気ままに

大船での気ままな生活日誌

原節子の忠臣蔵

2013-12-23 10:18:03 | Weblog
先だっても紹介したように、川喜多映画記念館で”原節子展”が来月末まで3か月に渡り開催されている。展示室での映画ポスターなどの展示のほか、映写室では、原節子出演の映画が上映されている。別料金を払うのだが、いつも満席。原節子人気はすごい。昨日は家内と一緒にみてきた、1968年の東宝オールスター映画、”忠臣蔵”だ。花の巻と雪の巻、二部構成で207分の大作。若き日の(とはいっても42歳)原節子がみられるし、おなじみのストリーだが、いつみても、わくわくどきどきの場面がいっぱいで息を抜けない。

東宝の30周年記念ということだが、大作”忠臣蔵”を映画化できたのは、前年に松本幸四郎一門が松竹から”東宝歌舞伎”に移ってきたことも大きい。大石内蔵助には松本幸四郎、吉良上野介には市川中車、大石主税は市川団子(現・猿翁)、矢頭右衛門七が市川染五郎(現・幸四郎)と主要な役どころを歌舞伎役者が抑えている。中車の憎たらしい演技がみもの。そういえば、現在の中車も”半沢直樹”では憎々しげだった(笑)。どちらも倍返しされ、気分爽快(爆)。そういう運命の名跡なのだろうか

東宝男優陣では、エース三船敏郎が俵星玄蕃を演じ、脇役ながら、かなりの出番の多い脚本となっている。♪打てや響けや山鹿の太鼓 月も夜空に冴え渡る 夢と聞きつつ両国の橋のたもとで雪ふみしめた槍に玄蕃の涙が光る♪(三波春夫の歌を挿入しました;汗)。また、現在のこの方では考えられない役どころであるが(笑)加山雄三が神経質な内匠頭を。安兵衛は三橋達也、そして、寺崎吉右衛門は加藤大介で、病気で駆け付けるも討ち入りに間に合わず。宝田明(高田郡兵衛)、志村喬(千坂兵部)、小林桂樹(脇坂淡路の守)、夏木陽介、フランキー堺、森繁も。そうそう、三木のり平の幇間芸も面白かったですね

そして、女優陣も綺羅星のごとく。原節子は大石妻のりくです。42歳にしてはふけているが(笑)、さすが気品あふれる良妻賢母を見事に演じる。司葉子は内匠頭の妻、”南部坂雪の別れ”の名場面での、怒りの顔が魅力的(笑)。団令子(お軽)、星由里子(お艶)、池内淳子(水茶屋の女)、上野介の妻、沢村貞子は夫を冷たく突き放し、国へ帰ってしまう。新珠三千代、草笛光子もいたし、まさにオールスターキャスト。

原節子さんには、思い出の作品です。なにせ、これを最後に映画界から姿を消すからです。映画での最後のシーンは、内匠頭に(妻子に累が及ばぬようにと)離縁され、山科の家から黙って立ち去るところ。まさに、そのあとの引退を暗示するような場面だった。これで、ぼくは、原節子のデビュー作”新しき土”とラスト作”忠臣蔵”を観たことになる。えへん、えへん。

正月も名作ずらり。楽しみだ。


近くの八幡さまはお正月準備にかかっていた。


旗上弁財天社の前の木に白鳩がいっぱい


今日はこれから、ふたりで歌舞伎座へ。演目は。仮名手本忠臣蔵どす。

おほほ。



原節子の忠臣蔵

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