まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

危ない!だけでは不十分

2007年03月22日 | プンプン

 「ほら、危ない」という親の声。
あれあれ、まただあ・・・と私は思うのです 
 危ない、という声かけ、それは、わが子に「危険だ」と知らせる言葉です、よね 要は、この言葉をわが子にかけるとき、親はわが子の危険を心配して、それを回避させようと思うからの言葉ですね。
 たとえば・・・
  道路に飛び出そうとしたわが子に・・・
  濡れた床を走り出したわが子に・・・
  狭い高所でふざけるわが子に・・・
もし、こういう状況で「危ない」と声をかけるのであれば納得できます。確かに、自動車にひかれてしまう、滑って転んでしまう、高いところから落下して怪我をする可能性がある、からです。この親の言葉かけに、子供たちも咄嗟にわれに返り、びくっとして危険な行動をやめるでしょう
 しかし最近は、「危ない!」という言葉かけが果たして適切だろうか?と疑問に思うことがよくあるのです

 スーパーで買い物をしていると・・・
突然前方から「無人ショッピングカート」が突進してきます 無人?!そう、小さな子供が「遊びの一端」として、ショッピングカートを押しているのです。
 背が低すぎるので、カートの押し手に手は届いても、顔が上には出ない・・・カートは押せても、前は見えない、という状態
 「危ない」と親は叫びます。しかし、待ってください!
危ないのは「私」で、その子供ではありません
 スーパーという公共の場で、遊び心で勝手なことをしているそこ子は、危なくはありません。
 まあ、他にどんな瞬時の言葉かけができるのか?とたずねられれば、ベストの答えはなく、「危ない!」が一番手っ取り早い、と言われれば、一言もありませんが・・・(むー、「ストップ!」はいかがでしょう?

 首都圏では、全私鉄、JR、バスなとで共通で利用できるパスモやスイカのサービスが3月18日からは始まり、駅への入場は今後はタッチパネルが主流になっていくでしょう。それを思えば、これからはこういうことは減少するのかもしれませんが・・・改札口でよく見られる光景。

 自動改札機の切符の差込口に、親の乗車券である切符を入れたい入れたいとせがむわが子に、わざわざ切符を渡し・・・
  「はい、ここ、ここに入れて・・・上手」などと言っている、親バカ親がたくさんいます。あれも、乗客のスムーズな改札の流れを滞らせるとんでもない愚行です
 わが子がうまく切符を入れられず、それに気づかずにそのままで進もうとしたとき、「危ない」と親は言います。
 つまり、切符が差込口からきちんと入っていないため、機械が入場を認識せず、ゲートが突然左右から閉まってくる・・・まあ、確かに小さな子供はそのゲートに顔からぶつかってしまうでしょう
 しかし、だからと言って、とんでもない大怪我をする、というような大事に陥るとは考えにくいものです むしろ、ここでは子供の大怪我ではなく、実際にはそこで人の流れを止め、その親子の後ろをついて歩いている、先を急ぐ多くの人たちに迷惑をかけている、ということが問題にされるべきこと、そう思いませんか

 じつは昨日、私は大阪の実家で、両親と近くのレストランまで昼食に出かけました 
 帰り道、車椅子利用ということで、今では滅多に買い物をするために店に入ることのない父に、いろんなものを見せてやりたいと思い、ロフトに入りました。
 首都圏では、比較的バリアフリー化、ユニバーナルデザイン化が進んできていますが、大都市とは言え、大阪はまだまだです 同時に、そこに暮らす人々の意識も、車椅子などに対して意識が高いとは言えません。

 私が父の車椅子を押して歩いていると、人がどんどん平気で前から歩いてきます まあ、全国津々浦々、傍若無人化している若者のことを思えば、それも仕方のないこととも思うのですが、やはり何より大阪で残念に思うのは、小さな子供を連れた両親達の、ハンディキャップの人たちに対する教育意識の低さです。
 本来は、これから成長していく子供たちの社会性を高めるため、車椅子や盲人用の白い杖の人に出会ったら、「そういう人たちはなぜその状態になり、どんな不自由があるか?そこで、健常者はどのようにすべきか?」などを教える生きたチャンスです
 しかし、実際には、勝手に突き進んでくるわが子に向かって・・・
 「ほら、車椅子とぶつかる 危ない
そのひとことでおしまいで、すみません!のお詫びの言葉もなければ、当然、わが子への教育的な言葉かけもありません

