まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

就職戦線に思うこと・・・

2012年03月27日 | めそめそ
3月もあと数日です。いよいよ、本格的な春の到来ですね。そろそろ、西のほうからは桜の開花のニュースも届くようになりました
 昨年の今頃は、まだ震災後間もない時期であり、世の中全体、特に余震のあった関東では、悲しみと、どこかで常に神経が張りつめた状態の時期でした。テレビを点けても、あまり賑やかな番組はなく、民放でも企業CMはなく、総理府から流れる同じメッセージだけで・・・ まだまだ復興というには程遠い被災地を思い、心を痛めながらも、あれから1年の時が過ぎたのだなあ、と、来る春を思うこの頃です。

 先週末、あちこちで「袴姿」の女子大生を目にしました 多くの大学では、先週、卒業式があったのですね。我が家の息子と娘は、昨年、大学卒業を迎えましたが、二人がお世話になった大学、どちらも卒業式も入学式も中止でした。あらためて、わが子達は大変な時期に学業の全過程を終了し、社会人として、世の中に出ていったのだなあ・・・と思います。

 そんな思いの中で、私はいつも、スーツ姿の若者達を眺めます。
私は仕事がら、小さな子ども達の姿に目を留めることが多いですねえ そして、特にこの時期は、入学や卒業の子ども達の姿を見ると、胸がいっぱいになり、心の中で全員にエールを送ります

 しかし、わが子二人が成長したことによって、以前は全く気にも留めなかったことに、新しい視点が生まれました
今までは、試験と言えば「入学試験」しかイメージにありませんでした 幼稚園受験、小学校受験、中学受験、大学受験・・・仕事の上でも、母親としても、「あまたの」試験をサポートする経験をしていますからね
 でも、じつは「就職試験」というものがあるのですよね・・・そして、リーマンショック以来の長い長い不況、そして震災。日本は、就職超氷河期の中にいます
 
 私も子どもが小さな頃は、テレビで流れる就職の話題や、ニュースでの報道に、「ふーん、そうなんだねえ。」程度の関心しかありませんでした。しかし、実際に、わが子達が大学3年になり、就職活動が始まる という時期になると、上手く言えませんが、何が何だか「???」の気分でした。なぜなら、昔の親の経験は、ほとんど役には立たなかったからです。インターネットが当たり前のものになった今、「エントリーシートをダウンロードして・・・」と言われても、ピンとこない・・・
 試験とはいうものの、入試のための勉強ではないので、塾や予備校に行くわけではありません。でも、どの試験の時よりも、独特の緊張感がありました
 我が家では、娘のほうが1年先に大学3年生になり、就職活動が始まりました。娘に付き合い、「黒のスーツ選び」をした時には、そんなものなのねえ・・・という感覚。1年後、息子の場合は、かなり特殊な状況でしたので、その不思議な感覚は一層強かったように思います。
 2年前の1月の末、まだはっきりとした退院の日が決まらず、入院中だった息子は、外出の許可をいただき、とにかく逸る心を鎮める意味でも、「とりあえず、リクルートスーツを買いに行こう」ということになりました。出かけはしたものの、すぐに疲れてしまい、駅のベンチやホームで、何度も座って休憩しながらの買い物で・・・本当ならば心配ばかりが先立つところですが、なぜか、強い祈りが「母と子の興奮」にもなっていたかもしれません

 おっと。話が横道に逸れてしまいました
私が今日、伝えたかったこと・・・それは、就職試験というものは、バッタバッタと「落ちる」ということ。そして、それを横で眺める(それを遠くで知る)親は、ひたすらチアアップしないといけない、ということです。そのチアアップの方法は、相手が「大人」であるだけに、それはそれはむずかしいこと、なんですよ・・・「就職すること」は、自分の足で立ち、生きていくための基本です その意欲があるからこそ、必死に就職戦線に立ち向かっている・・・
 そんな若者達が、どんどん、試験に落ちるのです それでも、めげたり、くさったり、落ち込んだりしている暇はなく、ひたすら前を向き、立ち上がり、次の就職試験に向かわなければならない
 これがね、大学受験だったら、「いやになった」「ちょっとの間、考えるのを止める」「ちょっと休憩する」と、浪人の期間、リハビリをすることが可能です。でも、就職試験の場合は、「休むこと」は許されません 卒業の時期はやってきます・・・
 わが子の就職先が決まらない・・・まだまだ小さな子どもをお持ちのみなさんには、それがどんなことか、なかなか想像できないことかもしれませんが、わが子の就職試験を経験してみて、「就職試験に落ちる」ということの「辛さ」「痛さ」が、いかに深く、重いものであるかを実感しました それは、そこに苦渋の決断が必要であったとしても、何らかのかたちで、進学先は決まっていく学校の受験とは、異質のものでした。

