goo blog サービス終了のお知らせ 

気ままに

大船での気ままな生活日誌

”逃げ若”北条時行に光を当てた展覧会

2024-10-20 22:36:24 | Weblog

こんばんわ。

週間少年ジャンプに連載されている松井優征の”逃げ上手の若君”が人気らしい。ぼくがこの”逃げ若”を初めて知ったのが、この8月、鶴岡八幡宮で行われた”ぼんぼり祭”。松井優征が揮毫したこのぼんぼりだ。

このことをしばらく忘れていたが鎌倉歴史文化交流館(歴文)で”逃げ若”に光を当てた展覧会を知り、先日、見に行ってきた。鎌倉駅西口から銭洗い弁天に向かう途中にその歴文はある。まだ新しく、立派な建物である。

歴文建物

展覧会ポスター。北条氏150年 栄華の果て-鎌倉幕府滅亡-

この展覧会で”逃げ若”の主人公が、鎌倉幕府の最後の執権、北条高時のニ男、時行であることをはじめて知った。1333年、新田義貞に攻められ、高時をはじめとする北条一族ら800人が東勝寺(跡地に腹切りやぐらが残っている)で自害し、鎌倉幕府は滅亡する。そのとき、時行ら子供三人(ひとりは養子)は逃がしていた。展示品から、北条氏(得宗家)略系図。

賑わう展示室。

北条時行関連の展示コーナー。

北条時行は伯父の諏訪頼重に預けられ、諏訪神社のある信濃国にかくまわれる。その後、北条家の奏家と時行が生き延び、鎌倉奪還のため戦い続ける。建武2年(1335)、奏家が西園寺と共に謀反を計画するが、未遂におわる。一方、時行は同年7月、信濃で頼重らと共に出兵、武蔵国まで攻め入る。時行は、女影ヶ原(埼玉県日高市)で勝利し、勢いに乗った時行は7月24日に鎌倉に入り、奪還する。知らせを聞いた尊氏は、京で挙兵、直義軍と合流し、時行軍を破り、再び鎌倉を制する。時行の軍勢は勝長寿院に逃げ、頼重らは自害するが、6歳の時行はこの時も生き延びる。逃げ上手の若君(笑)。一時的に時行が鎌倉に入った時代を先代(北条氏治世)と後代(足利氏の治世)の間であることから、中先代という。この時行の鎌倉奪還の戦を中先代の乱と呼ぶ。

中先代の乱のあと、尊氏は後醍醐天皇の命令に従わず、帰京せず、鎌倉に留まる。そして、建武2年(1335)11月、天皇は、尊氏・直義が謀反を企てているとし、2人の討伐を命じる論旨を発給した。建武3年、湊川合戦(神戸)で尊氏は、楠木正成を破り、京を制圧し、光明天皇を擁立する(北朝)。後醍醐天皇は吉野に逃れ、朝廷を開く(南朝)。北条時行は後醍醐天皇に父(高時)の赦免と自身を尊氏討伐軍に加えてほしいと願い出た。これが赦され、鎌倉奪還に向けて、戦闘を開始した。

建武4年、時行は伊豆で挙兵、鎌倉を守っていた足利義詮を破り、同年12月23日に二度目の鎌倉奪還を果たした。その後、時行は尊氏討伐のため、翌年正月2日に鎌倉を立ち、北畠頼家らと京へ向かう。途中、時行は高重信を墨俣川(大垣市)で破り、進軍するが、遠征軍は和泉の国(大阪)で高師直に大敗、長の頼家は死亡する。ここでも時行は生き延びる。逃げ上手の若君(笑)。

その後、観応元年(1350)頃、尊氏および高師宣派と直義派が対立する。この状況を利用し、南朝方は、京と鎌倉の両方を制圧するため軍事行動を起こす。時行は再び義興らと共に武蔵野合戦で戦い、初代鎌倉公方足利基氏を破って3度目の鎌倉奪還を果たした。

しかし、この奪還も短期間に終わり、逃走を続けるも、翌年、足利方に捕らえられ、鎌倉龍ノ口で処刑された。享年、25歳と伝わる。鎌倉幕府が滅亡してからちょうど20年がたっていた。

本展では、時行の名が記された太平記絵巻などが展示されている。

太平記絵巻(巻七)