 世の中には、危険がいっぱいです。
幼い子ども達が、そんな多くの危険にさらされている現状を思えば、わが子のことを最優先に考える、という親の姿勢は必然なのかもしれません
 しかし、それでもなお、私は「親の教育的姿勢」はとても大切だと思っています
 何でもかんでも「危ない!」だけで済まさず、今、わが子に何という言葉をかけるべきか?を考え、生活そのものを、もっともっと「子どもの学ぶ場」として捉え、子どもが多くのことを、タイムリーに肌で感じ、学べるチャンスを作ってあげてほしい、そう考えています

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すてきな上司

2007年03月16日 | にこにこ
 私の行きつけの美容院の話しは、今までもよくブログに登場させますが、覚えていらっしゃいますか?少し前も、美容院に用意されたキャンディーボックスの話をしましたね
 さて、その美容院。じつはまた、とっても素敵なことがあったので、思わずそのお話をご紹介したいと思います

 私はひと月に1回の割合で美容院に行きます。ショートカットで、30代からすでにチラチラ白髪交じりになってきた私にとっては、その頻度がちょうどベストのタイミングなんです
ふた月前のその日、そうです、例のキャンディーボックスの日、ヘアーカラーをしていただいている間、私はHanakoという雑誌を読んでいました
老眼がひどくなるまでは、必ず文庫本を持っていき、カラーの時間はのんびり読書をする、という楽しみがあったのですが、今は老眼鏡なしでは本を読むことなど不可能になりました 特に、茶色っぽいページの上の小さな字なんて、とんでもない・・・それ以来、美容院は「とにかくリラックスする場」として考え、読書も含め真剣に何かをする、ということは諦めたのでした

 そんな私のことをよくご存知のスタッフの方々は、比較的活字の大きい、私好みの雑誌を数冊、上手に選んでもってきてくださいます。そんな雑誌の中でも、Hanakoは写真も多く、特集の内容によっては、かなり「そそられる雑誌」で、私のお気に入りです

 その日も、シャンプーを済ませた私に、アシスタントの女性がHanakoを持ってきてくれましたいくつかの特集の中に「ソウルのおいしい新店舗」というものがあり、昨年から恒例にしようと企んでいる友人とのソウル行きに、これまたソウルの食事情にはまってしまった主人との、次回のソウルホリデーに、フルに活用できそうな特集だと思い、一生懸命に読み始めました
けれど、記事自体はかろうじて読めますが、米粒の半分以下の大きさの活字で書かれたレストランの場所や住所、連絡先や地図などは全く読めません たとえ名前だけでも覚えようと思いましたが、英語のような聞き慣れた音とは違い、馴染みのない言葉、名前は、なかなかすんなりと頭に入ってきません

 そこで、いつも笑顔で、まっすぐに仕事に取り組んでいるアシスタントのお嬢さんに声をかけてみたのです。
 「すみません、ここにある雑誌って、新しいものが発売になると、どなたかが持って帰ったりなさらずに、処分されるのかしら?あのね、私、今読んでいるこの雑誌、もし差し支えなかったら、新しい号が出たら、いただいてもいいかしら?」
 彼女はすぐにオーナーである私を担当してくださっている美容師さんに確認に向かいました。お答えは・・・
 「どうぞ、どうぞ お店に置いておきますから、次回においでになる時でも、おついでの時でも、持っていらしてください」でした。

 それからひと月、結局私は、次回のカットの時期までチャンスがなく、雑誌をいただきに行くことはできませんでした。そして半月ほど前、カットに行ったところ・・・
 シャンプーをしてくれたアシスタントの女性が、
 「南坊さん、この間のHanako、バックルームに置いてありますので、どうぞお帰りの時にお持ちになってくださいね」と声をかけてくれました。
 じつは、前回のカットの後、半月ほどは例の記事のことが気にかかり、何とかカットに行くまでに雑誌をいただきに行くことはできないか?と考えていたのですが、そのうちにバタバタとしてしまい、とうとう、オバサンの「遊びの素」のことを忘れてしまっていたのでした そして、美容院に入り、壁にきれいに並んだ雑誌を見た時、はっと思いだしたのでした

