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14日 「ブーレーズの肖像」 水戸芸術館

2007-09-15 | 水戸室内 ・サイトウキネン

                    水戸芸術館 E-24 4千円・安い
<ル・マルトー・サン・メートル>は
 月に憑かれたピエロ(シェーンベルク)から創作意欲が・・
 アルト・フルート、ヴィオラの旋律と、朗唱の様な女声の歌唱との旋律
 打楽器の一音と休符の一瞬の間 その音の繋がり 何か繰り返しの音波動は 雨だれを連想させたり,弾かれたり、溶け合ったり・・左側にシロリンバ、ヴィオラ中央奥に打楽器群右側に女声、ギター、ヴィブラフォンと多彩な音色が・・しかも不調和にならず、特に終曲9曲目がドンドン音楽の拡がりが天空へ 天空へと・・小宇宙へと感じさせた

<シュル・アンシーズ>は、
 驚きの楽器構成ですね、ピアノ3台、ハープ3台、ヴィブラフォン、マリンバ、打楽器と音楽創造力,独創性が凄いですね・・吃驚です
 聞く前は、度のように料理するのかな?と想ってましたが・・意外と音波動は,煩くなく、騒がしくなく・・耳が、ピアノ3台の音の流れ、ハープの旋律の受け渡しと、打楽器の呼吸感が、音を追うのに忙しい・・
 総じて演奏者が若い30歳前後かな、技量が素晴らしいです,演奏者、指揮者もブーレーズの音楽理論を既に教育されていて、高度の音楽と、技量の高い演奏が・・

初見,初聴きで 現代音楽?正直眠くもならず、楽しめました。

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ブーレーズのこうした "今" を代表する作品で、
純粋な音楽の構成美が、音楽の未来を予見させる。
この作品の編成はとてもユニークで、3台のピアノ、3台のハープ、
3グループの打楽器というもの。
これらが舞台上にシンメトリックに配置され、
立体的な音響空間が創り出される。

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9月14日の公演「ブーレーズの肖像」は、ブーレーズ本人の
監修によるもので、しかも日本では水戸でしか聴くことのできない
貴重な公演となります。
時代の先頭に立ち未来を切り拓く作曲家、ブーレーズの横顔や、
演奏会で取り上げる作品について、ブーレーズ自身による解説などを、
担当学芸員がご紹介いたします。

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第二次世界大戦が終わって間もなくのこと。
戦争を引き起こした前の時代に逆戻りしたくはないという想いの下、
今まで聴いたことのないような新しい音楽を創っていこうと、
才能溢れる若い作曲家たちが、次々とそのキャリアをスタートさせた。
こうした前衛作曲家たちのなかでも、指導的な役割を担い、
先頭を走っていたのが、ピエール・ブーレーズである。

<ル・マルトー・サン・メートル>は、
ブーレーズが最も先鋭的だった時代の傑作。
戦中のレジスタンスの英雄と目された詩人、ルネ・シャールの
テクストが用いられている。
また、声、アルト・フルート、ヴィオラ、ギター、打楽器という
発音原理の異なる多彩な楽器が組み合わされている。
打楽器は東南アジアやアフリカの音楽を、
ギターの特殊奏法からは日本の箏の音さえ想起させる。
文化の垣根を越えた、
地球規模の新しい響の創出が試みられているのだ。
ストラヴィンスキーは、1957年、この作品を
「今の新しい時代の中で真に価値ある唯一の作品」と称している。

1970年前後から、ブーレーズの作品に変化が見られるようになる。
その変化は、戦後の闘争から自由になり、より大きな視座で
音楽を眺めるようになったとでも言えそうだ。

<シュル・アンシーズ>は、
ブーレーズのこうした "今" を代表する作品で、
純粋な音楽の構成美が、音楽の未来を予見させる。
この作品の編成はとてもユニークで、3台のピアノ、3台のハープ、
3グループの打楽器というもの。
これらが舞台上にシンメトリックに配置され、
立体的な音響空間が創り出される。
また、すべての奏者に名人芸が要求されており、
華麗な妙技の競演が行われるという点も、魅力のひとつだ。

ブーレーズは、今回の演奏会の出演者として、
次世代の若い才能たちを選出した。
指揮者は、ジャン・ドロワイエ。
<ル・マルトー・サン・メートル>に出演する歌手は、
ヒラリー・サマーズ。

2人ともブーレーズが大きな信頼を寄せる俊英である。
 そして、器楽演奏者について、ブーレーズは、現在、
氏が後進の育成のために心血を注いでいる、スイスのルツェルン国際
音楽祭の中で実施している、ブーレーズ・アカデミーに参加する
若く優秀な音楽家たちを推薦した。
ブーレーズ・アカデミーは、2004年から本格的に開始されており、
オーディションに合格したおよそ30にも及ぶ国の若者たちが、
毎年 8~ 9月にかけての3週間、現代作品の演奏の研鑽を積んでいる。
水戸での公演には15名の精鋭たちが参加する。

水戸公演に先立ち、今年のルツェルン国際音楽祭で全く同じ出演者、
プログラムの演奏会が予定されている。
ルツェルンで、ブーレーズ立会いの下、徹底的なリハーサル、
そして演奏会を経て、彼らは水戸に乗り込んでくる。
巨匠ブーレーズの奇蹟とも呼べる音楽探究の道程が、
21世紀を担う新しい世代に受け継がれようとしている。

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「ブーレーズの肖像」 監修: ピエール・ブーレーズ
監修: ピエール・ブーレーズ
2007年 9月14日(金)19:00開演(18:30開場) 水戸芸術館コンサートホールATM
指揮:ジャン・ドロワイエ
メゾ・ソプラノ:ヒラリー・サマーズ
器楽:ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミーの演奏家たち
▼プログラム
ブーレーズ:ル・マルトー・サン・メートル
(「主のない槌」1953作曲/55改訂)
(アルト、アルト・フルート、ヴィオラ、ギター、3パーカッション)
-- それは、かつてストラヴィンスキーが「今の新しい時代の中で
真に価値のある唯一の作品」と賞賛した20世紀不朽の名作!
ブーレーズ:シュル・アンシーズ(1996作曲/98改訂)
(3ハープ、3ピアノ、3パーカッション)
-- それは、3台のピアノ、3台のハープ、3群の打楽器から編成された、
音楽の未来を切り拓く音楽!

主催:財団法人 水戸市芸術振興財団
共同制作:ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミー 助成:芸術文化振興基