熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

マイクロソフトがノキアを買収

2013-09-05 10:18:07 | Weblog
マイクロソフトは3日、ノキアの端末事業に37億9000万ユーロ、特許のライセンス供与を受ける10カ年契約に16億5000万ユーロを支払うことで合意し、市場が広がるスマートフォン端末に本格参入することになりました。

ソフトウエアの巨人が、米アップルや韓国サムスン電子を追う側に回ることになります。

マイクロソフトにとって、ゲーム機「Xbox」、タブレット端末「サーフェス」に続くハードへの参入になります。

パソコン用の基本ソフト(OS)で世界を席巻した巨人の路線転換となり、マイクロソフトは、 ノキアの特許を使い、技術者ら3万2千人を受け入れてライバルを追うことになりますね。

マイクロソフトのブラッド・スミス法務顧問は3日、「ノキアが開発したものを使用する権利」で、特許権の移転や保有は伴わないと説明したそうです。

ノキアの広報担当者によると、これまでは自社の端末を優先して特許のライセンス供与を幅広くは行ってこなかったが、携帯電話事業の売却が完了すれば、技術のライセンス供与も検討できるようになると述べ、ノキアの路線転換を明らかにしました。

マイクロソフトにとっても、ノキアから特許のライセンス供与を受ける方が、特許買収よりも戦略に沿っているとも言えそうです。

今回の買収のニュースで感じたことが二つあります。

携帯事業で世界一を誇ったノキアでさえも、競合他社が進出してくると、価格競争に巻き込まれて利益が少なくなり、市場から撤退させられるという運命を辿ることになるのかな〜と、会社の寿命(事業の寿命)を考えてしまいますね。
常に差別化を行い、市場をリードし続けなければいけないという過酷な競争を生き抜くビジネスの厳しさが痛いほどわかりますね。

それから、携帯事業を売却したノキアが、特許の譲渡はしなかったという賢い戦略を採ったことは興味深いですね。

M&Aというと、特許の売買が当たり前のように考えていますが、特許を保有してライセンス収入で稼ぐという戦略もあるのですね(ノキアが携帯端末の研究を継続していくのかは、明らかではありませんが)。

参考になるニュースでした。







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