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クリント・イーストウッド監督『ハドソン川の奇跡』その2

2017-10-04 05:02:00 | ノンジャンル
 今朝の朝日新聞と東京新聞に“ロックの殿堂”入りを果たしたトム・ペティさんの訃報が載っていました。「86年にはボブ・ディラン氏のバックバンドとして来日」とあったので、YouTubeで「トム・ペティ」&「ボブ・ディラン」で検索をかけたところ、楽しそうに歌うディランの姿が出てきて、会場の盛り上がりは半端ないといった動画を見ることができました。ついつい暗いイメージのボブ・ディランですが、こんなに楽しそうなボブ・ディランを初めて見ました。ボブ・ディラン・ファンでない方でも一見の価値ありだと思いました。

 さて、昨日からの続きです。
 ジェフ「体が震えないか? 悪夢や動悸も」「まあな」(中略)「半年後にはレターマンの番組も思い出になるだろう」「レターマンに出演?」「次のNTSBの後。彼の番組は楽しい」「シュールだ。現実との区別がつかなくなると混乱する。“凍える男2人”が我々の現実だ」「サリー、あんたはよくやった。人々の記憶に残る」「妙なものだ。40数年間、多くの旅客を乗せて飛んだが、最後のわずか208秒のことで裁かれるなんて。明日はいい日になればいいな。コンピュータが“正しい判断”と証明してくれるだろう。走るか?」「いいとも」。
 サリー「疑いようもなく危険な状態でした。両エンジンの推力を喪失、高度も低い、最も人口過密な都市の1つの上空で」調査官「でもハドソン川への着水はとても大きな賭けだったのでは?」「自信がありました」「“英雄”と呼ばれるのはどんな気分?」「“英雄”だなどとは思っていません。やるべきことをやっただけ」「“必要な時に必要な人物”ね。パイロットになって40年近いとか」「42年です。私の人生そのものです」。
 空を飛ぶ双葉機。サリーの父「操縦しろ」青年時代のサリー「交代します」。
 若き日に父から飛行機の操縦を教わるサリー。
 サリー「汗をかいてすまない」番組のスタッフ「キャスターが怖かったですか?」「彼女のせいじゃない。ライトやカメラに圧倒された」。
 ホテルの廊下。ホテルのスタッフの若い女性、いきなりサリーにキスして「母に頼まれたんです」と熱いハグまでしてくる。「名前はブレンダ、今はシングルです」「お礼を言ってくれ。あいにく私には妻がいる」」「奥様は幸運ね」。
 部屋から外の摩天楼群を見るサリー。そこへ突っ込む飛行機。夢から覚めるサリー。「サリー! どうした? ずっと呼んでたのに。大丈夫か?(中略)取材要請が殺到してる。ラリーが助っ人で来てくれるそうだ。友達としてNTSBにも一緒に行く。コンピュータでの試算が終わったそうだ」「それは何より」「だがアーニーから連絡が。ACAPSデータで“左エンジンは作動していた”と」「あり得ない。2基とも完全に停止してた。空中で静止した感じだった」「微速だが推力を取り戻したはずだ。NTSBにも報告が行ってる」。2人、去る。
 記者の群れをかき分けるサリー。ラリー「会えて嬉しい。今日は大事な一日になる」
 運輸省での公聴会。サリー「何度も話をしたはずだ」「NTSBの仕事は川に墜落した原因の調査です」「不時着水です。なぜ“墜落”にしたがるんです?」「墜ちた原因を究明する」「操縦席での事実を知るのは機長と僕だけだ」「承知している」「ならなぜ我々がここに? 機長がラガーディアに戻らなかったから?」「A320の調査は受けた。無事着水できたのは、機長が補助動力装置(APU)を始動させたからだ」「QRHに従っただけだ」「いや、通常の手順には従わなかった。QRHは僕が開いていた。推力を失ってすぐにAPUを。通常では15番目にやること。手順に従っていたら、死んでた。だからあんた方は気に入らないんだろ?」「つまりジェフが言いたいのは私がエアバスA320に慣れているということ。過去多くの事故の音声記録を聞き、事故調査委の経験もある」「あなたが大変優秀で経験豊かなプロであることに疑いはない。だが1月15日以前の飛行も事故調査の経験も関係ない。問題なのは1549便だけだ。調査結果を組合にも報告したACARSのデータでは左エンジンは作動していた」「データが間違ってる」「鳥と衝突後、左エンジンは微速で作動していた」
 ここから当日の様子が描かれる。そこでは、冷静沈着な客室乗務員の立ち振る舞い、最後の客まで全員脱出したのを見届けて、やっと自分も機を脱出するサリーとジェフ、事故現場に向かう民間の海上の船とヘリコプターらの活躍が描かれる。
 裁判の最終日、ラガーディア空港へ戻れたというシュミレーション結果が示されるが、サリーはいずれの場合も墜落を想定して行動しているとして、不意にバードストライクを得てから35秒のロスがあったとしてシュミレーションをし直してもらうといずれのシュミレーションも最後は大事故で終わった。調査委員の一人は私見としてサミーに敬意を表すが、サリーはこの事故に携わったすべての人たちがその栄誉を受けるべきだと言い、「また同じケースに会ったとして同じことをしますか?」と尋ねられたジェフは「ああ、ただ7月にね」と言って周囲を笑わせた。
 「2009年1月15日、1200人以上の救助隊員、フェリー7隻が1549便の搭乗者を救った。ニューヨークの良心が集結し、24分で全員を助け出した」の字幕で映画は終わり、エンディングロールでは、実際に事故に遭った客とサミーとサミーの妻との再会の様子が映し出されていた。

 事故の再現場面のスリリングな様子は圧倒的で、なぜか涙がでてきてしまいました。文句なしの傑作だと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto