ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

天然ゆず香料を使う「京都しゃぼんや」。京北で水尾の柚子を使ったエッセンスオイルづくり見学

2013-12-05 | ものづくり

京都三条通にある「京都しゃぼんや」。天然香料100%と上質の植物油を使い、約1か月かけて、丹念に仕上げる手づくり石鹸が、評判のお店です。合成香料が多様されるなか、ここでは、天然原料にこだわり、自社の精油抽出設備でつくる100%天然香料が、使われています。
 ある日、ミモロが訪れたお店で、見つけたのは、ゆずの香りのエッセンシャルオイルと、リップクリームなど…。
「柚子の香りだってー美味しそう…柚子大好きなのー」ということで、ミモロは、さっそく京北にある「京都しゃぼんや」の精油抽出工房へお邪魔することになりました。

12月から1月は、京都の西、水尾という柚子の産地から、収穫された柚子が工房に届き、精油抽出が行われます。
京都の市街地から、車で約1時間。ミモロの住む「平安神宮」の近くからは、鞍馬を抜け、八瀬を通り、北山杉の産地としても有名な京北へと入ります。「結構、すごい山道だったねー」と。ヘアピンカーブが、いくつもつづく九十九折の山道です。
「こんにちはー」工房に到着したミモロは、ご挨拶。「あ、ミモロちゃんいらっしゃーい」と、作業の手を止め、迎えてくれたのは、「京都しゃぼんや」の社長の大橋俊石さんと、精油工房の林さん、そしてお手伝いの学生さんイクタくん。
みんな笑顔で迎えてくれました。「わーいい香りがするー」工房の周囲にまで、柚子の爽やかな香りが漂っています。

「わー柚子がいっぱい~」工房の前には、水尾産の大きな柚子が、ビニール袋に詰められて並んでいます。
この工房に届く柚子は、水尾から飲料メーカーの工場で、果実の汁を絞ったもの。
「精油を抽出するのは、柚子の皮の部分から…だから中身はいらないんですよ」と大橋さん。

「あのーミモロもお手伝いしたいんですけど…」と、そこで、まずは、工房の中に、柚子の袋を運ぶことに挑戦。
「わーいっぱいあるー」「ヨイショ…うー動けないー」「ミモロちゃん、そっちはいいから、こっちにー」と。

ここでは、「京のくすり屋」という「京都しゃぼんや」と同じく大橋さんが経営する老舗のくすり屋さんで扱う「柚子茶」の素材を準備します。「柚子茶?なんか美味しそう…」「うちの柚子茶は、はちみつで作るんですよ。すごく体にいい製品なんです」と。

工房の奥に進んだミモロの前に、柚子が…。「これどうするの?」
  「こうやって、ひとつずつ柚子に残っている中身や種を、丁寧に取りのぞくんですよ」とイクタくん。
ミモロもスプーンをもって、お手伝い。「わー手作業なんだー」「そう、機械ではできないから…」手間のかかる作業が、続きます。

しばらくして、大橋さんは、その中身を取り除いた柚子を、細く切る作業に入ります。
「この機械で切るの?」「そう、鋭い歯が付いてますから、ミモロちゃん気を付けて…」
手で、柚子を機械の中へ。細く切られた柚子の皮が、次々に出てきます。これを、国産の蜂蜜でコトコト煮て、柚子茶を作るそう。「お手伝いしてくれたから、できたら、ミモロちゃんにもプレゼントしますねー」「わー楽しみー」

その時、外では、林さんが、精油抽出の準備を始めました。この工房では、「水蒸気蒸留法」で採油しています。
まず、機械に入れるために、ミキサーで柚子を液体状に…。「なんか、コーンスープみたい…」
  
「たくさん機械の中に入れるんだー」ミモロは、じっと機械の前でオイルが出てくるのを待っています。でも…
「ミモロちゃん、まだかなり時間掛りますよ」と。再び、ミモロは、柚子の中身取りの作業にもどることに。約1時間ほどたったころ、「そろそろですねー」と。「あ、出てきたー」
 水蒸気に含まれた精油が、冷やされて、水といっしょに溜まります。「わーこんなに出てきたー」でも、水の上の部分だけが、精油なので、たくさん柚子を入れても、採油できるのは、わずかな量。だから、天然香料は、高価なものに。
「手間もかかるし、値段も合成香料にくらべ、かなり高いものになりますが、やはり天然香料ならではの、やさしい自然の香りこだわりたいんです」と大橋さん。

 「ほら、いい香りするでしょ?」クンクン、ミモロは、鼻をピクピクさせながら、柚子の香りを吸い込みます。「ほんとーいい香り…」柚子の香りは、とても日本的。同じ柑橘の仲間、レモンやライム、オレンジ、グレープフルーツなどとは、異なるものがあります。

原産国は、中国ですが、すでに飛鳥時代には、日本での栽培もおこなわれていたという日本人とかかわりの深いもの。日本料理には欠かせない香りです。「冬至の時に、柚子のお風呂にもはいるよねー」そう、血行促進効果があるそうで、体をポカポカさせてくれます。この冬至の柚子湯の習慣も、すでに江戸時代にはあったそう。 柚子は、病気になりにくいため、消毒がいらず、無農薬栽培なので、安心して使えるそう。

「はい、これおみやげー」と大橋さんは、採油した柚子のオイルをミモロにプレゼントしてくれました。
「ありがとう…うれしい!今晩、お風呂に1滴たらして、柚子風呂にしようかなぁー。でも、工房を見学して、すごーく手間がかかっているのがわかったから、もったいなくて、ちょっとだけー」と。ミモロの今夜のお風呂は、いつもより長くなりそうです。

*「京都のしゃぼんや」および「京のくすり屋」のくわしい情報は、ホームページから、どうぞ…。また、ミモロのブログでも、両方のお店を紹介しています。そちらもぜひ…


人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロよりお願いでーす。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 樹齢900年と言われる樟(くす... | トップ | 伝統とモダンの共演。草履の... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (竹口のおばちゃん)
2013-12-05 12:43:33
今って、柚子の採れる時期なのよねぇ。

柚子のかすかな香り、日本の香りって感じがするわねぇ。

100%の柚子石鹸なら、お肌スベスベになるはず! 一度、「京都のしゃぼんや」さんへ行ってみるわ!
返信する
手作り (がちゃぴー)
2013-12-05 18:24:19
うわー手間のかかる工程なんだねー 手作り天然素材って 優しい感じがしていいね~
化学物質にちょっと違和感を感じるようになてきたので 京都しゃぼんやさんの製品に興味ありますー
返信する
自然の香り (mimoro)
2013-12-05 21:39:13
柚子の香りって、大好き…。
お吸い物の蓋を開けた時に香る柚子・・・いいよねー。
工房にずっといたので、ミモロの体にも柚子の香りがうつっちゃって、あとであった人に、ミモロちゃんいい香りがするっていわれちゃったー。自然の香りって、心癒すよねー
返信する

コメントを投稿

ものづくり」カテゴリの最新記事