 仕上げのシャンプーもブローも終わり、いよいよおしまい、という頃になって、さっとさっきのアシスタントの女性がHanakoを手に近づいてきました。私は、自分の姿が映る鏡で、その姿を見ていたのでした。
 お嬢さんは、こそこそっとオーナーの耳元で小声で何か話したかと思うと、オーナーもまたこそこそ・・・すると、私が席を立とうとした時には、雑誌は洒落た紙袋に入れら、お嬢さんの手の中にありました
 「どうぞ、これ、玄関までお持ちします

 もちろん、その本は買ったものではないのですから、雑誌がむき出しのままでも、ちっとも問題ではありません むしろ、どうぞ!と渡していただけるだけで、十分にありがたいものでした
 けれど、オーナーがこそこそっと耳打ちした言葉は、「何か、袋はないの?」であり、また、さっとバックルームに消えた僅かの時間に手持ちの袋をささっと探し、ちょうど良いものを見つけて入れてきたアシスタントのお嬢さんの機転の良さでした・・・私は感動しました

 そこで、私は席を立つ時にお礼を言いました
 「本当にありがとうございました 私が気ままなお願いをしてしまって・・・でも、本当にうれしいです。どうもありがとうございました

 すると、オーナーは笑顔でこうお応えになりました。
 「いえいえ、この子がちゃんと覚えていて、自分でしっかり保管していたんですよ
 そして、笑顔で、「ねっ!」というようにアシスタントのお嬢さんのほうに顔を向けられました
 その時のお嬢さんの顔・・・私が、ありがとうと言った時以上に、うれしそうに、そして少し恥ずかしそうに笑顔を見せてくれたのでした

 私はこの時、心から「すごいな・・・」と心を動かされました このオーナーの言葉の「深さ」に感激でした
 この時、オーナーは、私のお礼の言葉に対して「いえいえ、どうぞどうぞ」とおっしゃるだけで十分だった、ですよね。しかし、この機会をタイムリーにきちんと捉えて、自分の店のスタッフをさりげなく誉め、評価することを忘れませんでした アシスタントのお嬢さんは、お客様の前で自分が評価されたことをとてもうれしく感じたでしょうし、自分の行為が、このようにお客様にも喜ばれ、同時にオーナーにも認めてもらえたことに感激したでしょう

 このオーナーは、ご自分にも厳しい方ですから、日頃からお店のスタッフの方々にも、やはり厳しく接していらっしゃることと思います。その甲斐あって、繁華街にあるちょっと名の知れた美容院にありがちな、派手さや華やかさ、妙な馴れ馴れしさなどはなく、十分に「元町にあるオシャレなお店」でありながら、しっかりとした品格の感じられる店なんですね もちろん、品格や雰囲気は、確かな高い技術に裏打ちされていることは言うまでもありませんが・・・

 ここでは、部下と上司、師弟関係の話しとして書きましたが、いかがでしょう?この絶妙の言葉かけは、「親子」の間でも、とても意味を成す、重要なことだと思います
 どんな子どもでも、やはり評価されること、誉められることはうれしいものです 親や祖父母、先生が誉めてくれた、というだけで、それが次への大きな励みになったり、努力の原動力になったりします こういう連鎖は、大人でも言えることですよね

 しかし、単純に誉める、というだけではなく、このように間接的に誉められる、というようなことも、じつはとても効果的、なんですよ
 この美容院の話しでもそうですね。このオーナーは、私が帰った後、アシスタントのお嬢さんに「わざわざ覚えてくれていてありがとう!南坊さん、喜んでくださって良かったね」と声をかけるだけでも、きっとそのお嬢さんはうれしかったはずです。誉められて、評価もされたのですから
 でも、このオーナーはその方法を選ばず、敢えて私という第3者のいる前で誉められました
 きっとこれは、面と向かって直接に誉められる以上に「誇らしい思い」となって、嬉しさは倍増したはずです

