まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

どーんと構える!

2011年07月08日 | にこにこ

 先日、初めて「ヨットの体験」をしました。
トライアスロンのお仲間は、非常に個性豊かで、趣味や好みも多彩です。そのおかげで、私はいろいろとその恩恵にあずかっているのですが、今回は「ヨットに乗りに来ませんか?」のお誘い。何にでも興味津々の私は、二つ返事で「行くー!行きます

 でも、私はおーきな誤解をしていたのでした
昨年あたりから、かなり大きいクルーザーに乗せていただく機会が多く、すっかりその「優雅さ」に味を占め、今回の「ヨットに乗りに来ませんか?」も「優雅にクルーザーに乗りませんか?」と同質のものとして勝手に受け止めてしまい・・・
 正直に告白すれば、「どのサングラスにしようか・・・」「どのサブリナパンツにしようか・・・」「Tシャツはどれがいいかなあ?」などとファッションチェックをしていたのでした
 そして当日。西宮駅に集合した他のお仲間も、大なり小なり、私と同じ誤解をしているご様子で
 私と夫は梅田の実家から20分弱で集合場所に到着しましたが、他のメンバーは、前夜から大阪泊。(前夜は、大阪のど真ん中生まれの夫が計画した、串カツのディープな大阪を体験 じつは、大阪出身の私も、ほとんど今まで足を踏み入れたことのないエリアで、私自身も大いに愉快な経験をしたのでした)大型ヨットの初体験にウキウキとした表情でした。
 
 この日のヨット体験・・・お誘いくださったのは、日本内外、数々のヨットレースに参戦されている強者(つわもの)。もちろん、私達もそれは存じ上げてはいたのですが、そもそも、「ヨットレース」や「レース艇のヨット」それ自体が、どういうものか?という認識に欠けていたのですよねえ・・・情けないことに・・・

 「今日はね、うちの艇のクルーのうち、一人だけには助っ人として来てもらったんやけど、せっかくの機会やから、あとは今日はみなさんにいろいろとお手伝いいただきますねえ。よろしくお願いしますー」とオーナーはニコニコ。
 男性陣も「それはねえ。当然、当然!何でも言ってよー」・・・とここまでは良かった。
 でも、メインのセイルを運ぶあたりから、「むー、もしかしたら・・・このでっかいセイルを自分達で張るってことね?!そこから始めて・・・海に繰り出して・・・そのセイルで風を受けて海を滑るように行くってこと・・・ヨットは風を受けて走るんだから、そのメインの操作はYさんがされるとしても、その補助はぜーんぶこの素人集団がするってことね・・・」と、みな、事の重大さを徐々に認識してきていました。

 でもでも・・・やっぱり女性陣は暢気なもので・・・Y夫人が運んできてくださった美味しそうな芦屋の新店の焼きたてパンにワーワー喜び、大好きなシャンパンや赤白のワインを眺め、まだまだ「クルーザー気分」でした

 普段は、日頃から練習を積んだ、息の合った10人のクルーで操縦し、レースに参戦しているYさんのその大型のヨット。曇天だったものの、風は十分にあり、神戸沖を快走。
 私達は雑談をしながらもいろいろとレクチャーを受け、だんだんと「ヨットの魅力」に引き込まれていきました。
 日頃は陽気なYさんですが、ヨットの上では全く違う顔に見えました。その顔は趣味に興じる顔ではなく、伝統ある企業のトップとして、日々戦っているYさんの顔なのだろうなあ、と思いました
 2年前、名古屋でトライアスロンメンバーの夕食会にゲストとして参加されたYさんが、あれよあれよという間に私達のチームに引き込まれ、たった3か月でレースの準備をし、全く問題なく4月の石垣島トライアスロンで完走されたこと・・・ ヨットの上でのYさんを見ていると、それが快挙でもなんでもなく、Yさんのバイタリティーと、とてつもない努力家であることに由来していることが十分に理解できました。
 そして同時に、はじめは「クルーザーに乗るレジャー気分」だったその日のお仲間達が、途中から皆、レース艇のヨットがスポーツであることをしっかりと受け止め、この日をまたとないチャンスとして、大いに「学習していること」を実感したのです

 私事ですが・・・私にとってのトライアスロンは、趣味やスポーツという意味ではなく、この「トライアスロンボーイズ&ガールズ」というチームだからこそ価値がある、と考えています 
 この一人一人のメンバー達は、それぞれに本当に「人間力」のある、すごく素敵な方達なんですよね・・・(ヨットのオーナーであるYさんを含め、この日にご一緒した方々は、日経ビジネスオンラインの「なぜ経営者は泳ぎ、漕ぎ、走るのか?」に取り上げられています)
 この日、私はあらためて、このヨットの経験を通じて、この人達の魅力に触れた気がしました

 この人達は、トライアスロンのレースで途中棄権をしたり、ご自分のお仕事の上でマイナスや、マイナスの結果に終わったことがあっても、決して文句や愚痴を言わない・・・プラス、マイナス関係なく、いつも経験や身の回りのことから何かを学び、それを自分の仕事や生き方に活かしている・・・けれど、そんなことを小難しく論じたり、唾を飛ばして熱弁をふるうこともなく、ニコニコとスマートに淡々としている・・・
 そして、一番素敵なことは・・・どんな時も、どんなことも「楽しんでいる」「楽しめる」ということなんです

 この日は、曇天でスタートした後、途中、南国のスコールのような雨に見舞われましたもちろん10人もが寝泊まりできるような大型のヨットですから、屋内に退避することも可能ですが、雨とともに強まった風を受け、それぞれに小さな「役割」もあり、のんびりと雨を避けて物見遊山気分とはいきません。そんな中でも、皆は指示された通りに動き、そしてワーワーキャーキャーとはしゃぎ・・・

 せっかくだから食べましょう!ということになり、すっかり「斜めに傾いて走行している中」でテーブルをだし、美味しいパンとサラダ、ハム、シャンパンとワインでランチをしました
 途中、頭を何度も屈めたり、男性陣は必死にロープをたぐったり、巻いたりしながらも、パンを頬張り、ワインを飲み・・・一度は突然の強風にあおられ、艇が急に大きく傾いた時、テーブルの上の食べ物や紙皿がざざーっと滑り出しました その時にも、全員がわーーーっと!と手を広げ、食材を守り?!ワインを守り!?大爆笑
 この時、私の頭の中に「どーんと構える」という言葉があらわれました
そして、ものすごく感動したものでした
 誰もワーッとかキャーとか言うこともなく、突然の不幸?!に狂喜したものでした。中でも、今年66歳になる華道家の女性は、半分お尻が海の中につかりながらも、「まあ、大変よ わたくし、おねしょをしたみたいになっちゃったわー」と笑顔。

 私はね、お友達自慢をしたいわけでも、私のヨット経験自慢をしたいわけでもありません 私は、是非ぜひ、この「どーんと構える」ことの大切さ、凄さと、「何事をも楽しむ」ことのすばらしさ・・・これを伝えたかったのです

 人が生きていく上で・・・
 親が子どもを育てていく上で・・・ こんなに大事なことはないのではないでしょうか
  何事にもうろたえず、動じず、ブレず、揺れず、「どーんと構える」。
  どんな時、どんなことも「楽しむ」。

 私はこの日、あらためて「人間力とか何か?」「人の魅力とは何か?」の真髄を、見た気がしたのでした。
 そして、私もこのお仲間達から学び、私自身もこういう「人間力」と「人としての魅力」を備え持った人となって、私のまわりにいる多くの方々に良い影響を与えていければいいなあ・・・と、強く強く感じた日でした



コメント
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