 あと1週間もすれば、世の中に「新入社員」達が誕生します でも、きっとほぼ全員がいくつもの「不合格」を経験し、打ちのめされる・・・立ち上がる・・・を必死の思いで繰り返してきた若者達なんですよ。
 地方から出てきて、一人暮らしをしている大学生達の場合は、親はわが子の就職活動を身近で見ることはありませんが、子どもは、その現実に立ち向かい、入社の日を迎えています

 子どもが幼い時には、話した 立った 歩いた と喜び、親子でともに「ほとんどがプラス」の体験を重ねていきます それが、ピタリと心身の成長と結びついています。こういう成長に慣れてしまった親達は、子育て中の「わずかなマイナス」で傷つき、悲嘆にくれることは多いものです
 でもね、やっぱり、世の中には「プラス」があって「マイナス」があるのです。それが道理だと思います。

 秋以降、リクルートスーツを着ている大学生達を目にすると、心の底から、私は「がんばれ!がんばれ!」とエールを送ります。
 愛する大切なわが子に「マイナス」が降りかかった時、悲劇のヒロインのママに成り果てて、さめざめと泣いたり、ワーワーと泣き叫んだりするのではなく親ではなく、「災い転じて福と成す」というバイタリティーを持って、わが子をあたたかく照らしてあげる「太陽の母親」になれるよう、精進すること・・・
 それが、母親としての責務ではないのかな?と・・・スーツ姿の若者達を見ながら考えています。

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人の心は見えるもの

2012年03月06日 | にこにこ
  人の心は見える、人の心は伝わる・・・私は、常々そう思っています
このことはよく、小学校受験の模擬面接の時にも、大真面目に語ります。思ったことを、心を込めて語ってくださいね、と。なぜなら、アナウンサーや講演者でない限り、立て板に水、で話す必要などないのですもの とつとつと話したとしても、言霊のこもった言葉には、色合いも重さもあり、相手に必ず伝わるものですから

 これから小学校受験の面接に向かわれるお父様、お母様は、書店に並ぶ虎の巻を購入し、そこに書かれたひな型で練習を積まれます。
 歯の浮くような賛美の言葉を並べ、声が裏がえらんばかりに力が入り、前のめりになって語られる・・・でも、そこに「心」が伴っていなければ、それらの言葉は口から出た瞬間にバラバラと床に落ち、何の感動もない言葉達が床に散乱する・・・
 きっと、小学校受験の面接が終わると、先生方は踵が隠れるほどの色と重さのない賛美の言葉達を掃いて・・・苦笑しながら捨てられるのでしょう

 じつは、なぜ急に面接の時期でもないのに、こんなことを言いだしたのか、と言うと。
日曜日、三浦海岸で第30回三浦国際市民マラソンが開催されました 当日はあいにくの曇天。ときどき、ポツポツと雨が降ることもあり、決してマラソン日和とは言えませんでした。海岸線というコースは、海からの風をまともに受け、体感温度は真冬だったことでしょう 三浦海岸の気温5℃。天気予報は、この日はうそつき、でした

 30回の記念大会ということで、何とこの日は「サプライズゲスト」として、高橋尚子さんが招待されていました そうです、キューちゃんの愛称で呼ばれる元オリンピック代表選手のランナーです。
 私は、昔からこの人が嫌いでねえ・・・42,195キロ走った後に、必ず「楽しかったですまた走りたいです」と満面の笑顔で話すのを見ていると、いったいこの人には「疲労」という感覚はないのだろうか?とか、サバンナの動物じゃあるまいし、そんなに「走る」という行為が最上の喜びなんて、どんな感性なんだろう?とか、どうしても思ってしまったわけです
 でも、現役引退し、マラソンの中継車に乗られたり、スポーツイベントで解説をされたりしているのをテレビで観ていると、非常に冷静、かつ的確な解説をされ、表現力も豊かで・・・だから、何というのでしょうか、語られる言葉に「温度」があるように感じるのです・・・
 そんなことで、最近では、少々認識をあらためる?ひどいことは言わない!ようになってはきていました

