まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

リアちゃんの退院

2007年06月21日 | めそめそ
 今年、大学2年の娘・・・ 
数日まえ「ねえ、ママ。リアちゃん、入院させて」と言ってリビングに入ってきました。手には2匹のくまのぬいぐるみ ベージュのほうがファミちゃん 白いほうが(実際には、グレーになっているのですが)リアちゃんです

 娘が生まれた時、私の母の友人が、お祝いに来てくださる時の手みやげに、この2匹のぬいぐるみを、長男である私の息子のために持ってきてくださったのです
 ぬいぐるみ好きだった当時3歳になりたての息子は大層喜び 大事に抱っこしていました。
 しかし、チラリとすやすや眠る妹を見て・・・女の子のほうのリアちゃんは、やっぱり妹にあげようと、ベビーベッドで寝ている娘の横に寝かせ・・・
 その日から、ファミちゃんは息子の、リアちゃんは娘の大親友になりました
 さすがに、小学校に入ってしばらくして、息子は断腸の思い?!で、ファミちゃんを娘に委ね、ファミちゃんとリアちゃんは、揃って娘のベッドで寝るようになったのです

 この19年の間に・・・ファミちゃんとリアちゃんは、何度も「ママの病院」に入院し、手術をしてきました
 主人のインドネシア赴任中も、幼稚園児の娘は、必ずリアちゃんを伴って訪イしていましたので、リアちゃんはバリのビーチも、世界遺産のボロブドゥールも知っている国際派
 しかし、19歳のリアちゃんは、あちこち、生地が切れたり、薄くなったり、穴があいたり・・・ そのつど、娘はドクター・ママに大事な大事なリアちゃんを委ねてきたのです
 今では、かなりの部分がアップリケ状にフェルトで補強され、丁寧に洗ってきましたが、やはりもとの白さには戻りません

 私は、大きな手芸店に出向き、いろんなものを見て回り、ファミちゃん、リアちゃんの手術に最も適したものを選び、今回も深夜の3時間の手術を施し、めでたく退院させたのでした

 娘が、大口をたたいて大学に登校した後、私は窓を開けたり、ちょっとしたものを娘の部屋に届けたりするために、彼女の部屋に入ります。
 すると、必ず、ファミちゃんとリアちゃんは、彼女のまくらの上に寄り添って並び、きちんと寝かせてもらっています 時には、まくらの上にちょこんと並んで座っていることもあり・・・
 生意気な口をきき、不機嫌な様子で出かけていく娘の様子を思い出し、あの彼女が、どんな顔をして、どんな様子で、ファミちゃんとリアちゃんを寝かせたり、座らせたりして部屋を出て行くのか・・・と、ちょっと心が和みます

 先日、あまりにボロボロになった2匹のお洋服の替えはないかと、渋谷のデパートのおもちゃ売り場に、何か良い案はないか、と探しにいきました。
 というのも、10年ほど前までは、2匹のお洋服は、ちゃんとそのメーカーから数種類販売されていて、昔は、彼らはいろいろとお洋服を着せ替えてもらっていたのでした
 しかし、メーカーに事情を話し、全国の店舗に在庫は残っていないかと探してもらったのですが、それも叶わず・・・
 今回は苦肉の策で、そのメーカーの乳児用の下着にアップリケなどを使って手を加え、退院と同時に、新しいお洋服に着替えさせました

 先日、そのデパートのおもちゃ売り場、子ども服売り場で、じっくりとお話しをする機会に恵まれました。
 私が探しているもの、その事情などを説明すると、あちこちの売り場の方が親身に、いろいろなものを探してくださったのでした。
 そして、ベテランの売り場の方がしみじみと語られたこと・・・

「最近は、知育玩具的要素のあるお人形しか、あまり売れないのですよ。むしろ、ぬいぐるみは小さい子どものものではなくなり、もっと大人に近い女性の『カ~ワイイ~』という対象になって・・・でも、きっと、抱っこしたり、ねんねさせたりというような、昔のようなかわいがられ方はしていないでしょうね 
 ここのところ、人形としての売れ筋は、お人形が声を出して数を数えたり、日にちを言ったりするような、そういう系統のおしゃべりをするものなんです 着替えも、単純に着せ替え人形としての意味ではなく、ボタンをはずす、止める、スナップを止める・・・みたいに、将来、幼稚園受験に役立つようなものを探すお母様達が増えまして・・・ 上手くは言えませんが、私は長年おもちゃ売り場にいて、時代の流れを感じています そして、どこかで、カサカサとした空気しか流れなくなったおもちゃ売り場を、とても寂しく感じているんです・・・」

 話しの成り行きから、私が自分の仕事を話したので、この方は、日頃はお客様には語られないようなご自分の思いを、敢えて語ってくださったのだと思いました

 日にちを話すお人形、数を数えるお人形ですか・・・
今日が何日なのか?確かに、二度と来ない「今日」ですから、知らないで過ごすよりも、今日一日を大切に過ごす、という意味でも、知っているほうが良いに決まっています
 数も、人が生きていく上では、とても大切な分野です。日頃の生活の中で、自然に身に付けばすばらしいですね

 でも・・・やっぱり私も、このベテランの店員さんと同様、ちょっと心寂しいものを感じずにはいられませんでした

 小さなものを愛しむ心・・・それは、お人形遊びからのみ、培われるもの、育つものではありません。
 小さな花、小さな虫、生き物、そういう小さなものすべてと関わることから、育っていく心でしょう
 しかし、やはり昔は、特に女の子の場合は、「もの話さぬ人形」を相手に、時には母として、時には姉として、いろいろなことを語り、世話をすることで、育ったいった部分も多いはず
 また、父親や母親に叱られた時、お人形を相手に自分の悲しい思い、理不尽に叱られた?腹立たしさを話し、人形に癒されたことも多かった・・・

 そんな、子どもと人形、子どもとぬいぐるみとの「優しい時間」を、もっと子どもにとっての心育つ豊かな時間として、理解してもらえたら・・・と、悲しいほど感じました

 きっと、ママ達にも、そんな時間があったはず・・・ではありませんか?


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