 「ねえ、パパ、聞いて聞いて 今日はAくんがね、幼稚園で~~できたんだって。すごいでしょう 先生からそのことをお聞きして、私、すごーくうれしかったわー
 「Bちゃん、あのね、昨日お兄ちゃまがね、~~してくれたのよ ママすごく助かっちゃったの。お兄ちゃま、かっこいいわよね

 私もそのうち我が家の娘に「ねえ、パパ 今日ね、ママが私に~~~してくれたの、すごいでしょう 私、ママみたいなお母さんになれればいいなあって、今日は心底思っちゃった」なーんて言ってくれたら、ママ、もっともっとはりきっちゃうんですけどね・・・

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三浦国際市民マラソンで感じたこと

2007年03月09日 | う゛う゛ー
 4日の日曜日、汗ばむくらいの好天のもと、三浦国際市民マラソンが開催されました
 5キロ、10キロ、ハーフマラソンの3種目が設定されたこの市民マラソンは今年で25日目を迎え、まさに老若男女、多くのランニングファンが集いました
 11月のロタ島でのトライアスロン以来、大きな大会には出場していなかった主人も、トライアスロンボーイズ&ガールズのお仲間とともに、ハーフマラソンにエントリー。新年からはこの大会に照準を合わせて、トレーニングに励んでいました
 こんなランニング好きの主人と一緒にいながら、私は今まで一度も応援に行ったことはありませんでした
 私にとっては、「ガッツ親父の自虐的な趣味」などとちょっぴりアウトオブ眼中にしたいぞー、という気分もあり・・・
 どうしてかって?そりゃあ、メタボリックシンドロームを真剣に心配しながらも、若い頃から大の食好きの私です おいしいものを食べて、パソコンの前に座る、という繰り返しの毎日では、主人の趣味、主人のトレーニングを見ていると、私のあり方そのものが間違いに見えてしまい・・・ 本当は、心底、「パパは凄いなあ」と思いつつ、敢えて応援はしないぞっ!という気分だったのですね

 でも、あの三浦マラソンの日は、あまりの美しい晴天に誘われ、のこのこと主人の応援に行ってしまいました
 6時代に出かけていった主人を追って、私も7時過ぎに横浜から京浜急行に乗り込んだのですが、びーーーーーーっくり仰天
 横浜駅のホームに溢れんばかりのスポーツウエアの人々 電車の中も、すでにランナーと思しき乗客で満員です
 それに、誰一人として憂鬱な顔をしている人はなく、みなさん、まさに武者震い状態。(う゛―、世の中には、こんなに自分をいじめるのがお好きな方がいるのかあ・・・)
 三浦海岸駅は、すでにマイクから流れる声が飛び交い、ランナー達の熱気で異様な雰囲気でした。

 私は、主人の携帯電話での誘導に従い、海岸まで歩いていきました そこにはトライアスロンボーイズ&ガールズの指導者である松山先生がご用意くださったテントがあって、すでに主人もお仲間達も、ランニングウエアに着替え、満面の笑顔でストレッチをしたり、アミノ○○といういろんな顆粒を飲んでいたり テントの中には大量のおにぎり、おでん、バナナ、スポーツドリンク すっかり雰囲気に圧倒されてしまいました。
 何だか、その場に「普通の格好」をした人がいるのは、ものすごく場違いな空気があり、私一人だけが異分子で、まさに浮いた感じ・・・

 さて。
異分子の私は、5キロ、10キロのスタートに続き、いよいよスタートをする主人達のハーフマラソン軍団のスタート地点まで移動しました 約3800名のスタートです。海岸沿いの道路に、延々と続くランナー達・・・私はここで、とっても興味深いことに気づいたのです

