熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

1Q84

2011-05-19 21:20:36 | Weblog
「1Q84」ご存知、村上春樹さんのベストセラー小説です。

昨年の4月に発刊されて話題を集めました。

それから1年後に図書館で借りて読んでみました。
話題の小説は、暫くしてから読むのが私の読み方です。
話題の最中に読むと、ムードに影響されるので、話題が沈静化してからゆっくり読むことにしています。
もちろん書評の類も読みません。
先入観が入りますからね。

天吾と青豆という男女の主人公が、月が二つある殺伐とした1Q84の世界から月が一つのこちらの世界(1984)へ脱出する物語ですが、村上春樹さんの不思議な世界観が支配している物語ですね。

この本を読んだ読者は、いろいろな感想を持つでしょう。
読者に考える材料を与えるタイプの物語です。

私の読後感は、月が二つある世界と月が一つの世界は、人間の心の有様を描いたものではないかと思います。

つまり、月が二つある世界は、青豆が宗教団体のリーダーを殺害して逃走し、探偵と宗教団体が青豆の行方を捜す、宗教団体と敵対するグループが青豆の逃亡を助けて、宗教団体と対峙するという殺伐とした世界、こころの有様を描いています。

これに対して月が一つの世界は、愛情に満ちた世界、こころの有様を描いています。

人間は、殺伐とした心に支配される状態と、愛情に満ちた心に支配される状態との間を行き来しているのではないでしょうか。

この本でも、主人公の天吾が、看護婦に「天吾君は、この世界に長くいてはいけない。抜け出られなくなる」と言われて、青豆と抜け出す決意を固めます。

人は、殺伐とした心に支配される状態が長く続くと、抜け出せなくなるので、早く愛情に満ち溢れた心に戻らなければいけません。

現代の社会状況は1Q84の世界に近い状態にあるので、日常の心構えを1984の愛情あふれる状態に保つことが必要ですが、これがなかなか難しい。

1984の世界に日常が近づくといいのですが。




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