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宮田珠己『ふしぎ盆栽 ホンノンボ』

2008-07-29 18:46:44 | ノンジャンル
 宮田珠己さんの'07年2月に発刊された「ふしぎな盆栽 ホンノンボ」を読みました。
 ホンノンボとは、筆者がベトナムで発見した盆栽のようなもので、特徴は(1)本体が石(岩)であること、(2)ミニチュアがのっていること、(3)水を張った鉢の中にあることが特徴です。石(岩)が凸凹し、ミニチュアは東屋、塔、橋、囲碁をしている老人たち、西遊記の一行がほとんどのホンノンボに見られるものです。囲碁は通常の時間の外にある桃源郷を表現していて、囲碁を打つ老人たちは故事から寿命を司る神と見なすことができます。
 著者は面白いホンノンボをベトナムで探し、主に道教のお寺で、ありったけのミニチュアを乗っけたものや、巨大なもの、ミラーやアンテナが刺してあるものまで見つけます。
 何でこんなものを作るのかを聞いてみると、風水で魔除けの効果があるとか、いろんな説を聞くことができますが、本当のところは分かりません。単なる趣味として作っている人もたくさんいるようです。
 ホンノンボ製作の本拠地ニンビンは、田んぼの中に巨岩が盛り上げっている、まさにホンノンボのような景色を持つところで、ここでホンノンボが生まれたというのも納得できました。ここではホンノンボの製作に必須の凸凹した岩が多く採取されていました。
 著者は知り合いからここにもホンノンボがあると聞き、香港と中国にも行きますが、ミニチュアが精巧すぎて芸術的な香りがし、違和感を感じます。が、佛山でのミニチュア陶器はバラエティに富んでおり、50体近くも購入してしまいます。中には現代のアメリカ人までありました。
 そして再びベトナムを訪れた著者は、民間で作られているホンノンボを見せてもらい、素晴らしくバランスのとれたホンノンボを発見し、またホンノンボでは植物の根を石の穴から水面に届かせることにより、いちいち水をやることなく、一旦作ってしまえば手間がかからないものであることを知ります。
 そしてベトナムでのミニチュア製作の中心バチャンで、いいかげんなミニチュアを多く発見して呆れ(私はここで一番笑いました!)、最終的に究極のホンノンボなどなく、その時その時でホンノンボに惹かれたり、ミニチュアなどがない盆栽に惹かれたりする自分を発見するというところで本は終わります。
 宮田珠己さんの「四次元アジア日記」や「ジェットコースターにもほどがある」と同じように、面白い写真が満載で、これも是非ご自分の手に取って読んでいただきたいと思いました。面白さに関しては二重丸です。ぜひ書店でお買い求めください。(ポプラ社から税込1575円で絶賛発売中です。)