実務家弁護士の法解釈のギモン

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判例は形式的表示説?(1)

2016-06-08 10:15:56 | 民事訴訟法
 民事訴訟の当事者が誰であるかを決める理論を、当事者の確定という。
 通常は訴状に原告と表示され、あるいは被告と表示された者が訴訟当事者であることは論を待たないが、氏名冒用訴訟や当事者(特に被告)が死亡していたような事案の場合に問題となりやすく、被告たる法人がどの法人かといったことでも問題となる場合があり得る。

 この当事者確定の問題について、意思説、行動説、表示説などがあり、その他の有力説として規範分類説などもある。教科書レベルの話では、判例は意思設や行動説を採っていると説明され、表示説、それも訴状の当事者欄の記載のみならず、請求の趣旨、原因も含めた訴状全体の記載から当事者を確定すべきという実質的表示説が通説的な見解と解説されているだろうか。

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