東京ナイト

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中国文化大革命の大宣伝 下

2009-09-15 08:02:01 | 
本は「中国文化大革命の大宣伝 下」。



何しろ下巻だけでも600ページ。読み応えがありました。
下巻は、毛沢東の「書」の宣伝力、「壁新聞」、「演劇」などのテーマで文化大革命を読み解いていくのですが、圧巻は周恩来の死を悼む市民と、それを阻止するため圧力をかける四人組との攻防を描いた「第一次天安門事件」の章。

あの広い天安門広場が市民の献花で埋まり、それを夜に四人組の息のかかった公安が片付け、また翌朝になると花輪を捧げるための市民の列ができるという繰り返し・・・。最後は暴力による排除に至るのですが、著者は、花輪に書かれたそれをささげる団体名から、四人組によってパージされていた走資派の組織的行動を読み解いていきます。
科学院や工場などの「有志」が一番最初にそうしたアクションを取ることにより、四人組みの支配にうんざりしていた市民も後に続くのです。肝心の毛沢東は病床にあり、機能していません。

このあたりの大衆への宣伝を巡る微妙な駆け引きは読み応えがありました。
という訳で、この本ホント面白いです。でも、高校生の頃、読んだ記事(広告批評に10年間連載されていました)がなかったので、上下巻で1200Pでもまだ全部は収録できなかったみたいです。粛清された人物がその後、公式に発表される写真から修正で消される、という記事は今でもよく覚えています。また読みたいな。

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