 この日は、私は応援でした
10キロとハーフマラソンに出る仲間達をスタート時点で見送り、コーチと一緒に歩いていると、高いところに設営された放送ブースの中にいるキューちゃんを見つけました
 彼女は、自分の前をゆっくり進んでいくランナー達に向かって身を乗り出し、「がんばってー」「寒いですからねえ。しっかり体を動かしていってくださいねー」「いってらっしゃーい私もあとから追いかけますよー」「がんばれー」「しっかりー」と、全員がスタートし終わるまで、ずっとずっと声をかけているのです。
 その様子に、とてもひきつけられました。
ビニールシートのようなもので囲われているスペースにいらしたのですが、キューちゃんのところだけ、温度があるというのでしょうか・・・遠目にも、そこだけが違って見えました

 マラソンの大会やトライアスロンの大会に行くと、必ず「MC」の人はいて、スタートの時や折り返し、トランジションの時には声をかけてくれます。
 便利な日本語の「がんばれー」「がんばってー」です。でもね、残念ながら大抵の場合、「ああ、この人、ずっとずっとこうして『がんばれー』ばっかり言わないといけなくて大変だなあ・・・」という気分にしかならない「がんばれー!」を言われるのですよ。そこには、何の温度も重さもなく、「が」「ん」「ば」「れ」という音の羅列でしかない・・・

 でも この日の高橋尚子さんの「がんばれ」は、全く違うものでした。
その後、私は走り終えて帰ってくるお仲間達のために、おでんを温めることに一生懸命で(海岸からの風が強く、カセットコンロの火がすぐに消えてしまうのです)、高橋尚子さんがどうされたのかは知りませんでした。
 そろそろ10キロのランナー達が帰ってくる頃になって、初めて、キューちゃんも後を追っかけて、同じコースを走りに行ったことを知りました。
 そのうちに、10キロの人達が帰ってきて・・・おでんは大好評 吹きっさらしの海風の中、おでん番をした甲斐があったというものです そして、ハーフマラソンの人達も完走し、戻ってきました。

 それから20分。ハーフマラソンの制限時間が迫ってきました。2時間20分。結構、この時間設定は厳しいものがあり、マイペースランナーでは時間内での完走は難しい?と思われる時間です
 私のお仲間も、2名がまだゴールしていなかったので、「制限時間まで、あと3分」という頃になって、コースの沿道に観に行きました。
 すると、たまたま目の前のコース上に、ゴールとは反対方向を向き、一人一人のランナーに声をかける高橋尚子さんがいたのです
 キューちゃんは自分は早々とハーフの距離を走ってきて、ゴールはせず、ゴールまであと7,80メーターというその地点に立ち、ランナー達に言葉をかけていたのでした。
「あと3分。がんばれ、あと少し」「大丈夫ゴールできる!あとちょっと」「走れ!ダッシュダッシュ
「あと2分。よくがんばりましたね。あとちょっとですよ」「すごいです!あとちょっとです」「がんばれ!まだ間に合う!ダッシュ
「あと1分 間に合います!走って」「ガンバレガンバレ!あとちょっと!ダッシュ

 あと30秒、あと15秒、あと5秒・・・という時まで、ずっとずっとランナーに声をかけ、一人一人の顔を見て、必死に叫んでいました
 不覚にも・・・私はその様子をずっと見ていて、涙が出てきました・・・

 この人は、真剣に目の前の人のことを応援してるんだ・・・
 この人は、本心から、がんばれ!と言ってるんだ・・・
 この人は、今自分の目の前を通りすぎる20キロ走ってきたランナー達に、深い愛情を持って語っているんだ・・・
 それが伝わってきました

 彼女の現役時代、「きっとこの人の脳ミソまで筋肉やねんわー」なんて、罵詈雑言で罵倒していたことを、心の中で何度も詫びました。

 たまたま夜、NHKを見ていると、笑福亭鶴瓶さんと一緒に、各地を訪問する番組に高橋尚子さんが出ていました
 岩手県大船渡市を訪れ、高橋さんは昨年の4月、陸前高田市にランニングシューズを届ける前に立ち寄った大船渡の海岸線で出会ったご老人のことを語っていました。
「私はあのおじいさんに会いたい。あの方の言葉に、大きな大きな力をもらい、あの時から、ずっと私はあの方のことが気になっていたんです」と話していました。
 昔の私なら、「ほらほら、また~」みたいなことを思ったのでしょうが・・・
 運よく、そのおじいさんと再開し、手を取り合って喜んでいる高橋さんを画面の中に見ながら、「やっぱり、本当に心のある言葉は、見えるよなあ・・・」と思ったものです

 お母さんがかける朝のひとこと「気を付けて、いってらっしゃい」も、本当にお母さんの心の底からの思いがあれば、単なる慣例的なあいさつ以上の意味を持ち、子ども達にその日一日の勇気と力を与えるでしょうね



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