
千鳥ヶ淵の美術館といえば、山種美術館。兜町からここに引っ越して、初めて来たとき、ずいぶん小さくなってしまったな、という印象をもった。あれから10年、また引っ越すらしい、今度は広尾とか。で、”桜さくらサクラ・2009”展のサブタイトルが”さようなら、千鳥ヶ淵”というわけなのだ。この日が、”千鳥ヶ淵”の桜の観納めになる。


”桜、さくら、サクラ”の展覧会名のように、多種多様な桜が展示室いっぱいに咲き誇っていた。速水御舟、奥村土牛、小林古径、川合玉堂、菱田春草、橋本明治と錚々たる画家に加えて、1,2点だけだったが、横山大観、東山魁夷のものまで展示されていた。
石田武。ボクは美術鑑賞初心者クラスだから、知らないことばかりだが、この日本画家のこともよく知らなかった。いくつかの絵が展示されていたが、みな気にいってしまった。京都生まれで日本画家になる前は動物図鑑などの挿絵を描いていたらしい。石田の”吉野”の桜は良かった。去年、吉野山を観てきたが、実物より、はなやかなうつくしさであった。奥村土牛の”吉野”も、またほのぼのとしてかつ雄大であったが、どちらかといとこちらの方が好きだ。石田の”春宵”、これはきっと円山公園のしだれ桜だろう、左はしに満月が上がっている。去年、竹橋で観た東山魁夷の”花明かり”を思い出していた。彼はこの満開の桜の真上に満月が上がる日時を事前に調べて、写生に出かけたそうだ。加山又造の”夜桜”にも、うす雲に隠れるように満月がのぼっていた。こんな絵を観ていると、桜好きのボクとしては、むしょうに京都に行ってみたくなってしまう。
まだまだ、書きたいことがあるが、絵葉書の紹介で終わりにしたい。
石田武 ”吉野”

奥村土牛 ”吉野”

加山又造 ”夜桜”

石田武 ”春宵”

川端龍子 ”さくら”

そうそう、最初の写真は、その日の千鳥ヶ淵の桜です。そして2番目のは、ポスターで、上の絵が東山魁夷の”春静”、下のが石田武の”千鳥ヶ淵”です。
。。。
次回は美人画の大家、上村松園展です。ここでの最後の展覧会、まさに”さようなら千鳥ヶ淵”です。是非、行かねば(笑)。桜も散って、梅雨どきの開催となりますので、千鳥ヶ淵は”美女、びじょ、ビジョ”とびしょぬれになるでしょう(爆)。松園の 美女とぬれたい お堀端 (汗)

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