 それは、スタートの号砲を待つランナー達の顔、様子
彼らは、これから、「同じこと」に向かうのですよね。21キロのコースを走る、という一つの同じ行為、です。一人一人に与えられる条件は同じです
 同じ気温、同じ天候、同じ距離、同じサービスエイド・・・けれど、ランナー一人一人の表情も様子も、ものすごく違うのですよ 仲間達と笑って話している人もいれば、目を閉じている人もいます。狭いスペースにも関わらず、さわしなげに手足を動かしている人もいれば、じっと前だけを見つめている人もいますこれは、一人で参加しているか、仲間で参加しているか、の違いではありません。

 いよいよスタート
トップにスタートを切るのは、あの箱根駅伝の優勝校、順天堂大学の選手等の招待選手。ハーフマラソンに出場する3800名全員がスタートを終えるまでは、かなりの時間がかかります。トップの選手達がスタートを切ってから、5分以上すぎてから、主人やお仲間達もスタートしていきました
 全員がスタートしてしばらくすると、10キロのレースを終える記録の早い選手達がすでにゴールをし始めます。とにかく、スタート、ゴール地点は、異様な熱気、熱気、熱気・・・

 今日は1時間40分を絶対に切りたい、という主人の言葉を思い出し、私は1時間25分経過した頃からゴール地点に移動し、続々と入ってくるランナー達の様子を見ていました 私が立ったところは、ゴールまで残り30メーターの地点。まさに最後の最後、あと一息のところです

 そして、私はまたここでも、感じたのでした・・・ ゴールを間近に控えたランナー達の表情、走っている様子、状態には、著しい違いがあるのです
 スタートの様子としても書いた通り、走っている彼らに与えられている条件は同じ。同じ気温、同じ天候、同じ距離、同じサービスエイド・・・ しかし、私の前を通り過ぎるランナーは様々です

  余裕綽々で沿道の人々に手を振りながら走っていく人、
  ○○、いいぞ!と声をかけられ、おー応援ありがとう!などと普通に笑顔で応える人、
  かなり顔色も悪く、今にも倒れそうになって走っていく人、
  顔を歪めて、最後の力を振り絞ってダッシュをする人、
  すでに1時間半以上も走りながら、全く無表情で淡々と走っていく人、
  ブツブツと何かを唱えながら走っていく人・・・

 もちろん、足取りもさまざまです。ストライド大きく、短距離や中距離選手を思わせる人もいれば、チョコマカチョコマカ、おつかいに急ぐ子どものような人もいます かなり個性的な、変わったフォームの人もいれば、きっとコーチにでもついて、正式にランニングを習っているのよね、と思わせるような長距離の教科書通りの走りをする人もいます

 要するに・・・ 「人はみな、それぞれ」ってことです
こんなことを言えば、きっとみなさんは思われるでしょうね。「何を今さら言ってるんでしょう、人はみなそれぞれなんて、当たり前のことでしょう!」と。
 でもね、本当に「人はみな、それぞれ」ということを、わかっているでしょうか?

 たとえば。
我が子が幼稚園や保育園の運動会に臨む時。かけっこが速く、運動神経の長けた子どもの親は、ルンルンですよね 何日も前からビデオの用意をして、もらってきたプログラムの園庭の見取り図を見ながら、カメラの位置まで考えたり・・・
 その反面、かけっこの遅い、運動が苦手という子どもの親は思うのです 「運動会ねえ、何かいまいち、のれないんだよなあ きっとあいつ、ターラターラ走るんだぜ 3着とか4着になっても、ニタニタしてさあ。そのクセ、パパ、ビデオ撮った?なんて聞いてきたりして 颯爽とゴールテープでも切ってくれりゃあさあ、カメラ、がんばり甲斐もあるんだけどねえ・・・」なんて。

 いかがですか?
私達親は、「人はみな、それぞれ」と思いつつも、やっぱり心のどこかで、我が子の「一番かっこいい姿」を、望んでいる・・・そうは思いませんか?