足利尊氏軍勢催促状 ”新田義貞以下の凶徒等誅伐の事”とある。

鶴岡社社務記録 五月二十日に相模次郎(時行)、龍口で処刑の記録がある。

北条一族を弔った供養塔、五輪塔地輪(しゃか堂やぐらから出土)

鎌倉幕府滅亡のあと、北条得宗家の次男が生き残り、20年もの間、戦いつづけ、短期間であったが、鎌倉奪還を三度も果たしたことなど全く知らなかった。松井優征の”逃げ上手の若君”のぼんぼりを見なかったら、一生、知らずにいたかもしれない。

。。。。。

今日、ヤンキースがア・リーグ優勝を決めた。明日はなんとしてもドジャースがナ・リーグ優勝を決めたい。大谷選手が夢みたワールドシリーズが目前にきている。

では、おやすみなさい。

いい夢を。


”逃げ上手な”メッツ投手陣、逃げないで!

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フラセンのキンさん、ギンさ... | トップ | 大谷ドジャース、ワールドシ... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気温は14℃ (アナザン・スター)
2024-10-21 07:09:27
おはようございます。
季節も、移ろいやすい晩秋には、気温の変化も著しいですね。

体調を崩されてはいませんか?
家籠り、庭の徘徊だけですが、風があると寒さも感じます。

大谷選手、運気を流されてしまった?
乱気流かな?

鎌倉には、様々な企画があるのですね。
季節柄、侘しさも感じます。

さあ・清書終えて、読み直しです。
わたくしも、あと一息です。
有難うございます。
返信する
アナザン・スターさま (marbo)
2024-10-21 11:05:31
気温が上がったり、下がったりですね。お身体にお気を付けください。

鎌倉には結構、美術館や博物館などがあり、いろいろな企画展があり、楽しめます。

アナザンさんの著作も最終盤ですね。大谷選手も最終盤、今日、ワールドシリーズ進出決定濃厚です。
返信する
Unknown (雪椿)
2024-10-21 13:15:45
この展覧会に行ってみたくなりました 

鎌倉。
そんなに遠い所にある訳ではないですが
最近、訪れる機会がないです

ドジャースがついにヤンキースと戦う事が決まりました
これでヤンキースに勝てば
優勝となるのですよね?!

大谷選手って、
運が強いというのか?
生まれた時から、そうした運を持って生まれて来たのか?

ワールドシリーズ?となるのですか?
これで勝てば優勝ですよね?
何か
優勝しそうな感じがします
優勝したら、大谷選手はMVPに選ばれるだろうし

これからの試合が楽しみですね
返信する
Unknown (小父さん)
2024-10-21 16:08:52
>鎌倉幕府滅亡のあと、北条得宗家の次男が生き残り、20年もの間、戦いつづけ、短期間であったが、鎌倉奪還を三度も果たしたことなど全く知らなかった。

へ~っ、このような歴史を少年ジャンプが”逃げ上手の若君”として連載しているっていいですね~。
少年少女がこれで歴史を好きにになるなんて素晴らしいと思います。
もちろん私もこのような逸話は全く知りませんでした。

”逃げ上手な”メッツ投手陣ですか(笑)、いやはや、野球も夢中で観る時とそうでないゲームがありますね。
今日は後者でした(汗)。

有難うございました。
返信する
雪椿さま (marbo)
2024-10-21 18:31:32
歴史好きな雪椿さんなら面白いと思いますよ。鎌倉へどうぞ。ついでに東勝寺跡の”はらきりやぐら”も見学なさったら(笑)。

大谷選手、ついにワールドシリーズ進出ですね。それも相手がヤンキースとは。運がいいですね。大谷対ジャッジで、大騒ぎになるでしょう。

ありがとうございました。
返信する
小父さんさま (marbo)
2024-10-21 18:39:24
少年、少女が漫画を通して、ぼくらも知らないような歴史を学んでいるのですね。北条時行なんて全く知りませんでした。

今日のメッツ戦は、ぼくは結構ひやひやして、面白くみさせてもらいましたよ。ド軍の投手陣が信用できないので(笑)。とにかく、今日、決めてもらい安心しました。土曜日からは日米とも大変な騒ぎになりそうですね。ぼくもわくわくです。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事