実務家弁護士の法解釈のギモン

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憲法判例の先例拘束性(1)

2013-09-19 11:55:16 | 時事
 つい先般、婚外子(法律用語でいえば非嫡出子)の相続分を、嫡出子の相続分の2分の1としている民法の規定を違憲とする最高裁判例が出たことは、テレビや新聞などでも大きく取り上げられた。
 この判例に対しての社会一般の反応として、法律婚制度を重視する立場からの批判もないわけではないようである。が、もし法律婚制度を重視するとして、それを無視したのは生まれてきた子供ではなくその親である。そのため、法律婚を無視した親に何らかの不利益を課すのであればともかく、何の罪もなく生まれてきた子供に不利益を課す理由にはならないであろう。
 以上のことからして、今回の違憲判決は当然の判断だと思うし、むしろ最高裁は過去には合憲の判断をしており、ここに来てようやく判断を見直して違憲判断をしたのは、遅きに失しているというのが私の意見である。

 この判例で私が興味あるのは、実は以上の点ではなく、憲法判例の拘束性について独特の判断をしている点である。

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