 それが今回のようなレースであれば、最後まで余裕のある走りで、決してへろへろになんてならず、顔も歪めず、上位のほうで颯爽とゴールする姿・・・決して手抜きなんてせず必死にがんばり、そして、必ず結果を出す姿を・・・

 もちろん、我が子に理想を求めることは、ちっとも悪いことではありません それが子どもの良い励みとなり、努力の原動力になるのですから
 けれど、親の理想を求める思いは、時にはどんどんとヒートアップしていきます。そして、熱くなればなるほど、ささやかな期待だったはずのものが、熱望になり、熱望はやがて強要となる・・・

 私はこの日、目の前を走り抜け、ゴールに向かって行く見知らぬランナー達に静かにエールを送りながら、痛いほど感じたのでした。
 この人達の一人一人が違う体重で、違う体力や脚力を持って、違う練習方法で、違う回数のトレーニングを行って走っている・・・

 日頃15キロしか走らない人は、たとえタイムは芳しくなかったとしても、本番のレースで自分の未知の残り5キロを走り終えたわけですし
 長い間体調が悪く、十分な練習を積めなかった人の復帰レースであれば、この日、完走できるだけで十分にすばらしいことです

 一方、フルマラソンを走ることをスタンダードにしているランナーならば、ハーフマラソンは楽々だったでしょうし
 何度もハーフマラソンの出場経験のある人が、タイムを10分も落としたならば、きっとそれはとても残念なことだったはず

 我が子の日頃の心拍数も知らず、我が子のマキシマムの力も知らず、脚力も知らず、意気込みも知らず・・・それでも、格好よく颯爽とゴールする姿「一番かっこいい姿」を望んでいるとしたら???

 主人は、私の予想に反し、必死の形相で、辛そうにゴールに向かって走って行きました。タイムは、自分で設定した1時間40分をほんのわずか切りましたが、今回のレースはとても辛かった、としみじみと話していました。それは、さまざまな要素が相まって、そういう状況を生んだのだ、とも説明してくれたのでした
 お仲間達も、みなさん完走し、レースの後は近くの温泉でひとっ風呂浴びて汗を流し、三浦海岸の駅前に出た居酒屋さんの出店で乾杯をして盛り上がりました
 少しピークは過ぎていましたが、駅前では河津桜がきれいでした
  
 人は十人十色。子どもだって十人十色。
でも、なぜか親は「ひと色」の格好良さを望み求めている・・・意識的に?無意識に?・・・

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目を閉じて、深呼吸

2007年03月02日 | にこにこ
 スズメ、ハト、そしてカラス。このあたりが、都会の中でいつも見ることのできる鳥でしょうか
 ちょっと地域的な要素が入ると・・・ここ横浜では、我が家から電車で10分も行けば海が見え、カモメをたくさん見ることができます

 そう言えば・・・子どもの頃、「かもめの水兵さん」というレコードを持っていました 私の人生最初のお気に入りの一枚で、松島トモ子さんが歌っていらしたと思います。
 その歌詞、「かもめの水兵さん・・・白い帽子、白いシャツ、白い服・・・」の通り、カモメは頭、顔の部分が真っ白で、身体の部分はお洋服を着たように、ほんのりグレーなんですよね
 昭和8年、親戚の見送りに横浜の波止場に来た童謡詩人の武内俊子さんが、「ああ、このカモメ達は、まるで水兵さんの姿のようだ」と思われた気持ちがよくわかります

 私は、母がお掃除をする横で、いつもそのレコードをかけてもらっていたことをよく覚えています
 確か、あのレコードは33回転のスピードでした。ほとんどのドーナツ版は45回転。しかし、少々大判のレコードは、33回転だった記憶があります
 少し大きくなってからは、母のいない時を見計らって、私はそのお気に入りのレコードをプレーヤーに乗せ、16回転にしたり、73回転にしたりして、一人で手を叩いて大爆笑をしたものです
 一人っ子の私にとって、こういう一人遊びは、まさに「秘密の楽しみ」で・・・

 今の若いお母様方には、「レコードの回転数を変える?何それ」「それで、どうして大爆笑するわけ?はあ」と思われるでしょうね。では、ちょっと補足です
 33回転のスピードのレコードを、16回転にすると、本来はとってもかわいい松島トモ子さんの歌声が、低い低いオッサン声になり・・・
「くゎ~むぉ~むぇ~ぬぉ、す~いへ~いすゎ~ん・・・」となります。
 72回転にすると、高い高い電子音のような声になって・・・
「カモメーノスイヘイサン・・・」と超スピードになるのです
 何だか、松島さんには本当に申し訳ないことですが、母に叱られた後やお友達とケンカした後などには、この「遊び」はイヤなことをすっかり忘れられる、スカッとするおもしろさでした

