問題はない。津島のお寺さんは本堂の解体の際に、土埃を押さえるために使いたいと言っていた。また、別のお寺さんは池の水は絶えず流し続けるから水道水では料金がかかりすぎるので、井戸を掘って欲しいと言われた。

 私たちの井戸掘りは防災用が初期の目的であったけれど、いろんな注文が来ている。それでも依頼主には、「いざという災害の時には、井戸は必ず役に立ちますから、周りの方々から水がほしいと言われますよ」と話すようにしている。昔なら各家に井戸があった。少なくとも集落には幾箇所かに井戸が合ったはずだ。井戸端会議という名が残るほど日本では井戸はコミュニティの場でもあった。明日は作業が順調に進みますようにと祈って終わりにしよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする