私の大好きな日本画家堀文子さんが亡くなられて早2年。(2019年2月没)
堀氏の座右の銘でもある「群れない 慣れない 頼らない」。
私も堀氏のその思想に共鳴したものです。
2017年4月に地元の名都美術館で開催された白寿記念「堀文子」(私流の生き方を求めて)。
それを観に行った折に手に入れた記念出版本を改めて読み返してみました。
最初の画像は、堀氏の作品「冬野の詩」昭和63年(1988年)です。
当時、この絵が印象に残って、何故かとても惹かれました。
その絵の説明文に―
軽井沢に住んでいた頃、雪の止んだ新雪の中で一匹の狐と出会い、その精悍な姿に心惹かれた文子は、その狐を走吉と名付け、以来、山荘の窓の前に餌を置き、餌付けしながら観察を試みた。
警戒心の強い狐もいつしか文子の餌に引き付けられ、何百回も通うようになったが、決して警戒を解くことはなく、貪欲にもならず、馴れ馴れしくもならず、その姿に「野生の慎ましさ、聡明さ」を感じ、一刻一刻に生死をかけて生きる厳しさを見たという。
油断すれば、即刻死に直結する野生の生き物たち。自然の摂理に従って慎ましく生きる彼らと対峙することで、我々は今自らの生き方を見つめ直し、人類存亡をかけて進むべき未来を選択する岐路に立たされているのではないだろうか。… (鬼頭美奈子 名都美術館 主任学芸員)
まさしくこのコロナ禍の今を暗示していたような…。
最新の画像[もっと見る]