 まあ、鳥の話のつもりが脱線、脱線
地域性と言えば、鎌倉から三浦半島あたりではトンビ、です。あのあたりでは、いつも海辺のたかーいところに、3,4羽のトンビが旋回しながら飛んでいて、本当に「ぴーひょろー」と鳴くんですねえ
 そののーんびりと飛ぶ様子を見ていると、ああ、トンビの目には、私達はどんなふうに映っているのかしら?と眺めてしまいます・・・
 そんなのんびりに見えるトンビも、砂浜でお弁当を広げようものなら、目ざとくそれを見つけ、急降下をして、たちまち、お弁当の中身はさらわれていくのですよ ご存知でしたか

 さて。
我が家が、町中のマンションではありながら、丘陵地の尾根づたいに建っているということもあり、樹木や鳥が多い、ということは、すでに何度もブログの中でお話をしたことと思います
 ベランダで干し物をしていると、毎日、必ず眼下でガサゴソと音がします。山鳩です 桜の大木の根元、枯葉が積もった上を数羽の山鳩が歩く音です
 それから、尻尾の長い、ほら、私の大切なハンギングプランターのお花を食べる鳥(名前はよくわかりません)・・・あの鳥もやってきます。
 じつは、今年もやっぱりお花も茎も葉っぱも食べられて、3日でお花は坊主になってしまいました でも、きれいな色のお花を食べるなんて、何だかちょっとオシャレな鳥だなあ、なんて、今年は追い払うことを止めました
 今年は、「アカウソ」という鳥もたくさんやってきました そう、あの亀戸天神のウソ替え神事の「ウソ」です。(毎年1月24・25日に行われる神事で、檜の一刀彫のウソが授けられます。次の年には新しい一刀彫のウソと取り替えるのです。これは「凶もウソとなり吉にトリ替わる」という語呂合わせ、でしょうか) 
 ある朝、主人をベランダから見送り、ふっと桜の木に目をやってみると・・・スズメくらいの大きさの、首の赤い珍しい鳥達がたくさんいるのです あれ?スズメじゃないな・・・こんな鳥、初めて見たぞ
 思わずパソコンを立ち上げ、インターネットの野鳥図鑑を探してみました すると、ありました、ありました 図鑑の中の写真は、まさにベランダ前の桜の木に留まっている鳥です 本当に、一刀彫のウソと同じように、首のところが赤いのですねえ・・・
 
 今年は、ゲラ(きつつき)もやってきたのですよ ベランダのお花に水やりをしていると、前の桜の木で軽やかな「コツコツコツ」という音が聞こえるのです。???と思い、音のほうを見てみると、スズメより少し大きいくらいの鳥が1羽、桜の細い枝をくちばしでつついているではありませんか
 私は、童話の中や、動物番組の中では見たことのある様子ですが、実際にものすごいスピードで、枝をコツコツと叩く様は、かなり驚きでした

さあ、みなさんのまわりには、どんな「あれ」「わあ」がありますか?

 心のゆとり・・・
よく私が話題にしますね。子どもを育てている間は、毎日、ばたばたと忙しく過ごしているうちに、あっという間に夜が来て、そして次の朝がやってきます。次の一日が始まれば、あれあれという間に、また夜がやってきてしまいます・・・

 でも、ほんの短い時間でも、いろんな課題、目の前の「mustやshould」を気持ちの横っちょに置いて、目を閉じ・・・大きな深呼吸をしてみましょう 次に目を開いた時には、きっと少し心が軽くなっていますよ
そうすれば、日頃は見えていなかった「小さな、素敵なこと」が目に入ってくるはずです。それはお花だったり、野鳥だったり、風の音だったり、もしかしたら、それは時には我が子の全く違う表情、かもしれませんね

 毎日、ばたばた、イライラしてばかりでは、本当はあなたのまわりに確かにあるステキなものが、見えなくなってしまってる??? それでは、残念、残念
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