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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

2019年12月05日 | 書評ー小説:作者ア行

『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』は、先の5・6巻ほど薄っぺらくはなく、一応240ページほどありますが、やはりあっという間に読み終わってしまって物足りない感じがします。一冊ずつではなく、シリーズ全巻をまとめて一気読みした方が読み甲斐があるのでしょうね。

この巻は皇帝・伯陽に思いを告げられて、茉莉花が「その気持ちに応えられない」と断るシーンから始まります。「思い出に一度だけでいいから」と二人でデートすることになり、いい雰囲気で夜市にいたところにサーラ国からの旅人が迷子になって困っているので助けてほしいと頼まれてしまい、伯陽は茉莉花にできる限り力になるように指示して、自分は城に戻ります。もちろんこの旅人はただの人ではなく、サーラ国の名門で王の証である金剛石を管理するヴァルナ家の若様ラーナシャで、婚約者と家来と共にその金剛石が行方不明になったので、茉莉花はそれを探す手伝いをすることになります。もちろんラーナシャの身分や探し物の正体は最初は極秘でしたが。
このラーナシャは政治的に厄介な問題を持ち込んできたため、それを処理するために茉莉花がサーラ国へ視察に向かうことが決定して「次巻に続く」となります。8巻はサーラ国編ということですね。
恋愛面では、二人は結局お互いの気持ちを認めて思いは通じ合うことになりますが、茉莉花の人目を忍ぶ関係は嫌だという希望に沿って【恋人】にはならないという、伯陽にとっては微妙な関係が成立します。
茉莉花がどこまで出世して、二人の身分違いの恋がどこにたどり着くのか先が楽しみですね。

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