みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1473「正解を見つけろ」

2024-09-30 17:11:44 | ブログ短編

 生きていればいろんな場面(ばめん)で選択(せんたく)を迫(せま)られることがある。その時、正解(せいかい)を出せるかどうかでその後(ご)のいろいろが変(か)わってくるのだ。私は今まで正解を選(えら)んできたと自負(じふ)している。ここまでの地位(ちい)と名声(めいせい)を得(え)ているのがその証拠(しょうこ)だ。
 そんな私の前に、新たな選択が迫ってきた。それは…、一人娘(むすめ)の一言(ひとこと)で始まった。
「あたし、パパに紹介(しょうかい)したい人がいるの…」
 とうとうきたか…。娘も、もう年頃(としごろ)だ。この日が来ることは分かっていた。私のシミュレーションは完璧(かんぺき)だ。どんな男が来ようとも…。
 娘が連(つ)れて来た男を前にして、私はいささか唖然(あぜん)とした。それは、想定(そうてい)をはるかに超(こ)えたヤツだった。何だこの男は? ちゃらちゃらした服装(ふくそう)で、場違(ばちが)いはなはだしい。まさか、無職(むしょく)じゃないだろうなぁ。まぁいい。こんな最低(さいてい)なヤツ、バッサリ切り捨(す)ててやる。
 男は娘よりも年上(としうえ)だという。そして、東大生(とうだいせい)だと…。私は思わず訊(き)き返(かえ)した。
「東大というのは…、あの、東大のことなのか?」
 男は自慢(じまん)するでもなくあっさりと、「ええ、東京大学(とうきょうだいがく)です」
 こんな男が東大に入れるのか? 私はどこで娘と知り合ったのか訊いてみた。すると、娘が口を挟(はさ)んできた。
「パパ、そんなことどうでもいいでしょ。三枝(さえぐさ)さんは起業(きぎょう)してて、パパのお仕事(しごと)に興味(きょうみ)があるんだって。ねぇ、協力(きょうりょく)してあげてよ」
<つぶやき>彼氏(かれし)を連れてきたんじゃないみたいですね。でも、この判断(はんだん)は難(むずか)しいかも?
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